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二進法の悪魔≒二進数の解  作者: ズキ反比例


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13/19

第十三話


 ビュ、ビュォオオオオオオオオオオオオオオオおおおっ!!!!!!!!!


 ビルの谷間に、風が呻る。目の前のクソガキは音もたてずに浮いている。…俺でさえ翼の羽ばたきで上下左右に揺れているというのに、忌々しい。


「…なにヒーローぶってんだ?一般人の感謝の声が、そんなに欲しいのか?…だっせえな。」


 せっかくの人類初の脅威、未知の恐怖に震える愉快な姿を台無しにした罪は重い。俺の計画をぶち壊した罪は重い。


「そんなものはいらない。欲しいのは、お前の持つ「ゼロ」。」


「ッ…!!なんだと、ゴルァっ!!!」


 俺の「ゼロ」を奪うつもりか?!…ふざけるな!!!俺の覇王たる源みなもと、「ゼロ」を奪って何をするつもりだ?!…まさか、俺の『1』を狙っているのか?!


 俺の中にある、この世をすべて手に入れる力を!!このクソガキが!!奪う気でいるというのか?!



「1」(ワン)



!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


 このっ!!クソガキ!!!俺の「ゼロ」に対して…「ワン」を使うのかっ!!!!!!!!!!!!!!!

 白いクソガキの体から、数字が流れ出す!!



「な、何ぃイイイイイイイイイイいいっ?!」



 クソガキの体からあふれ出したのは!!!!!!!!!!!!!!!!!


 4416 


33115

71715476463754674427622039194945047123713795636417287467766575739620865832658133904727590099465 764078951269

  566すべてを包み込む布733223346564

 2786360950680064225125205173929848960841284886264560424196585022218630

42646656237

 225356

  2346動きを止めるもの5733712351

 7542786360950680064225125205173929848960841284886264560424196585022218630674427622039194945047123713

795636417287467766575739620865832658133904727590099465 7640789512

265122

 257113714443卒業アルバム122722635543222735324365745

7171547646369

   75572317475172625755371122

5555245117


7466271・・・


「おい!!パイ!!なんだこいつは!!!なぜ俺の「ゼロ」そっくりな魔法が使えるんだ!!!「1」だけじゃない、なんで数字が!!!」


「なんで使えるのかはわからないけど、「1」は…すべての数字を賄っているんだと思う。」


 思わず声を張り上げた俺に、すぐ横に浮かんでいるパイが冷静な声を、返す。


「い、「1」は「1」だろうが!!なんでほかの数字がしゃしゃり出てくるんだよ!!!」


「「0」と「1」しかなければ、数字はすべて「1」で表される。だから、数字が出てるんじゃないかな。」


 夥しい量の数字が辺りを舞い、中から出てきたのは…茶色い、毛布!!!それが!!!俺の方に飛んできてっ!!!


 ブ…バ、バババッ!!!!!!!


 勢いよくはためく、茶色い毛布は!!

 瞬時に大きさを変え!!!!!!!!


 瞬く間にっ!!!!!!


「ッ!!!クッソ…!!」


 デスサイスと翼ごと!!包まれ…っ!!!…身、身動きが!!!翼が包まれて、飛ぶことが!!!


「ハジメ!!」


 急降下を始めた俺を、パイが抱えている。…ナイス判断だ!!!あとでジュースぐらい奢ってやるぜ!!!


「クッソ…、ベヘモット!!リリト!!バエル!!バール・ペオル!!モーロック!!アスタルテ!!ガーゴイル!!メフィストフェレス!!スクブスぅっ!!!!」



 俺が9人の使い魔を呼ぶと!!!



 バっ!!!!!!!!!!


 シュバババッ!!!!!!


 バッ!!!!!!


 キィんっ!!!!!!


 ポヒュっ!!!!!


 シュッ!!!!


 ヒュンっ!!!


 ジャッ!!!!


 ポン!!!!!


 瞬時に、頼もしい奴らが現れた。ふん、口周りが真っ赤になってるのも何匹かいるな、何人クソどもを喰らったんだ。スクブスはやけに艶やかだな、別の意味で食いやがったな。…こいつらもさんざんつまんねえ一般人狩りに飽きたころだろ、せいぜいクソガキを嬲り殺してもらおうじゃねえか!!


「おい!!この白いクソガキを…とっちめろ!!殺すなよ?こいつの首は俺が刈る!!」



 9人は、一気にクソガキに襲いかかる!!!



 ガッ・・・ガォオオオオオオッ!!!!

 ベヘモットが巨体でクソガキを潰しているのを利用して、リリトが首筋にかみつき、バエルが長い舌を巻きつけ、ガーゴイルが爪を飛ばしている。


 ジャッ・・・キ―――――――ン!!!

 手が出せないモーロックは自慢の角をくるくると回している。バール・ペオルはにやにやとその様子を観察している。


 バ、バババッ!!!!!

 アスタロトの蛇は今にも襲い掛からんと牙をむいている。


 シュッ・・・シュシュシュシュ!!!

 メフィストヘレスは自慢のフォークを掲げて準備万端で、スクブスは舌なめずりをしている。



 ド派手な抗争音が耳にうるさい。俺の手下どもは一人づつ攻撃を仕掛けるような律義なやつはいない。一匹の瀕死のカゲロウに群がる凶暴な肉食アリのごとく襲いかかっている。


 ・・・ふん、あの様子じゃ俺が首を刈る前にミンチになりそうだな。それなら仕方がない。…腐った卵と混ぜ合わせてハンバーグにしてくっせえ豚に食わせてやるよ!!!!!!!


 俺はクソガキの始末を手下どもにやらせている隙に脱出を…試みる。パイに抱えられたまま、デスサイスを使って毛布を刻むが…ッくそっ!!やけに分厚い毛布が…クソどもの首をあんなにスッパスッパと刈り取ったデスサイスの切れ味をもってしても…なかなか、切り刻めない!!!


 けっ、最強の武器ほどへんてこなもんに弱いってね、そうだな、なんでも切る名刀はこんにゃくが切れなかった、このデスサイスは毛布が苦手なんだ、くそ、そんな設定はしていないはずだが?!俺の知らない設定がいつの間にか横行している。…俺の『1』から出てきたはずなのに、どういうことだ!!!!!!!!!!!



 キュウ、ゲ、ゲエッゲエゲゲゲゲ!!!



 こっちがじたばたやってる間に、なんだ?!おかしな、悲鳴が…。


 毛布を刻んでいた手を止め、目を、手下どもの方に向けると。


 クソガキが、でかい卒業アルバムをぶん回して…!!!



!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



 俺の!!俺の最強の悪魔軍団が?!

 次々に!!!ビルの壁に!!ガラスに!!!地面に!!!た、叩きつけられていく!!!!



 グ、ドガァアアアアアアアアアアアン!!!

「グぎゃおぉっ!!!!!!」


 グベッシャアアアアアアアアアア!!!!!

「ぎゃあああああ!!!!!」


 シャン、ガッシャアアアアアアアアアン!!!

「ぐっ!!!!!!!!!!」


 一体、二体、三体っ…!!!


 チリジリに、ぺしゃんこに、ガラスまみれに!!!!


 ガガッ、シャアアアアアアアアアン!!!

「びぎゅ!!!!!!」


 ベガァシャアアアアアアアアアアア!!!!!

「ひゃぅううううううう!!!!!」


 グシャン、ガッアアアアアアアアアアン!!!

「ぐべちゅ!!!!!!!」


 四体、五体、六体!!!


 壁にめり込み、ガラスの向こう側に飛び込み、地上で粉砕され!!!


 ズビュシュッ!!!

「びぶちゅ!!!!!!」


 ザバシュッ!!!!!

「ぐべふっ!!!!」


 七体、八体…!!!!


 卒業アルバムが、勢いよく投げつけられて、ブーメランのように宙を舞い、ガーゴイルとメフィストフェレスを真っ二つにし!!!!


 九体目のアスタロトは…超巨大化した卒業アルバムに挟まれて!!!


 バタムッ!!!

「ぴちゅ!!!!!!!」



 閉じた、卒業アルバムの中に、消え…!!!



 俺が毛布から脱出する頃には!!!!!!!!!!!



 全ての悪魔が、悪魔が、悪魔がああああああああアアアアアアア!!!!



 俺が俺の『1』頭の中から呼び出した、最強の悪魔たちが!!!!


 俺が切り刻んだ、毛布の欠片が、宙に舞っている。


 クソガキの叩きのめした、真っ二つにした、俺の手下の欠片も、宙に、舞いはじめて…シュッと、消え…。



 0も、纏わずに、音もなく、この、「1」の世界から‥‥消えた!!!!!!!!!!



「クソガキ…許さんぞ…?よくも俺の手下どもを…!!!」


「手下?・・・どうせキャラクターの肉付けもできてないくせに。興味本位でググって適当に名付けた悪魔なんか薄ぺらくて…話にならない。」


 クソガキがつまんねえことを言いやがる。薄っぺらい?俺の『1』で無双できるキャラクターだぞ?!俺の中で、いつか無双を極めるために温め続けてきた、歴とした最強の悪魔なんだぞ?!こんな…クソガキに一撃でぶちのめされていい、軽い存在じゃ…ないんだ!!!!!!!


「名前の響きのカッコ良さだけに注目して、どんなふうに戦うとかなにが弱点とか具体的なキャラクター像すらもらえなかった、憐れな…存在。」


「黙れ…黙れぇえええええええええええええええええ!!!!!」


 俺は!!!

 渾身の力を込めて!!

 デスサイスをクソガキに投げつけた!!!



 ヒュ、ヒュヒュンッ!!!!!!!!!


 …ザ、ザクッ!!!!



 俺の投げたデスサイスが、クソガキを守るように立ちはだかった、ドでかい卒業アルバムにぶっ刺さる。刺さったデスサイスは、突き抜けてクソガキの首を刈ろうと藻掻いている。…いいぞ!そのまま、突き抜けて…クソガキの首を刈るんだ!!!!



 ガタガタと揺れるデスサイスが、ぐんぐん卒業アルバムにめり込んでゆく。



 ギっ・・ィシッ…ギシッ…!!!



 揺れる、デスサイスと、アルバムの表紙の間に、隙間ができてきた。ククク…もう間もなくだ、間もなくデスサイスが突き抜けて…っ?!



 デスサイスの横から…何か、こ、これは!!!!!!!!!!!!!



712351


7

17154764僕の特技は2765461

54278636095068006422512520

 24黒魔法です63311 15566

573328488626

45604

 7332悪魔を呼び出せます23

517392984896084124739620865832658133904727590090789512

  3465嫌いな子がいる人は6442

 1965850222186306744276226417287467766575

6僕まで!466562

9465 764

03919494504712371379563

 3722先着三名5356

8630674427622039194945047123713795636458133904727590099465 7640789512

2346クラスで怖い人ナンバーワン5

5  733712351

  7542786360950680064225125202419658502221

 733712351友達の名前2651

   517392984896084128488626456045733712351

7542786360950639194945047123713795636417287467766575739620865832658133904727590099465 7640789512

  2275ベヘモット、リリト、バエル、57231

172874677665757396208658326

 747517バール・ペオル、モーロック、アスタルテ、262

   80064225125205173929848960841284886264560424

1965850222186306744276220

  575537ガーゴイル、メフィストフェレス、スクブス1122257

5733712351

754278636713795636417287467766575739620865832658133904727590099465 7640789512

 113714楽しかった修学旅行443122

09506800642251252051739298489608412848674427622039194945047123

 72263朝ご飯が美味しかった5543

  86264560424196585022218630

7542786360950613795636417287467766575739620865832658133904727590099465 7640789512

 722273一人で絵を描きました532

8006422512848862645604241965850222186306744276220391949450471237

436574555555733712351

52051739298489608412

 2451177466


 271


 どろんどろんの。

 ぐっちゃぐちゃの。

 ごってごての。


 気味の、悪い、悪すぎる…塊が。


 クソ見てえな数字と共に!!!


 俺に!俺に!俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に俺に纏わりつく…!!!!!!!!


「呪いの儀式、お前の得意技なんだろう?」


 ・・・やめろ。


「嫌いな子?お前が嫌われてたんだろう?」


 ・・・やめろ。


「友達を、手下にしたんだ。」


 ・・・やめろ。


「楽しそうな、修学旅行だね?」


「このあと、一緒に…行く?」


 真っ白い、クソガキ、クソガキが!!!!!

 にやりと、俺を…見下して!!!




 笑 い や が っ た !!!!




「許さん…許さんぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」



 俺は大きく翼を広げ!!!!!!!!!!!!


 纏わりついていたクソ忌々しい数字どもを蹴散らし!!!!!!!!


 こぶしを握り締め!!!!!!!!!!!!!


 デスサイスの突き刺さるドでかい卒業アルバムを蹴り倒し!!!!!


 クソ忌々しいクソガキにぃイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!



 ・・・ズグワッシュ!!!!!!!!!!!



「カッ…か、ガハっ…!!!グ、グゥぇっ…!!!」



 渾身のパンチを…!!!

 その土手っ腹ぃイイ!!!


 めり込ませてやったのさ、は、ハハハハハハハハハハはははアッ!!!!!!!!


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― 新着の感想 ―
[良い点] 13/13 ・おー、なんか不思議な感じ。  てかババア言うなし [気になる点] ヘタレに成り下がって草w そしてまともにセリフを発することができないという。 うーわー。わかる [一言] …
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