表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
108/155

105

 目が覚めた。


 時計を見る。まだ四時半だ。


 起きるには早過ぎる。


 二度寝する?


 布団の中で少し目を瞑ってみる、が。

 いや、起きよう。多分眠れそうもない。



 カーテンを開ける。まだ暗い。


 日中はまだ暑い日もあるが、暦上はとっくに秋だ。

 きっと、気づいたら暑さが緩んできたなーって思ったら、過ごしやすい日なんて数えるほどで、一気に寒い冬へと変わっていくのだろう。



 せっかく早起きしたので、走ってくることにした。

 普段はランニングの習慣なんてまるでないが、今はなんだか走りたい気分だった。



 外に出る。


 暗いけれど闇は薄れていて、身体を包む空気は軽やかだ。

 昨日もこの時期とは思えない暑さだったが、夏の盛りの日々ように、日中の暑さが夜を超えて尚残り続けているようなことはなかった。




 コースなんかも特に決めず、気の向くままに走る。




 やった......!




 気が逸っているのか、走るペースが上がっていく。




 やったっ!





 もはや短距離走のように走っているわたし。




 やったぁっ‼︎




 気持ちを抑えられなくなったわたしは、全力疾走していた。





 力尽きるまで走ったわたしは、帰路は呼吸を整えながら歩いた。





 昨日の夜、メールが届いた。

 姫田の担当の安達さんからだった。



 プレゼンの日、祷がその日のうちに安達さんにお礼のメールを、プレゼンに参加した四人の連名で送っていた。CCに三人のアドレスも入れて。



 安達さんからのメールは、全員への返信だったので、結果を伝えるメールをわたしもタイムリーに見ることができた。




 結果は、提案した企画を進めてくださると言う内容だった。


 予算もほぼ姫田の方で組み、阿波ゼルコーバへは細かい調整や実施に於ける労力や細々とした実費などを負担してもらうと言うバランスで、既にまとめに入っていると書かれていた。


 この後阿波ゼルコーバの担当者とは日程の調整をして、インターネット回線を使ったモニター越しでの顔合わせの機会が設けられることになっているようだが、案件としては既に確定で、プレゼン等は必要なく、気軽におしゃべりしてくれれば良いとのこと。

 なんでも阿波ゼルコーバの担当者は非常にノリの良い性格で、仕事の場でも硬く丁寧な会話よりは楽しいやり取りを好むタイプらしい。


 先日のプレゼンの様子を録画したデータを阿波ゼルコーバの担当者にも見てもらったところ、大層好評だったそうだ。

 安達さんによる阿波ゼルコーバ担当者の人物評が事実なら、好評という評価もお世辞ではないと思えた。




 上気した身体に、軽やかな風が心地良い。




 東の空が少しずつ明るくなってきていた。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ