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二進法の悪魔≒二進数の解  作者: ズキ反比例


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第十二話


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00101010001000000110110010010110011001011101001

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100010


00


―――0と、1が。


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 1111010100010 

1010011000100011011001001011001100101010001000011101001

0101011010101010110101

101010

0001 0100 01000

10001110010

00


―――俺を、包み、こむ。


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 1111010 100010 

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0110101

0001 1110100

0100

1000110 1100


001


 ある、ない。

 ある、ない。


 存在、するもの。

 存在、しないもの。


 「1」は、あるもの。

 「0」は、ないもの。


 俺の中にあるものは、俺にとってはあるものだが。

 俺の中にあるものは、現実世界にはないものだ。


 俺の中にないものは、俺にとってはないものだが。

 俺の中にないものは、現実世界にあふれている。


 俺の中には、俺しか知らない「1」がある。

 俺の中には、俺の知らない「0」がある。


 俺は、ここに。


 俺は、ここに。


 俺は、今。


 俺は、今、どこに。


 俺は、今。


 俺は、今、ここに。


 今、ここに。


 ここに。


 ここに、いる、のは。


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00000

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0000000000000000000000000


0000




 俺は、0に包まれて、空間を移動している。



 このクソみてえな「1」の世界から、覇王たる俺の姿を隠す、「0」。

 「0」こそが、「1」を消し去る、絶対的覇者の力。


 「1」は、「0」をかけたら「0」になる。


 どんな存在だろうが、存在している限り、「1」でしかない。


 「1」は「0」によって消されるしかない、つまんねえ存在なんだ。


 「1」は、「0」に支配されている。

 「0」こそが、この世界を支配するもの。


 存在するものは、「0」に消される定め。


 俺の中にある、『1』俺の頭の中の世界。

 俺の中に確かに存在する『1』は、この世界では「0」だ。


 「0」は、「1」を凌駕するんだ、それはすなわち。


 俺は、この世界で一番の支配者!!!!!!


 俺の中にある『1』俺の頭の中にある世界は、「ゼロ」のキーワードで、すべて「1」である現実世界に持ち出すことができる。


 俺の頭の中にある、俺の無双。

 俺の頭の中にある、俺の力。

 俺の頭の中にある、俺の脅威。


 俺の頭の中には、俺がこの世界を牛耳るためのすべてがある。


 クソみてえな世界を、俺がもらってやろうって言ってんだよ!

 クソみてえな世界を、俺が壊してやるって言ってんだよ!

 クソみてえな世界を、俺がわざわざ手をかけてやるって言ってんだよ!!


 めんどくせえこと、やってやろうって言ってんのさ!!

 ほっときゃいいのに、わざわざ相手してやってんだよ!!!


 真っ白いあのクソガキを!

 この俺様が!!!

 直々に消してやるって言ってんだよ!!!!!


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・・・ああ。

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0000000000

・・・ゼロの領域が。

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00000

・・・まもなく。

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・・・晴れる。

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 ・・・っ!!!!!!!!!!!!

 ・・・眩しい!!


 まぶし、すぎる光っ…!!!


 クソっ!!!


 目が…


 めが・・・


 眩むっ…!!!


「ハジメ、サングラス、いる?」


 右腕で目を覆う俺に、パイが声をかける。…ふん、気が利くじゃねえか。


「…もらっといてやるよ。」


 サングラスをかけ、眩しさを軽減できた俺は。

 自分のいる場所を確認っ…!!!


 ビュ、ビュオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!!!


「ッ・・・!!!!!」


 俺に吹き付けるのは…ビル風っ!!!


 俺の足元には!!!!!!


 米粒のような人!

 米粒のような車っ!!!!

 ジオラマのような街並みっ!!!


 現実離れした!!!!

 足元に広がる!!!!!!!!!

 都会の風景がっ!!!!!!!!!


 高さに思わず怖…怯んだ俺はっ!!


 超高層ビルの真上から!!!!!!!!

 地上めがけて落下、落下、落下、落下ああああアアアアアアア!!!


「ゼ、ゼロおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!!!!!!!」


01100000


000101

10

111つ・・・!000001

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翼っ!!!

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00000

0  00101000001000000110110010010110011001011101001

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 11000010010100110001010

000111重力のない100000111000000

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 000101000

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空中を自由にっ!!1100

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1100100

00100動ける!!10001

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00111


…ば……ばっ、バババババッ!!!!


 俺の肩のあたりから、大きな真っ黒な翼が、出現した。翼は落下する風圧を受けて、大きく広がり!!!落下速度は急激に収束し!!!地上ぎりぎりで体を急浮上させることに成功した!!!!


 ブゥっワっ!!!グゥワっ!!!!!!!!


「きゃ、きゃあああああああああああああ!!!」


「ぅ、うわああああアアアアアアアアアア!!!」



 ふん!!クソどもが俺の急降下と急浮上に…悲鳴上げてやがるぜ…。こんなことで人ってビビるんだな、ホント情けねえのな、ちっちぇえのな!!!高い位置から、逃げ惑うクソどもを見下ろす…。ふん、慣れてしまえば、高い所なんかへでもねえな。


 逃げ惑うクソどもが、殺虫剤かけられてじたばたするゴキブリそっくりだ!ああ、クソどもは本当にゴキブリ並みってことだな、ハッ!笑えねえ!!!


 …ああ、そうだ、空中戦の練習でもしておくか。


 翼の具合もまだよくわかんねえからな。動かし方の練習を兼ねて、クソ狩りでもして真っ白いガキぶっ殺す肩慣らしでもしといたほうがいいからな!!!!!!


 翼は風を受けて、ばっさばっさと羽ばたいている。…けっこううるさいな、耳障りな音だ。

 …だが。


「き、キャアアアアアああああああああ!!!」


 ザン―――――――――――ッ!!!!!


 俺は、デスサイスを構え、目についた、足元でフラフラしている茶髪の女のもとに飛んで行き、首を刎ねた。…勢いよく、首のもげた部分から赤い飛沫が上がる。…ふうん、大きな翼の割に…細かい動きが可能なんだな。小回りが利くのは素晴らしい。


「う、うわぁああああ!!!!だ、誰かっ!!!」



 ザンッ!!!!!


 脂ぎったおっさんの首を刎ねた。



 ザンッ!!!!!


 ひょろっとした兄ちゃんの首を刎ねた。



 ザンッ!!!!!


 ケバイ姉ちゃんの首を刎ねた。



 ザンッ!!!!!


 無能そうなサラリーマンの首を刎ねた。



 ザンッ!!!!!


 不細工なババアの首を刎ねた。



 ブシュッ…ビッシュぅうウウウウウウウウウ!!!ドサッ、バタ、バタ…!!!ガシャン!ゴトン…!

 ビッシュブシュッ…!!!バタ、バタ…!!!ばばっ!!!ガシャーン!ゴトッ…!


 真っ赤な血の吹き出す音、キモイ首なしの胴体が転がる音、首の付いたクソどもの倒れ込む音、何かのぶつかる音、何かの声、割れる音。


 羽ばたく音のうるささなんか…針の落ちる音レベルだな。最高にクソ耳触りの悪い雑音が俺の周りにあふれてるじゃねえかああアアアアアアア!!!


 ふん、吹き出すクソきたねえ血が俺の足にかかりやがった。ま、どうせ消えるんだ、ちょっとぐらい我慢してやるよ…っ!!!


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――今日こそ告白する010101

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 …う、く、クソどもの…


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 き、記憶っ…!!!


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――ねえ、なんで好きって言わないの0110

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――偽りだらけの世界010011

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――あいつがいるから楽だな001010010

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――今すぐ消えろよ01100

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――生きる意味が分かんねえよ…0001001100001001

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――あいついつかぶちのめす111

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――結局私が一番不幸010101

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――やれねえなら出てけよ0110

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――ありがとうって言ってもいい?010011

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――40越えたら全員殺すべき001010010

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――大好き01100

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――炎上させてやろ0001001100001001

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――私頭よすぎる111

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――毒まいちゃお010101

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――バレないならおけ0110

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――じじいがいたから駄目なんだ010011

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―――とりあえず埋めようぜ001010010

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――君だけを愛してる01100

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――慰謝料よこせよ01001100001001

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――まじだりい111

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0…



「…っ!!!か、かはっ…!!!ゲ、げぇえええっ…グっ…!!!」


「ハジメ、大丈夫…?お水、飲む…?」


 思わず!!えずいて…吐いちまった俺に…パイがペットボトルを差し出すっ…!!!俺はそれを受け取ると、グイと一口、二口飲んで…地上に、投げ捨てた。‥地上で何やら騒いでいるクソどもがいるが…そんなのは、覇者たる俺が気にすることじゃ…ない。


 …クソどもを見下ろしつつ、視線を、上にあげる。俺はここに…来たのは、あのクソガキをぶっ殺すためだろ?真っ白いあのクソガキは…どこにいる?


 高層ビルが立ち並ぶ都会の谷は、やけに風がきつい。風を受けて、俺の翼が呻りをあげている。宙に浮く俺の姿を…ビルの窓から見ているクソが何人もいる。スマホを向けてる奴もいるな。ふん、せいぜい動画でも撮って小銭稼いで満足してろよ。


 ゴゥウウウッ!!!!ビュ、ビュゥウウウウッ!!!!


 強い風が吹き、俺の翼があおりを受けて…一瞬、体が揺らぐ。竜巻のような、風の…空気のうねりが俺の横を通り過ぎていく。


 ビュ、ビュォオオオオオオオオオオオオオオオおおおっ!!!!!!!!!


 デスサイスを携える俺の前に、ふわりと浮かぶ…嵐のコア。

 こいつが竜巻を起こしていたのか…ふん、めんどくせえな。


 大きな翼で、風のうねりの欠片を勢い良く拭き飛ばすと、風圧でビルの窓が2,3枚割れて、地上に向かって落ちていった。クソどもがまたもや騒ぎ立てている、いちいちうるせえな、ホント。



 ビュ、ビュゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!!



 一際強い風が一瞬吹き荒れ、俺のサングラスが吹っ飛んだ時、目の前に…現れたのはっ!!!




「お前を、倒すのは、私。」




 全身真っ白な、目だけがやけに赤い…目ざわり極まりない、あの、クソガキぃイイイイイいい!!!




 白髪の小生意気なクソガキが、この俺に向かって…偉そうな口を、叩きやがったああアアアアア!!!!


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[良い点] 12/12 ・おおおう、やっべえ。  二進数にうまい具合に感情が乗って、食べ応えがあるんですよ。 [気になる点] そして無双をバッサリ。 [一言] log って知ってます? ログ、『対数…
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