3.授業中に
「君たちには受験生の自覚が無さすぎる!授業時間はチャンスなんだぞ。もっとしっかりと...」
この時わたしは中3。
英語の授業で、生徒が授業をろくに聞いていないってことで、先生は憤慨していたんだ。
まだ9月なんだし..ってわたしも軽くみて授業を受けていた。
(先生の話長いし..入試まで時間あるじゃん。あんまり勉強勉強って言われるとやる気無くなるよ)
そんなことを考えていた。
あと5分で授業終わっちゃうし、みんなも大して話聞いてないし。
准にいたっては...やっぱりね。寝てる。
部活で疲れてるんだろうな。
――岡崎 准。
わたしの幼なじみであり、同時に好きな人でもあるわけで。
小さい頃はよく一緒に遊んでた。
中学生になっても、遊ぶことはないけどよく話す。
マンガとかだと幼なじみが中学生くらいだとケンカばっかりとかよくあるけど、わたし達にそんなことはなかった。
むしろ結構仲は良かった。
お互いのことの多くを知ってる仲。
もちろん知らないことだってある。
その1つが...好きな人のこと。
(准は誰が好きなのかな。)
そんなことを考えながらもノートに落書きをしていく。
だって先生の話聞いてたって同じことずっと言っててつまんないだけなんだもん。
しばらく落書きをしていたらふいに手があたり、消しゴムが落ちた。
拾おうと思ったけれど..
(でも今席立つのも空気読めない人みたいだよね..)
消しゴムは斜め前の席に落ちていた。