2話 説明と異世界への転移
「な、何故ですか!?理由は話したじゃないですか!」
「いや、別に理由を話したら行くなんて言ってないし」
「うぅー、お願いしますよぉ。異世界行ってくださいよぉ」
神がそう言いながら、俺に泣きついてきた。
「わ、分かったよ。行くよ、行けばいいんだろ」
この調子じゃ、いつまでたってもこのままだしな。めんどくさいが、仕方ないか。
「本当ですか!?もう取り消せませんよ!」
「分かったから、離れろ。ウザイな」
「す、すみません」
何なんだこの神は、忙しい奴だな。
「お前と話していると、行きたくなくなるから早くしてくれ」
「そ、その前に詩音さんが行く世界について説明しなければいけません」
「いや、いいよ。長そうだし」
「そ、そういうわけにはいきませんよ。お願いします、話を聞いてください」
神がまたしても、涙目で言ってきた。
「チッ、分かったよ」
「今、舌打ちしましたね!?」
「してないから、早くしろ」
「うぅー、分かりましたよー」
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神の説明が長かったので、まとめると、
今から行く世界は「アルバトリオン」といい、地球の何倍もある大きさの星らしい。
アルバトリオンには、人以外の種族がいて、
・何の特徴のない、人族
・魔力が多く、魔法の扱いに長けたエルフ族
・魔力は少ないが、力が強く鍛治などを得意とするドワーフ族
・身体能力が高く、動物と会話することの出来る獣族
・魔力、身体能力が高く、魔法の扱いにも長けている魔族
の五つの種族がいる。
また、魔族はとても温厚な性格の者が多く、あっちから仕掛けてこない限り、襲わないらしい。そして人族が勝手に敵対しているらしい。
アルバトリオンには、スキルや魔法があり、魔法には階級が存在するらしい。
魔法の階級は一番低いので、第一階梯、一番高いので第十三階梯(例外あり)まであり、人類は歴史上、第九階梯まで使え、それより上は禁呪とされている。
アルバトリオンにはステータスも存在し、レベル1の平均が大体100となっており、異世界から召喚された勇者はレベル1で500近く、あるらしい。
通貨は、全て共通で
石貨=10R
銅貨=100R
大銅貨=1000R
銀貨=10000R
金貨=100000R
白金貨=1000000R
聖魔貨=10000000R
となっている。
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「一応説明は終わりましたが、質問はありますか?」
「ないから、早く転移させろ」
「は、はい。それでは此処に立ってください」
そこは丸い魔法陣の上だった。
「あ、それと詩音さんには特典、チートをランダムで与えす」
神が不意にそんなことを言ってきた。
「自分で選んだらダメなのか?」
「す、すみません。それは出来ないんです。ですが、とても強力なスキルなので安心してください」
「まぁ、それならいいが…」
「それでは、転移させますね。チートは転移させる時に与えます」
「あぁ」
すると、魔法陣が光り出し、神が何かを唱え始めた。
何を言っているのかは聞き取れないが、多分俺では理解できない言語なのだろう。
神が言い終わると、魔法陣の光が増した。
「それでは、楽しい異世界生活を」
「あぁ、じゃあな」
そこまで言い、一瞬の浮遊感と共に、俺の意識は途絶えた。
──創造神メディアの権限により暁 詩音に力を付与します。
………システムエラー発生、創造神メディアよりも上位の存在???の介入を確認、創造神メディアが与えた力を破棄します。
……???介入を許可します。
…介入をした、???により暁 詩音の力の付与を確認。
これより転移を開始します───