一話
その女性は腰につくほどの長い赤髪で目も赤い。
鼻は高く顔つきは整っている。
肌は少し黒っぽい。
服装は黒いタンクトップに白の短パンというラフな格好である。
胸元もそこそこ見えていて目のやりばがない。
「わっ!?
ええとお姉さん誰?」
「あたしか。
あたしはシエナ。
ただの冒険者だ」
「僕はレオです」
「レオか。
で、なんか辛そうに見えるがなんかあったのか?」
「ええと、実は…………
さっきここら辺であった出来事を話す。
話を聞いたシエナは腹を抱えて笑った。
というか大爆笑していた。
「ぎゃはははははは!!!!! マジかよ!!そりゃ傑作だったな!」
「笑わないでよ!」
「まあ、嬢はそんな奴だからな」
「嬢?」
「あの受付嬢。
あいつは面倒な仕事をしたくないが為にお前を追い払おうとした。でもそれを無視されて逆上したんだろうぜ」
「……そうなんだ」
「そういや、おまえはなんで冒険者なんて言う危険で不人気な職に就こうとしたんだ?」
「ええと、前に僕の住んでいた村に勇者がやってきて。
その時に村に来た勇者に憧れて。
僕もああなりたいと思って」
「ふぅ~ん。
つまりは勇者を目指してるわけか」
「うん!」
「結構珍しいタイプだなお前みたいな奴は。
でも、勇者は簡単にはなれないぜ」
「えっ!?なんで」
「勇者になるには条件がいるんだよ。
魔王とか邪竜とかそう言った国もしくは世界レベルの危機が訪れなければなれない。
そして、それに対処できるスキルや神の加護がある人が選べれる。
パッと見てあんたはそういうのなさそうだな」
「そっかぁ……」
「まあ、落ち込むなよ。
勇者は無理でも英雄にはなれるぞ。
英雄は偉業を成し遂げた人だからな。
更に英雄から勇者に選ばれた人も歴史上にいるからな。
ということで私と組まないか」
「どういうこと?」
「あたしはな今、冒険に付き合ってくれる仲間を探しているんだよ。
それが中々集まらなくてな。
だから、あんたにあたしの旅の仲間になって欲しいんだよ」
「ええええええ!!!!!
僕、冒険者じゃないんですけど!?」
「冒険者資格はなくても冒険者と一緒に活動することは出来る。
要は見習いだよ。
それでいいだろ? よし!決定だ!よろしく頼むよ」
と言って彼女は手を差し伸べる。
レオはその手を恐る恐る握る。
「はい。
こちらこそ宜しくお願いします」
ここはある宿屋。
そこには三人の女性と一人の少年がいた。
「紹介するよ。
あたしのパーティメンバーたちだ」
とシエナはレオに言う。
「初めまして……」
「初めまして!
わたしはエレナ。
僕、何て名前?」
話しかけてきたのは猫の獣人の少女だ。
頭には緑のバンダナを付けている。
髪は一切濁りのない純白で肩より少し長い。
目は鮮やかな水色とエメラルドグリーンのオッドアイ。
顔つきは幼い。
肩幅は狭く全体的に細い印象を与える。
服装は白いシャツの上にブラウンのジャケット。
下は青いハーフパンツを履いていてそのベルトにはナイフやポーチがついている。
足は皮のブーツ。
身長は145㎝ほどで12歳に見えなくもない。
「レオです」
「レオ君って言うんだね。
よろしくね!」
「よろしく……。
あの方は」
「ああ、エルね。
あの子いつもあんな感じだから気にしない方がいいよ」
彼女が示した方向には金髪のロングヘアーのハーフエルフの少女がいる。
目は髪の色と反対の銀色。
肌の色は白い。
鼻は高く顔つきは整っている。
髪には花の髪飾りをしている。
服装は白いセーターの上に白いローブを羽織っている。
首元から胸元にかけて青の宝石のネックレスを下げている。
下半身には白いスラックス。
靴は茶系統の茶色でローファー。
手には長い木の杖を持っていていかにもな魔法使い
と言うような見た目である。
身長は160ほどで年齢的には18歳ほどに見える。
彼女の視線がレオたちに向く。
すると少し顔を赤らめて、もじもじまごついている様子でいた。
何か言いたいことがあるようだが上手く言えないといったところだろう。
「よし、これで自己紹介は済んだな。
それじゃあさっそく本題に入るか」
シエナはそう言って話を切り出した。