忍者襲撃Ⅴ~勝利への模索~
落ち着きを取り戻した俺は自分が一人だけ設備を見て回ってないことに気づき、適当に設備を回りながら思い出す。
まず、相手を知る、だったな。まず、相手は忍者だ。それは手裏剣を投げてきたことや相模の情報提供でそれはほぼ確定しているといっても過言ではない。
この情報や相模が俺が勝てると言い切ったこと、俺が目に余る強力な魔導師であること、手裏剣を矢文の代わりにするのは忍者だといっているようなこと、相模が親切すぎることなどとそして相手が達人一歩手前の洗練された雰囲気を持つことを考慮すると、一見相模が仲間を使い目障りな俺をだまして殺させる。つまり、忍者ではないように見える。
だが、それは大きな勘違いだ。確かに、一般的に忍者は速い一撃や索敵用の隠密にやることに特化しているとされているため、普通の魔法師を忍者と勘違いしてしまい作戦を立ててしてしまう。
すると、無駄に索敵用の魔法を多用したりして魔力を無駄に消費したり、反撃を受けないように先に魔法を使うために威力低めだが、早い魔法を使ったら魔力障壁にはじかれたりしてしまうなんてことになる。なので、忍者だとだますと確かに相手を殺す難易度を下げることが可能だ。
ただ、あくまでも難易度を下げるだけだし、もしも俺たちと同じような普通に魔法を使えるのにあの達人一歩手前の洗練された雰囲気を出せるのなら、そもそもそんな周りくどいことはする必要は無い。今の俺ならあの女が並みの魔法師なのだとしたら、確実に負ける。
それを見抜けないほどのアホならば、こんな何重にも丁寧にトラップを仕込んでおいたりはしない。それに、実は一回会っているのだ。さっき、思い出したのだが、補助魔法を使った後に、妹帰っているときに全身黒スーツ姿であの女が俺たちを見て、いや、俺を見て顔を引きつった表情を浮かべた人だ。
あの時は俺の妹を知っていてる近所のお姉さんだから俺の妹がベタベタしているのを見て顔が引きつらさせているのかと思っていたが、ただたんに俺のあまりにも多い魔力量に顔を引きつっているだけだったようだ。もしかしたら、たまたま魔法を使ったいけない人である俺を見て引きつらさせていたのかもしれない。
何処が忍者であるのに関係あるのか、といえば簡単で、見つけたら即刻殺すはずだからだ。というものの、相模の仲間で、相模が強力な魔法師を殺すのを目的としているならば、早く芽を摘み取りたいはずである。だったら、相模がわかった後にパソコンなりケータイ『所持が認められている』で仲間に伝えてるはずだ。
それに、並みの魔法師ならば魔力感知はできる。つまり、俺の魔力が以上に多いのと魔力が回復していくのが一目瞭然だったはずだ。それならば、相模が基本の方針としている強力な魔法師を殺すをすればよかったのだ。
ということで、相手はやはり外国の人達に人気で有名なニンジャと見て間違いないな。そして、相手を知った後には弱点を突くような作戦を建てる。忍者の弱点、それはすなわち火力不足、という一点だろう。忍者は伝承と変わってるのでは?という疑問も解らないことはない。ただ、ここで出すのもおかしいのかも知れないが、あの少女の存在だ。
あの少女には未来のヤバイことを察知できる能力がある。それに過去に戻れる可能性も高い。「頼るしか道がない」と言っているのだからほかの道を試したはず。という推理から考えると、忍者である可能性がもっとも高いのだ。
なぜか、といえば簡単だ。悲しいことに今の技量の俺とアイツが戦った場合、普通の魔法師並みにアイツが魔法を使えるのならば、俺が負ける。だが、伝承どおり影分身の術や影縫いの術、口寄せの術などしかないのなら、勝機はある。だから、必然的に俺が勝てる可能性がある伝承に通りの忍者ということになるのだ。
さっきのあの少女のことを出すと、だったら策を練らなくてもいいのでは?ということになる。だが、作戦を練るということはただ単に勝つ確率を上げるためだけの行為ではない。実は、恐怖を和らげるという意味と恐怖を和らげるという意味があるのだ。
思考がそれたが、伝承通りの忍者ということになるので、アイツの弱点は火力不足ということになるだろう。火力不足ということは対物理結界で充分に防げるということだ。ただ、アイツは手練なので普通の人が使うと1分もつかどうかぐらいの対物理結界ならば大丈夫だったかも知れない。
ただ、俺は一般人の魔力量を大きく逸脱しているため単純計算で、対物理結界を一時間維持することが出来るためその一時間もの間は俺に一方的に攻撃をゆるすことになる。要するに今までは致命的な弱点ではなかったかも知れないが俺と戦うとなると致命的な弱点になる。
要するに俺は対物理結界を維持しつつ相手をボコればいい。簡単な作戦だが、とても有効的な作戦である。口寄せの術が厄介なので、{キーンコーンカンコーンキーンコンカーンコーン}。
「授業は終了だ」
そう先生が言うと、同時に湯川さんが寄ってきた。後で考えなければならないようだ。