Information warfareⅠ~情報交換~
情報戦が始まることとなった。などと言ったがまずは情報交換をしなければな。さっき軽くしたが流石にあれだけの情報しか持っていない、ということはないはずだ。
その女の居場所がもしかしたら、本当にもしかしたらわかるかもしれない。居場所がわかるのがそんなに僅かな理由はそれがわかってたらただ一方的にやられているという状況にならなかったはずだからだ。それは期待せずに忍者に聞くことにした。
「忍者さん、h」
「忍者さんではなく上谷だ。その...忍者さんと呼ばれると.つ、つい笑ってしまいそうになるからな。プッ」
「そんなに面白いかよ。忍者さん」
「ハハハ、あ、ああ、面白いよ」
「そりゃ良かったな上谷さんよ」
く、くそぉ、そんなに馬鹿にすることないだろ。俺はそう思いつつも疑問に思ったことを振る
「上谷って名前なんだなお前。服部とか藤林とかじゃないのか?」
「ああ、我が一族は確かに藤林の血を引いているが苗字は上谷だ。その二つの名と百地は知れ渡ってしまってるからな諜報するのに差し支える。だから違うのだよ」
「へぇ~~大変だな~」
「ああ、大変だ」
「そういえば」
何気ない話からこうやって入っていけば軽い気持ちで話せるようになるだろう。最初はあれを聞くか。
「なんだ?」
「その女の居場所を知らないか?」
「知らん。知っていたら復讐の一つや二つやっている」
「だよな」
上谷さんの言うことはごもっともだ。やはりそんなに物事は簡単にいかないらしい。その後質問してみたが「尾行させていた奴は全員手篭めにされた」とか、「毛を回収してDNA鑑定をしようと思ったら毛が全く落ちていなかった」など敵の武勇伝しか出てこなかった。凄いなんてものではない。
ここから考えるに上谷さんが謀反を企てることも知っていると考えたほうがいいだろう。やはりとんでもない奴だな。敵は。