覚醒Ⅱ~前世の記憶~
すると、小声で足を蹴ってきた男子が険しい顔でつぶやいた。
「お前がそれを言うとシャレになんねーよ」
それを聞き俺は驚く。もしかしたら、中二病だからこんなことを言ってしまったのかもしれないが、事実だとしたらこういうことになるのだ。「この現代日本にも、魔法師が居る」それは重要な事実だった。なぜか、といえばこの現代日本、いや、現代において魔法などという技術は存在しないことになっている。
つまり、現代の日本は魔法という技術について知らないので当然探知できず魔法師は好き放題犯罪が出来る。ということだ。そして隣の奴は魔法師で、魔力が感知できるほどの力量ということだろう。あくまでも想像だが、あの発言は自分のことを天才魔導士という俺の保有魔力量が確かに天才魔導師といえるほどの保有魔力量を持っていたからだと考えられる。
え?なんで勉強でもないのにこんな冷静に分析をしているんだ?絶対前なら気づかなかったと思うんだけど。
なぜそうなったかといえば、前には無かった思考。つまり、今から始まった思考ということだ。前と今とで変わったことといえば唯一つ。それは前世の記憶を思い出したこと。つまり、前世の記憶を思い出したことが原因。記憶中でも、前世の俺が冷静だったこともあるので確実だろう。
一応前世の情報と魔法についても含め整理していこう
まず、俺の前世と経歴はレイン・サード・ペンサルトという名前の男で、身分は伯爵の位の貴族。魔力量、頭脳共に幼い頃から優れていたので神童と呼ばれていて、五歳の頃に調子に乗り魔法式を作成したところ、酸素と炭素ではなく酸素と水素でやっていまい失敗。屋敷が一部崩壊してしまった。
だが、民に優しいのと、経済において優秀だった伯爵である父ガーグ・ゼド・ペンサルタントのお陰でお金はすぐに用意できてたのと、あくまでも五歳児だったのでたいした問題にはならなかった。
だが、俺はそれをとても悲しく思いショックを受け、冷静的な思考を心がけるようになる。その後、七歳非常に魔力消費の少ない炎を出す生活魔法を草原で試験して成功。屋敷爆破事件の雪辱を晴らした。そして、その副産物として青い炎が一番熱効率が良いことが国中に広まった。
九歳のころスライムが発生してしまい、街が大混乱に陥るが苦戦しながらも勝ち、英雄として街の人に認知された。十歳のころ、親に貴族の女の子を紹介され、仲良くなり恋に落ちる。十一歳の頃以降は不明。
といったところだ。だからといって死んだという記憶は無い。それに体内に感じる魔力はそのときの記憶のよりもだいぶ高いためそれ以降も人生を歩んでいたのは間違いないだろう。次は魔法について整理しよう。