平和な戦場Ⅵ~異常な家Ⅰ~
主人公の苗字を諸事情により千同に変えました。長らく伝え忘れていましたすみません。
家に帰るとリビングとは逆の左側にある階段を上り母の部屋に行き、なにやらパソコンをいじっている母に俺は言う。
「ちょっと、友達の家に行くから!!」
「何時ごろに帰ってくるの?」
「一時間後から二時間後ぐらい」
「わかった。友達もうできたんだね」
「うん」
「じゃあ、気をつけて行ってらっしゃい」
何かだましたようだが、仕方ない。なぜか母は幼馴染以外の女の子の居る家に行こうとすると激しく反対する。最近で言えば12月23日に高校に受かるかどうかがかかっているので万全を期したいらしく頭を下げて「数学の講師役になって」と言われ俺が母に言ったところ「絶対に行くな」と母に言われてしまった。
なので、恐らくだが幼馴染と湯川さんの家に行くということを言ったところで絶対に行かせないだろう。あまりこういう手は使いたくないのだが、幼馴染とは雲泥の差かも知れないが俺も湯川さんの家というのはとても気になる。
確かに純粋に研究所や最先端の技術も気になるのだがそれを見るのが怖いのに見たいという怖いもの見たさの方が強いだろう。他人の家をどうこう言うべきじゃないが湯川さんの家はパワードスーツがあるという時点でもう怖い。幼馴染は俺が見たことのある映画と違い日本のHALは医療用だと言っていたが十中八九医療用のパワードスーツではないだろう。
もし医療用のパワードスーツならば、もう幼馴染も知れるようなぐらいには最低でも発表されているのだから湯川さんが慌てているのを表に出してしまうぐらいに動揺することはない。だから、映画のような軍用のパワードスーツの可能性が高い。このことからもしかしたら、湯川さんの家は最先端武器がいっぱいあるのかもしれないのだ。
やはり湯川さんの家は怖い。それに並ぶようなヤバイ奴が他にも最低でもパソコン、機材の二つはある。パソコンはもしかしたら世界一のスパコンだったりしてな。まあ、そんなことは有り得ないと思うが。これを考えつつ着替えを終えてジーンズに青色のチェックシャツになった俺は階段を降りて赤いスニーカーの紐を結び俺は若干ワクワクしながら家を出た。




