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二進法の悪魔≒二進数の解  作者: ズキ反比例


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第十八話


頭の中に響くのは…誰の、声だ…?


声が、幾重にも、頭の中で交差する。


頭が、痛い。

頭が、痛い。



『あなたは0と1をこの世界で使いこなせる、ただ一人の人。私はあなたの、見届け人。』



頭が、割れるように…痛い。



『難しく、考えないで。私がいる。私は、あなたの世界を、完全に構築することができるの。そのためにここにいる。ハジメが構築できないものは、私が構築する。だから安心して。』

『信用が、できない。』



何かがおかしいと、感じた、あの瞬間。

あの、瞬間の、俺の。



俺の、現実が、「1」が、『1』(俺の頭の中の世界)に、飲み込まれて。



パイは、見届け人だと言った。

パイは、俺の中の現実を握りつぶした。

パイは、俺の中の妄想を引きずり出した。


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1


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 パイは。




 パイは、俺の手下ではなかった。


 パイは。



 パイは。




 パイは。





 …パイは!





 ど、どくっ!!!




 俺の、心臓が。



 どくり、どくりと、不気味な音をたて始めた。



 どくり、どくり。



 つばを飲み込むが、気持ち、悪さ…が…増して…!!




「‥何、ちょっと、あんた顔色、すごく悪いよ?」




 どくり、どくり。




 冷汗…?


 だらり、だらりと…背中を、額を、手の平を…冷たい汗が、流れる。




 ど、どく、どく、り・・・。


 だら、だらだらだら・・・。




 ド、どっどくどくどくど、ドっ、ドドドドド…!!!!!




「かっ・・・かはっ!!!ぐぅぇっ・・・!!!」




 激しく鼓動を打ち始めた俺の心臓が・・・おかしな音を、たてた。




 焼けつくような、胸の痛みに、声を発することが、できない。


 息が、吸えない。


 痛みに身もだえている、自分の体を、どこか他人事で、傍観している。



 俺が倒れ込むと、姉ちゃんの手から、卒業アルバムが落ちた。


 バサッと開いた、そのページには。




 最強の敵「パイ=ノイン=パーセンテージ」




 へたくそな線画のイラストが描かれている。


 卒業アルバムの最終ページ、皆が友達にサインを入れてもらうページに、俺はイラストを描いて回したのだ。サインを書いてもらうなら、ついでに一儲けしようと考えた。


 僕の考えた最強のキャラクターです!

 気に入らないやつを殺します!

 希望者には特製キーホルダーを販売します!

 一個300円!

 申し込みたい人はここに名前を書いてね!

 先着三名様は100円引き!


 誰一人としてサインを入れることなく、そのまま自分の元に戻ってきた卒業アルバム。


 誰からも反応してもらえない現実が許せずに…アルバムを封印したはずだった、すべて忘れて今の今まで生きてきた。




―――お前の1は、どこで1だったか。


―――お前の0は、本当に1になるのか。




―――気付け!






―――食われて、しまう、その前に!


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― 新着の感想 ―
[良い点] 18/19 ・わぁい、なんかすげー事になってる [気になる点] 私も他人事なの草。この野郎にゃ感情移入なんかクソくらえじゃ
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