決戦Ⅰ
微妙に前のお話を修正しておきました。
俺はバッグを端に寄せておき早速作戦通りに対物理結界を出すために呪文を早口で声に出しながら高速で綴る。
「魔力は魂の力、魂は意志の力。魔力は万物を改変できるもの、無敵の力。我の意思は防御!我が防御の意思に従ってくれ、我が意思を元に変化せよ!アンチフィジックシールド!!!」
綴り終えると魔力の厚い膜が形成された。魔力を見るためにスイッチをオンするかのように考えると、相手の魔法師にしては少ない魔力。それと俺を中心にして50cmほど先にある魔力がはっきりと見えるほどの厚さの水色の壁が見える。
俺の想像通りに出来ているのなら俺を中心とした半径50cmの楕円半体が形成されているはずだ。なぜ楕円なのかといえば簡単で俺の半径50cm半球では俺の体が結界から出てしまうからだ。なぜか、下準備を待ってくれた忍者に俺は聞いた。
「何で待ってくれるんだ?」
「お前は殺すのはもったいない。それに、m。おっと口がすべるところだったな。忍者はいわばアサシンだ。なのに真正面からやってくれるんだ。感謝しろ」
「ありがとうございます」
俺はさっきの無表情から一転、「それに、m。おっと口がすべるところだったな」から慌てた表情をしたことにあからさま過ぎるなと思いながら俺は苦笑しながらそう返した。
そして、すぐに俺は先手を打つ。頭の中で魔法式を一瞬で圧縮してそれに数字を代入。俺は爆裂魔法を使えば速度などは関係なく女を粉砕できるだろうがここで使えば間違いなく騒ぎになるし殺していけないしでメリットがない、なので炎魔法を使う。そして女の股下に{ボゥ}轟々と立ち上る青い炎を作り出した。
すると、女は呪文を言うわけでも綴るわけでもなく異常な速度と飛躍力で炎を回避する。魔法式を使ったのか?それとも純粋な身体能力か?そんな風に思わぬ行動で動揺し一瞬俺が考えてしまうとそこを突いて女は何かを投げてきた。
それはもちろん結界に阻まれたが結界に亀裂が入る。これを見て人体の身体能力では有り得ない。そう結論を出し俺は結界の亀裂を直るように強く意識して魔力を使って補強した。言うまでもないが、魔力で補強したところは他のところより脆い。そして、相手の身体能力の種を探るためもう一回同じような魔法式を一瞬で圧縮して同じ数字を代入し、また女の股下に青い炎を作り出した。
今回は魔力感知のスイッチをオンにして相手を見る。