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15年目の愛  作者: みいな
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第11話 海と波と、揺れる想い

1. 夏の計画


「海、行こうぜ!」


ある日、蓮が突然そう言い出した。


「え?」


「夏といえば海だろ? せっかくの休みだし、みんなで行こうぜ!」


「いいね! 海、久しぶり!」


美陽が目を輝かせると、梨沙子も微笑んだ。


「確かに、いいかもね。たまにはみんなで遊ぶのも」


「……めんどくせぇ」


幸大がぼそっと呟いたが、蓮は即座に肩を叩く。


「またお前はそうやって乗り気じゃない感じ出す! たまには楽しめって!」


「俺は別に……」


「ほら、潤も行くだろ?」


蓮が話を振ると、潤は軽く笑った。


「俺も行く。てか、海ってめっちゃ夏っぽくていいじゃん」


「ほら、決まり! じゃあこの5人で行くぞ!」


こうして、美陽・幸大・蓮・梨沙子・潤の5人で海に行くことが決まった。


2. 海への道のり


「うわー! きれい!」


電車を降り、バスに揺られながら海に向かう途中、美陽は窓の外を眺めて声を上げた。


「海って、見るだけでテンション上がるよね!」


「……普通」


幸大は相変わらずテンション低めだったが、蓮が肩を叩く。


「お前さ、ちょっとは楽しもうとしろよ! せっかくの夏だろ!」


「別に嫌とは言ってないだろ」


「はいはい、ツンデレか」


「誰がだ」


そんな会話をよそに、美陽は笑いながら空を見上げた。


青い空、照りつける太陽、潮風の匂い。


(やっぱり、来てよかった!)


3. 海ではしゃぐ時間


海に着くと、5人は早速準備を整えた。


「よし、泳ぐぞ!」


蓮が勢いよく海へと飛び込む。


「うわっ、冷たい!」


「最初は冷たいけど、すぐ慣れるって!」


美陽も恐る恐る足を入れる。


「ひゃっ……!」


思ったより冷たくてびっくりしたが、徐々に慣れていく。


「ほら、こっち来いよ!」


蓮が美陽に手を振る。


「よーし!」


勢いよく波に向かって駆け出すと――


「わっ!?」


大きな波に足をすくわれ、美陽はバランスを崩して倒れそうになった。


「っと……」


その瞬間、腕を引かれて支えられる。


「大丈夫か?」


声の主は、潤だった。


「う、うん……!」


美陽は少し照れながら、潤の手を握ったまま立ち上がる。


「お前、はしゃぎすぎ」


「そ、そんなことないよ!」


「ちゃんと俺が見ててやるから、気をつけろよ」


「え……」


潤の優しい声に、美陽の心臓がドキッとする。


(……なんでこんなに意識しちゃうんだろう?)


そんな二人の様子を、幸大は少し離れた場所からじっと見ていた。


「……」


波が押し寄せては引いていくように、彼の胸の奥でも、何かがざわついていた。


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