第13話 不思議な眠気
ふわぁ……
1つ、大きな欠伸をした。
それを追う様にして、すぐに眠気がやってくる。
私の身体は寝る必要がないから欠伸や眠気が起きる事はないと思ってたんだけど、違うのかな?
気になってリューイに聞いてみた。
リューイ曰く、
「そうですね、今日は大量の魔力を消費し過ぎて身体の維持に必要な魔力が足りなくなってきたからかも知れません」
との事。
私やリューイの種族は自身に宿す魔力で身体が出来ていて、その魔力が枯渇してしまうと存在自体が維持出来なくなって消滅してしまうらしい。
今日の私は暴走したり大地を蘇らせたりと魔力を使い過ぎてしまったから、結構危なかったみたい……
今度から気を付けないとね。
ふわぁ………
もう、限界……
私の隣ではグレンも眠そうに目を擦っている。
「ふふっ、もう寝ましょうか」
リューイは優しく微笑みながらそう言うと、魔力を操り始めた。
『木々よ』
瞬間、森がざわめき、リューイの眼前に生えていた立派な2本の木が枝を絡め合った。
森が静寂を取り戻した時、そこにあったのは小さな木の洞窟の様なもの。
「さぁ、こちらへ。夜風に当たり過ぎると身体に良くないですよ」
リューイにそう促され木の洞窟入ると、中には沢山の落ち葉が敷き詰められていてふかふかだった。
その中にぼふっとダイブしてみた。
『……ふかふかぁ』
「気に入って頂けたみたいで良かったです。おやすみなさい、アリシア」
そんなリューイの声を最後に、私の意識は沈んでいった。