平和な戦場XVIII~異常な家ⅩIII~
思ったんだが旧兵器博物館なのに、なんで真新しい武器が展示されてるんだ?もしかしたらこの兵器は湯川さん達、湯川家にとっては古い武器なのかもしれない。そうだったら恐ろしすぎるな。この平和な日本でレールガンとかそんな感じの次世代兵器が作られているとは。
というか、約35パーセントの確率で数十年の間に世界大戦が起きるんだよな。そう考えると次世代兵器を日本が保有しているというのは安心できることかもしれない。俺がそんなことを考えている間に幼馴染は早速近くにあるガラスケースの中に展示されているAK-47というのを見ていた。この銃に関しては凄い銃だからか恐らくパーツ全部を一つ一つ展示していた。
銃というのは思ったよりも簡単な作りだ。部品数はざっと百ぐらいで出来ている。そんなことを思っていると幼馴染が興奮気味に言った。
「やっぱりこんな部品数が少なくて大雑把な造りなんだ!!」
幼馴染の言う通りならこれよりも普通銃は精密で部品数は多いらしい。最近の製品はやはり部品数が多くて複雑だ。そんなことを考えている間に幼馴染は遠くの方へと行ってしまった。そしてまた、一つの銃の前に立つと幼馴染が興奮気味に言う。
「これは日本製の銃、64式7.62mm小銃だ!!スナイパースコープと銃剣も一緒に展示されてる!」
「日本も銃を作ってんのか」
「はい。自衛隊にしか卸していませんが」
俺が独り言を言うとアダムがそう返してくれた。それにしてもこの博物館『?』はとても広い。この銃が展示されているだけのひと部屋なのだが、俺の部屋が六つは入りそうだ。何か不安になってきたな。明らかにこれ、パソコン室を入れると湯川さんの家の面積を越えている。そんなことを思いふと奥を見ると使い込まれているだろう二つの銃だけが一つのガラスケースに大切そうに飾られていた。
明らかに他の銃とは扱いが違うその二つの銃について聞いた。
「何であの銃だけはあんなに扱いがいいんだ?」
「あの二つの銃は奥様と旦那様が使っていた愛銃だからです。ちなみに旦那様が使っていたのは右側に見えますS&W M39、奥様が使っていたのが左側に見えるコルト・ガバメントです」
「な、何があったんだよ。というか銃刀法違反にならないのか?」
「ある事件があったんですが、それを解決するために使われました。それに一時期は探偵がいたのです」
「そうなのか」
何があったんだよ、と言おうと思ったが黙っておくことにした。絶対にロクなことではないからだ。
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