サイカイⅠ~休息~
家の鍵を開けようとするとドアが開けられ心配そうな顔をしている母親が出てきた。
「心配したんだから。3分もあの時間の二時間後から遅れて」
「ごめん」
十数分ならまだしも三分かよ、心配しすぎだろ。親バカはそんなにすぐに直るようなものではなさそうなので今度は多めに時間を取って伝えておくことにするか。
湯川さんの家は本当にヤバかったな。廊下の床にガトリングレールガンが収納してあるとか隠し通路があるとか。まさに家の殻をかぶった秘密研究室だな。この家もそんなことは無いよね。
そんな物騒なことを思いつつも俺は自分の部屋へと行きベッドに体を預けた。あの元探偵二人が言っていた意味深長な言葉は今の俺には無視できない言葉だ。
湯川さんは俺にとって何かの謎を解き明かすのに重要なのか。魔法の仕組みについてだろうか。まあそんなことならば良いが、湯川さんのお父さんが湯川さんに助言した言葉についても気になる。
なぜ探偵というものはハッキリと教えてくれないのか。教えてくれたってバチは当たらないと思うぞ。
俺は疲れていたのかウトウトしてくる。後に何か用事があるわけでもないし宿題も無い。俺は意識を手放した。




