表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/155

89

 その日のミーティングでは、計画についてハルさんから発表があった。

 日にちと場所は決まっている。イベントが獲れるかはまだわからないが、遠方のイベントだから、早めに予定を調整するようにと発信があった。


 計画の発案者でプロデューサー的な立ち位置で計画を仕切っている祷が呼ばれ、経緯や進捗、イベントの内容(『ソルエス』の立ち位置や実施することなど)について話していた。

 澱みなく話す祷。聞き取りやすいしわかりやすい。

 やっぱり祷はすごいなぁ、なんて思いながらぼんやり眺めていたら、わたしの名前が突然会場に響いた。

 みんなわたしを見ている。


 え? な、なに?


「がんちゃん?

今回の企画の内容を考えて、今週のプレゼンではプレゼンターを務めるがんちゃんから、みんなにひと言言ってもらって良い?

意気込みとか、なんでも」



 そんなの聞いてない!

 あぁ、みんな待ってる。


「あ、はいっ」


 とにかく何か言わなきゃ終わらない。

 とりあえず勢いよく立ち上がった。


「ええと、イベントのない時期に何かできないかって祷が考えてくれて、ハルさんに相談して、出演の機会を自ら獲りにいこうというきっかけで始まった計画です。

もし獲れたら、お祭りやショーなどのパレードやステージとは異なるイベントになると思います。遠くのサンビスタと一緒に演出する珍しい機会になると思いますので、もし獲れたら出られる方は出て、楽しんでもらえたら嬉しいです。

そうなるように、今週のプレゼンがんばります!」


 場が温かい拍手に包まれた。

 恐縮しつつ左右にぺこぺこお辞儀しつつ座る。

 なんとかそれっぽいこと言えた。


 隣に座っていた柊が腕をつついてきた。


「がんちゃんすごい! スピーチ上手だねぇ。格好良かったよ」


 そうかなぁ。一生懸命言おうとしすぎてて、辿々しかった気がする。

 祷みたいにすらすらと言葉が出てきたら本当に格好良いのだろうけど。


 だけど柊は感心した様子で、

「これならプレゼンいけそうだよね!」

 と笑顔を見せた。


 柊が期待してくれている。がんばろう!

 いや、拍手してくれたメンバーのみんな。遠いしタイミングが合わず参加できないひともいるだろうけど、みんなにとっても楽しんでもらえる機会になるはずだ。


 プレゼンの後の実演で踊る穂積さんと柊に思いっきり踊ってもらうためにも、前座としての役割もきっちり果たさないと。

 となると、内容だけじゃなくてプレゼンの仕方も考えないと。だんだんと盛り上がる構成にして、そのままシームレスにパフォーマンスにいけたら良いな。

 あとで祷に相談してみよう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ