第七話
「ハジメ、すごいね。かっこいい。」
「つまんねえこと言ってると…お前も刈る。」
俺の背後から声をかけたのは、さっきつるし上げたパイだ。
・・・俺が気に食わないことを、一言でも発したら、その時は。
俺はデスサイスをパイの首元に突きつける。さっき締め上げた首か少し赤くなっている。そこにデスサイスの先端が当たって…一筋、血が垂れる。
「…入り口から逃げ出そうとしてた人たち、まとめて縛っといた。あとね、ここの防犯カメラとか監視カメラ、全部破壊しといたよ。」
…へえ、気が利くじゃねえか。俺はパイの首元のデスサイスを下ろす。ずいぶん首を刈ったが…デスサイスの刃には一滴の血もこびりついていないし、輝きも美しいままだ。最高の俺の相棒だよ…デスサイス!俺がこれから…たっぷりと生き血を吸わせてやるからな!!
「有能だな。お前は刈らないで使ってやるよ。」
「存分に使って?私は貴方の、…見届け人。」
けっ、偉そうに。
・・・見届け人?
俺の『1』から出てきた存在のくせに。
・・・偉そうなんだよ、その言い方。
少々気に入らないが…有能であるところを汲んで許してやるよ。俺は寛大だからな。
俺はヤニ臭いホールから、入り口にまとめられているクソどものところに移動した。
・・・クソの塊が三つか。
十人ほどがまとめて後ろ手に縛られてかたまっている。これなら一気に首をはねることができそうだ。
「おい!!なんだこれは!」
「たっ!!助けっ!!」
「ひゃああああ!!!!ア、ア、ア…。」
「やだ、やだっ!!いやアアアアアアア!!!」
・・・うるせえな。
ザン―――――――――――ッ!!!!!
俺はまとめて、デスサイスでクソどもの首を刎ねた。転がる頭と、一気に噴き出す血飛沫の盛宴。
ドドビュビュウウウウッ!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ビューっ、ビューっ!!!!ビューっ、ビューっ!!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ビューっ、ビューっ!!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ビューっ、ビューっ!!!!ビューっ、ビューっ!!!!ビューっ、ビューっ!!!!・・・
・・・ははっ!!
祭りの始まりだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ぎゃああああああああ!!!!」
「ああ、ア、ア、ア、ア…。」
「ヒィイイイイイ!!!!」
ザン―――――――――――ッ!!!!!
ドドビュビュウウウウッ!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ビューっ、ビューっ!!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ビューっ、ビューっ!!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ビューっ、ビューっ!!!!ビューっ、ビューっ!!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ビューっ、ビューっ!!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ビューっ、ビューっ!!!!ビューっ、ビューっ!!!!ビューっ、ビューっ!!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ビューっ、ビューっ!!!!・・・
「あ、あ・・・あ、ああああ!!!!」
「へはっ…。」
「ヒぎィっ、キイイイイイ!!!!」
ザン―――――――――――ッ!!!!!
ドドビュビュウウウウッ!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ビューっ、ビューっ!!!!ビューっ、ビューっ!!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ビューっ、ビューっ!!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ビューっ、ビューっ!!!!ビューっ、ビューっ!!!!ビューっ、ビューっ!!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ビューっ、ビューっ!!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ビューっ、ビューっ!!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ビューっ、ビューっ!!!!ビューっ、ビューっ!!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ビューっ、ビューっ!!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ドドビュビュウウウウッ!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ビューっ、ビューっ!!!!ビューっ、ビューっ!!!!ビューっ、ビューっ!!!!ド、ドク、ドドクッ・・・!!!ビューっ、ビューっ!!!!・・・
ド派手な血祭りに俺のデスサイスも満足していることだろう。
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――イヤアアアアアアア!!010101
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――死になくない!0110
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――誰か助けて010011
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―――狂ってる!!001010010
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――警察を01100
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――中二病かよ…0001001100001001
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――高校生が暴走11
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――ヤバイ010101
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――俺だけ助けてくれるかも0110
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――服脱いだら助けてくれる010011
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―――今とびかかったら001010010
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――ぶっ殺してやる01100
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――アアアアア!!010101
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――死ぬの?0110
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――誰か、だれか!!010011
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―――よかった001010010
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――責任者出てこい01100
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――転生できるかも…0001001100001001
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――ふざけてやがる11
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――は、はははははは010101
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――助けて0110
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――殺せばよかった010011
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―――逃げられない001010010
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――ママバイバイ01100
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一気になだれ込んでくる記憶が、たった今の恐怖心や怒り、願いになってきた。ウケるな、最後まで自分は特別だと思い込んでやがる。自分の命を誰かに助けてもらおうとしてやがる。クソはすべてクソでしかあり得ねえのにさ。頭の悪さはさすがだな。
頭の悪い記憶がなだれ込んでくる。めんどくせえけど、仕方がない。俺はただ、流し込まれる記憶を受け入れるだけさ。俺が生きた記憶じゃねえんだ。俺が味わった感情じゃねえんだ。ただの、出来事。くっそつまんねえモブ野郎の日記みてえなもんだ。すらっとナナメ読みしてぱっと忘れりゃいい…。
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――お父さんが助かったらそれでいいの0110
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――あなたと出会えたから010011
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―――一緒に生きていこう001010010
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――やっと認めてもらえた01100
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――一番大切な人0001001100001001
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――頑張って生きてみてよかった11
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――ありがとう010101
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――私しあわせだよ0110
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――一歩づつでいいんだよ010011
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―――寂しくなんかないよ001010010
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――俺はあいつに勝ったんだ01100
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・・・他人の、クソどもの・・・感情が、うざい。
ウザすぎる。
あんなにも首を刈るのは爽快だったというのに、刈った後のこの不快感はどうだ。
…抹殺は手下どもに任せてもいいかもな。
デスサイスの使い方もわかったし、不愉快な思いをしてまで刈るのもめんどくせえ。
俺は、クソどもが消えさった、ひっそり静まり返るパチンコ店を、出た。
プープップー!!!ブーーーーーーーーー!!!
外に出た途端、聞こえてきたのは、怒号、爆発音、車のクラクション。
どっごぉおおおおおおおおおおおおおっ!!!
鼓膜の震えるような音がしたので、空を見上げると、ケーオスが暴れている。小さく見えるのは、ここから離れた場所で暴れているからだろう。
目の前の道路は、車でみっちり埋まっている。この先で手下どもが暴れていて渋滞を巻き起こしているに違いない。
もともと大きな幹線道路だが、この時間帯はただでさえ混むんだよ。つまんねえ仕事して、はした金稼いで、ウサギ小屋に帰ろうとして渋滞に巻き込まれるってね、はは、クソどもにぴったりのシチュエーションだ!
「バカやろぅ!!すすめよ!!何やってんだ!!」
車の中から叫ぶクソがいるな。
クソじじいの怒鳴り声ほど気分の悪いもんはねえんだよ。
俺の鼓膜が穢れるだろ?
ふざけんなよ?
…刈るぞ?
グズズズズズッ…!!ズシャッ…!!!
一体の悪魔が…クソじじいごと車を踏み潰した。
あれはモーロックか。優秀な手下がいると楽だな。この調子であちらこちらで活躍してるに違いない。
・・・そろそろ、テレビニュースになってる頃か?速報くらいは出てるはずだが。
「手下どもの様子を見に行くか。」
「あそこに電気店があるから…テレビでも、見に行く?」
そうだな、手下どもの暴れっぷりが中継されているかもしれない。世間は今、未知の恐怖に包まれ始めて混乱の真っ最中であり…それは今後止まることを知らない。
クソどもはせいぜい震えあがっておけよ?
その方が、助かった時の感動がでかいだろ?
俺が救世主として君臨した時に、力の限り崇めろよ?
全世界の、クソも、成功者も、金持ちも、学者も、大統領も、生きとし生けるすべての存在が俺を崇め称える時が間もなくやってくる。
俺は…世界の覇者となるのさ!!!!!!!!