第14話 微睡みの中で
少し遅れました。すみません(汗)
━━━____……
━━━____………
━━━___さ………
━━━__きさ………
………私の名前を呼ぶのは誰?
………あれ?私の名前、どんなだっけ…
私の、名前は………
━━━_きさ……亜紀沙!!
っ!?
……そうだ、私は……私の名前は……!
瞬間、私の意識は覚醒した。
バッ!と勢い良く飛び起きた。
自らの口からはぁはぁと荒い息が聞こえる。
………今、のは。
夢を見ていた気がするけど、良く思い出せない。
……疲れてたのかな。
悪い目覚めだったからか、頭がぼーっとして上手く考えが纏まらない。
《……アリシア?》
その声にハッとして振り向くと、そこには不安そうにしているグレンの姿が。
……リューイの姿は、ない。
眠そうに目を擦ってるから、もしかしたら今ので起こしてしまったのかも知れない。
『ご、めん。起こし、ちゃった?』
少し落ち込んでそう聞くと、グレンはぶんぶんと顔をがとれてしまうのではと心配になる程横に勢い良く振るう。
《…アリシアは?大丈夫なのか?その…何か、苦しそうだぞ》
え、と声にならない声をあげる。
《悪い夢でも見たのか…?魘されてたぞ……》
『………』
夢に魘されていた所為でグレンを起こしてしまったみたい。
しかも、とっても不安そうにさせてしまった。
その原因である私はそこまででもない、筈なの…に……
………あれ?お、おかしいな。
どうして、涙が……
《アリシア!?》
『ごめ、ん。大丈夫。大丈夫、だから…』
そう言いながらも涙は止るどころか逆に溢れてきて……
不思議な気持ちが私の心をミタシテイク。
『……うっ……あ……』
その時、
「っ!?アリシア!?」
木で作られた洞窟の入口からリューイが急いでやって来る。
「落ち着かせましょう。息をゆっくり、深く吸い込んで。ゆっくり吐いて」
リューイの優しい声に少し安堵を覚え、言われた通りにする事が出来た。
何度が繰り返す内に落ち着いて、いつの間にか涙も止んでいた。
リューイが優しく涙を拭ってくれる。
『…ご、めん。あり、がとう』
「大丈夫ですよ。落ち着いたみたいで良かったです」
リューイの笑顔を見ると心の中がほっこりして、1人じゃないんだって思って……また眠気がやって来た。
「もう少し寝ましょうか。おやすみなさい、アリシア」