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第17話 亜紀沙

不快な思いをするかも知れません

苦手な方はごめんなさい…

 ━━━夢を見ていた。






 ━━━長い…長い夢を。










 半透明なスクリーンが幾つも宙に浮いている。

 私はそれに囲まれて、何も考えずじっと流れる映像達を見るのだ。






『━━━亜紀沙!』


 長い黒髪をポニーテールにしている少女が、これでもかという程満面の笑みを浮かべて大きく手を振っている。



『急ごう!もうすぐ始まる!』


 これから2人で新作の映画を観に行くところなのだ。

 弟にごねられて家を出るのが遅れてしまったので私達は走って映画館へ向かっているけれど、元々運動が苦手な私ははぁはぁと息を切らしてしまう。


 そこで私が口を開きかけたところで━━そのスクリーンは消え、また別のものが現れる。






 洋式トイレの便器に座り、お弁当を開く。


 はぁ、と1つ溜息をつき、箸でお弁当の中にあるミニトマトを掴んだ時━━バシャンと水が掛けられた。


『ザマァ無いわね』『いい気味〜!』







 次のスクリーンだ。




 机の落書きを見て、溜息すら出てこなくなった。

 周りではクラスの皆が笑ってる。



 もう、疲れたよ……




 見たくないものまで見えて、それが自分の"記憶"だと分かって、耳を…目を……全てを塞ぎたくなった。

 けど、身体は思うように動かない。



 自分の意に反して、悲しみに彩られたスクリーンは流れ続ける。





 ━━━誰か…助けて……

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