Information warfareⅢ~幼馴染との戦~
遂に百件突破!ありがとうございます!
俺が二人の下に戻ると当然、最初に追求の言葉を紡がれた。
「で、何をやってたの?トイレにしては明らかに長すぎるし」
「そ、それはだな」
「私が説明する」
湯川さんは俺を手で制し、そう言った。湯川さんってこういう隠し事苦手そうだけどな。大丈夫だろうか。まあ、考える時間はだいぶ有っただろうし、ここは湯川さんに任せますか。俺にはいい言い訳が思いつかないからな。
「男子トイレが故障していた」
「男子トイレが?」
「そう。私が見に行った時は男子トイレの前まで水が見える状態だった」
「大丈夫だったのか?」
「そこまでは知らない。ただ、帰ってきたということは大丈夫になったんだと思う」
湯川さんナイスだ!よし、この流れのまま俺は持っていくぜ!
「そうなんだ。だから俺がトイレを直していた。男子トイレは無事に直し終わったぞ」
「トイレなんて直す技術を仁は持っているのか??怪しい」
俺の頬に一筋、汗が伝った。大丈夫だ。ここは冷静に答えればなんとかなる。
「ああ、これでも国立理科高校の生徒だからな。こういった技術は持っておいた方が良いと思って秘かに習得しておいた」
「そうか。それにしても、それ相応の道具が必要だろう。よもや道具箱を持ち歩いていたわけではあるまい。それはおかしくないか?」
流石だな、幼なじみ。ビシバシと矛盾点をついてくるぜ。でも、あいつは嘘をつくことを余りしてこなかったはずだ。
不幸を乗り越える為に嘘を付く必要性があった俺にぶがあるな。
「トイレにはすぐ直せるように修理キットが置いてあったんだ」
「女子トイレにはそのような物は置いてなかったが」
くっ、相手が確認できないことを言えば相手もなにも返せない作戦を実行したつもりだったが、確認できることだったか。
いや、待てよ。男子トイレはアイツでは確認できない。男子トイレと女子トイレの差を考えるんだ。女子トイレは見たことないが女子は立って小をすることはないらしい。
つまり、座る用のしかない。スペースは同じなのだから占有面積の関係性上男子トイレの方が置いてあるトイレが多いのではないだろうか。
憶測でしかないがこれに希望を託すしかない。
「男子トイレの方が占有面積の関係上トイレの数が多いんだ。だから、男子トイレには置いてあったのかも。それに、男子清掃員の場合、女子トイレに置いてあったら取れないだろ?でも男子なら女子の清掃員でも、あんまり抵抗することもない」
「た、たしかにな」
勝った!この舌戦勝ったぞ!!