第6話 それぞれの存在意義
あの後の事を話そう。
勿論、2人が突然フリーズしてしまった後の事。
あの後、数分経ってもぴくりともしない2人に痺れを切らしてリューイの袖を少し引っ張ってみた。
それでやっと戻って来たリューイがグレンを…と思ったらグレンは何故か倒れてて……
何かあったのかな?
それとも、私が何かしちゃった……?
リューイは気にしないでって言ってたけど、本当に大丈夫だったのかな…
ちょっと心配。
グレンをふかふかな草の上に寝かせて目が覚めるのを待つ間、リューイから色々な事を聞いた。
この世界の事、私やリューイ達の事、種族の事。
他にも色々。
まず、この世界について。
世界というものはここ以外にも数え切れない程沢山存在していて、それぞれ違う生き物が生きているらしい。
その中の1つがここ、『グラージアス』
……何処かで聞いたことがある様な気がするけど、何だったかな?
えっと…それから、他の世界は気が遠くなる程永い時間を生き物達と過ごしていて、寿命が来たら一緒に消滅してしまうんだって。
寿命という概念が私やリューイ、グレンにはないみたいだから良く分からないけれど、皆消えてしまうなんて悲しいね…
何で私達には寿命がないのに世界にはあるのかというと、世界というものは生き物達が生きる為に作られているから、生き物という存在が必要不可欠でそれ等がいなくなったり逆に増え過ぎたりするとバランスが崩れて消滅してしまうんだって。
しかもそんな消滅の仕方をすれば、周りの世界にも影響が出てしまう。
そしてどれだけメンテナンスをしようと、時間が経てば壊れてしまう機械の様に世界も脆くなってしまう。
だから寿命があるんだってリューイが言ってた。
……あれ?
……機械って、何だっけ。
突然湧き出た疑問を振り払う様に頭を横に振る。
えっと、次は私達の事について。
私達3人━━私とリューイ、それからグレン━━は"調和者"という存在で、神様から授かった力を使って世界のメンテナンスを行ったりするのが役目らしい。
例えば私が世界に木々を植えて緑豊かにする事も調和者の仕事の1つで、世界に命を灯す事で新たな命を迎える準備をしてるんだって。
リューイとグレンも、やることは少し違うけど本質は同じだって言ってた。
2人は何をするのかな?少し気になる。今度見せて貰おっと。
それから、その力を使って他にも様々な事が出来るんだって。
例えば会話。
この力っていうのは魔力の事を言うんだけど、魔力を使って頭の中で強く念じれば気持ちを伝える事が出来る。
最初は難しかったけど、魔力を"使う"事は普段無意識にやってたからすぐ覚えられてリューイが褒めてくれた。えへへっ。
グレンは竜だから声帯の造りが違ってリューイみたいには喋れないみたい。
だから私と同じ様にすれば会話出来るんだけど、まだ幼いからか上手く魔力を使えなくて喋れないんだって。
だからグレンの目が覚めたらリューイが代わりにやってくれるって言ってたよ。
これでグレンも一緒に喋れるね。嬉しい。
そういえば2人は生まれてきた時子供の姿だった。私は最初から大人の姿だったのにって言ったら、私の魔力が暴走してしまったからもっとゆっくり存在を形成する筈だった所を無理矢理生まれて来て、私の魔力の制御を手伝ってしまったから小さい子供の姿になってしまったらしい。
……私の所為でごめんなさい。
リューイは気にしないでって言うけれど、私の所為だという事は変わりないもの……
え?時間が経てばすぐに成長して大人の姿になれるの?
そっか、良かった。
私が安心して笑顔になると、リューイも微笑んでくれた。
リューイって、成長したら絶対格好良くなると思うんだ。何かそんな気がする。
それから種族って言うのは、さっき━━グレンが倒れる前に━━リューイが言ってた"妖精王"や"竜王"そして"大精霊"の事。
これから生まれてくる生き物達の中に、妖精や竜、精霊もいるんだって。
王っていうのはその一番上に立つ者の事。
大精霊も同じ様なものなんだって。
私が皆を纏めるなんて、本当に出来るのかな…?ちょっと不安だけど、2人でサポートしてくれるみたいだから安心。
これから頑張らなきゃっ。
皆も応援してくれるかな…?