Information warfareⅣ~理高~
俺たちが何とか舌戦に勝利し、幼馴染は渋々といった感じで納得をしてくれた。まあ、「仁のことだから危ないことに首を突っ込んでいるだろうけど。自分を大切にね」と言われてしまったけどな。
危ないことをしている、という漠然としたことしかバレていないなら何の問題もない。俺はそんな風に開き直りつつ、湯川さんに聴く。
「湯川さん、迎えの車はいつ来るの?」
「後、1時間くらいかな。勉強の時間が必要だし」
帰りも湯川さんに送って貰うことになっていた。湯川さん、悪いな......ご厚意に甘えて。
まあ、そんなことを湯川さんに行ってもはぐらかされるのは目に見えているから言わないけどな。
「湯川さんって高校の勉強をしないと、付いていけないのか?俺は付いていけないけどさ。湯川さんがそうだとは思えない」
「紗理奈は生物学が天才的なだけだからね。でも、生物学では高校生のレベルとは思えない、超高校級だ!!という人も居る暗い!!!他が出来なくても勉強する必要はないよ。生物学で頑張れば落第はないからね」
「そうだけど、他の分野も頑張りたい」
そういえばそうだった。国立理科高校では成績で上限があるのはおかしいということで、5以上があるんだよな。
特定分野に秀でる人のために5以上を取れば1ごとに落第を1つ回避出来る。おかしな制度だよ、全く。過去最高の成績は14とかいう噂だ。何をしたらそこまで取れるんだろうか。
ちなみに、パーセントで成績を決めているわけではないらしい。加算式で、ある点数を超えると2みたいに決めているようだ。
課外活動でも、申請すれば点数が取れる。
「やっぱり異質だよな。理科高校は」
「まあね、よく高校と認められたと思うよ」
「それには、同意する」