平和な戦場Ⅳ~帰宅途中での修羅場Ⅲ~
そんな中歩いて行くとまるで鉛筆みたいな形をしていてその斜面に太陽光パネルがはっついているビルやこげ茶色のビルなどを通り過ぎいつも登校中。いや、いつも流れている車のエンジン音や通り過ぎる音を聞きながら俺たちは喋ることがないので無言で歩いていた。そんなか奇妙な家が二つあった。
いや、ビルではなく普通の家があること事態が奇妙だろう。そんな中湯川さんが口を開いた。
「この一見普通そうに見える家がわたしの家でお隣のいかにも金持ちな家は母の実家」
「その一見普通そうに見えるというのはどういう意味だ?」
俺はそこが妙に引っかかった。国の推薦を受けられるほどの研究というのはあんな普通そうな家では出来ない。それは素人である俺ですらわかることだ。つまり、見た目とは裏腹に何かヤバイのだろう。スパコンが置いてあるとか地下にパワードスーツが隠されていたりとか。まあ、そんなことはさすがに無いだろうが。そんなことを考え終える頃に湯川さんが言った。
「この中には科学の最先端が詰まってるし研究所もかねてる」
「ま、まさか。あの湯川家ですか!?」
幼馴染はかなり歩いたので時間が経ったから復活したのか凄い驚いている。ちなみに湯川家というののどこが凄いのかはさっぱり俺にはわからない。そんなことを思っていると湯川さんが答えた。
「そうだけど」
「え、あの教科書にも載る超有名人の湯川秀樹や半導体内および超伝導体内の各々におけるトンネル効果の実験的発見をした一員の湯川純一、そして核磁気共鳴画像法を考えだした湯川秀信などが同じ家から出てるというあの噂は本物だったんですか!?」
「ただ、湯川秀樹は違う」
「そうなんですか」
湯川さんがそう言うと興奮していた幼馴染は興奮が収まった。ただ、この説明じみたセリフは無知な俺には助かる。つまり、湯川さんは天才一族の湯川家の一員ということだろう。なんと恐ろしい。そんななか湯川さんが言った。
「わたしの家は物理系に強くて大抵はこの例から解るように研究が機械系に組み込まれる人たちなんだけどわたしは例外。お父さん、すなわち湯川秀信みたいに最終的には生物でも機械系に組み込まれたりはたぶんしない」
「つまり、この家の中の異常な機材やパソコン、パワードスーツと関係ない」
そう最後に慌てたように見えないことも無い湯川さんが付け足した。恐らく、この家の中はテクノロジーが飛躍的に進歩しているのだろう。そして、湯川さんはこれらを作った人たちのように頭がおかしいとか言われたくないので最後の言葉はつけたしたに違いない。でも、俺と幼馴染は中を見ないから言わなくてもいいような気がするが。