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プロローグ1


 今日は月曜日、時刻は朝の6時半だ。

 カーテンは閉まっているので、気持ちの良い朝でも、部屋の中はやや薄暗い。

 そんな部屋の中で、10代後半くらいの少年がベッドで寝ている。

 

 ガチャリと部屋の扉が開き、1人の少女が部屋に入ってきた。

 少女は黒い髪に黒い瞳で、典型的な日本人の特徴に見える。

 他に特徴を上げるなら、ツインテールに結んでおり、制服を着ている事から学生と思われる。


「お兄ちゃん、朝だよー。可愛い妹が起こしに来てあげたよー」

「……うぅーん……」

「せっかくの美味しい朝ごはんが冷めちゃうよー」

「…………んん………」


 少年をお兄ちゃんと呼ぶ事から、おそらく少女は妹、もしくは妹的な存在なのだろう。

 朝起こしてくれる上に、朝食の用意までしてくれるだなんて、実に羨ましい限りだ。

 それに少女は、愛くるしい顔立ちをしているので、ただの少女ではなく、美少女だ。

 こんな妹がいてくれたらと、ほとんどの男性が望む事だろう。


「……んーん…………ここは……どこだ?」 

「もう、お兄ちゃん寝ぼけてるの?」

「……お兄……ちゃん?」

「ほら、いつまでも寝ぼけてないで、顔洗ってきなよ。一緒に朝ごはん食べよ♪」

「……え?……夏恋(かれん)!?」

「そうだよー、お兄ちゃんの可憐な妹、夏恋ちゃんだよ♪」


 少年は、身体は半分起こしているのに、意識は半分も目覚めていないのだろうか?

 そうならば、夏恋の言う通り、早く顔を洗ってきた方が良さそうだ。


「な、なんで夏恋が目の前に!?………え、俺は夢を見ているのか!?」

「どうしたのお兄ちゃん? こんなに寝起き悪かったっけ?」

「……あぁ、とんでもない〝悪夢〟を見ているようだ」

「変なお兄ちゃん。朝ごはん準備しておくから、ベッドから出て、さっさと顔を洗ってきてよね」

「………ああ」


 夏恋が部屋を出て行くと、少年が大きなため息をもらす。

 

「あぁ、本当に悪い夢だ………殺されるかと思った………」


 殺されるとは物騒な話だ。

 あんな可愛らしい少女とは、対極的な位置にある言葉だろう。


 ベッドを降りて部屋から出る。

 どうやら少年の部屋は2階にあったようだ。

 顔を洗う為、階段を降りて洗面台に向かうのだった。

 

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