Information warfareⅤ~フードコート~
まだ時間はあるようなので、友達訓練を続行するべきだな。俺はそんなことを考えて言った。
「じゃあ、再開するか」
「うん」
「そうだね」
俺達は再び歩き出す。そういえば今、何をしてたっけ?あの件強烈過ぎて何をしてたか覚えてないぞ...じゃあ、聞くかってそれはタブーだったっけ?彼女たちにタブーを教えることにして聞こう。
いや、潔くないな。普通に聞こう。
「失礼を承知で聞くが、今、俺達は何をしてたんだ?」
「そういえばなんだっけ?」
「わからない。ただ、このフロアで何かをしていたのは紛れもない事実だと思う」
全員わからないらしい。湯川さんはともかく、なんでアイツは忘れてんだ?だいじょうぶだろうか。ヘマをやらかさないか不安である。
俺は一抹の不安を抱いた。なんか、腹が減ったな。
「小腹が空いたんだがフードコートとやらに行かないか?」
「そうだね。腹が減ったよ」
「私も」
満場一致で行くことになった。俺は生まれてこの方フードコートに行ったことがないからな。結構ワクワクしている。どんなところなんだろう。
俺たちがフードコートに着くと、驚きの光景が広がっていた。
なんと、カウンターしかない店がずらりと立ち並び、そこで食事を貰い数多ある机で食べていたのだ。店で机をシェアすることによって、店の敷地の縮小を行なっているのだろう。
だが、店側にはメリットが少ない気がする。得をするのは客とこのデパートだけな気がするぞ。まあ、何はともあれ客としては便利である。
「わたし、チキンカツ食べたいな~」「わたしは牛丼が食べたい」「私はアイス食べたいんだけど」となったとき、普通は妥協をすることになるだろう。だが、フードコードならばそんなことは起きない。
全員の希望を叶えつつ、みんなでワイワイと食べることが可能なのだ。デパートは大抵なんでもあるし、大勢で行く所としてはとても良いところだろう。