事件の前奏曲《イントロダクション》Ⅵ~女王はクイーンである前に女性である~
前のお話とその前のお話を変だったので直しました。読みづらかった人はこちらで http://ncode.syosetu.com/n4264cz/4/
すると、なんということだろうかヤンキー先生《坂上先生》のオーラが見る見るうちに強烈な殺気を含んだ達人オーラとなっていきます。そうふざけて気をそらそうとしたもののそんなことは出来無く、心の中は恐怖一色である。そして、ふざけて心の中で言ってみたもののその言葉に間違いは無く、ヤンキー先生様のオーラは前世の頃に一度当てられたことのある達人のオーラに相違ない。
なので、めちゃくちゃ怖い。そんなことしか考えられなくなっている俺にヤンキー先生様は聞いてきた。
「何で来なかった」
別に怒鳴り散らすわけでもないがすごい怒りを感じる声で聞かれたため言い訳が頭からすっ飛んでしまった俺は自分に都合が良い部分だけを抜き出して言った。
「ちょっと私の日々の行動に至らぬ点がありまして、それを友人が私のために内密に話してくれるということでしたので、聞いていたところ遅れてしまいました」
「ほう、つまり。その至らぬ点とやらを直してから行こうと思ったわけか。そうだな?」
ご機嫌になり、あのオーラはすでに雲散霧消していたためホッとしつつ、俺は別にそんなことを思ったわけではないが嘘がつけるようになったのでしれっとした顔で嘘をついた。
「そうです」
「ならいい。一緒に飯でも食うか?」
なぜかまるでさっきのことが嘘だったような機嫌の良さで笑顔で聞いてきた先生にちょっとドキッとしてしまいながらも嘘がバレそうなので俺は嘘を混ぜながら拒否の言葉を返した。
「すみません。幼馴染とその友人と一緒に食べる約束があるんです。なので、そういった約束が無いときに二人切りで食べましょう?」
「むう。わかった後日な」
なぜか、凄く丸くなった先生に手を振り返しながら先生が居なくなるのを見届けると俺はガッツポーズを取った。なぜか、といえば先生と少なくとも学校生活をしている内は一緒に食べられないような約束を取れたからだ。よくよく考えてみたら誰かに目撃されたりしたら凄い騒ぎになってしまうので先生とは一緒に食事したくない。
なぜ「幼馴染とその友人と一緒に食べる約束があるんです。なので、そういった約束が無いときに二人切りで食べましょう?」が学校生活をしている内は一緒に食べられないような約束なのかといえば簡単で俺がそういった約束が無いときがないようにするからだ。さすがに先生に失礼だと思ったので、あくまでも『学校生活をしている内は一緒に食べられないような約束』になっているのだ。
貴・!!まずいことをやってしまった。確かに前世生きていた世界の常識では女性に食事を誘われたら断ると失礼なので必ず受けるとか情報交換や交流の為に食事を共にする。というのは有った。だが、この世界の常識では食事に誘うというのは特別な意味が多いのではないか。
というか、わざわざ二人切りで食べようとか言ったらもう完全に特別な意味である。なんで、学校生活とか誰かに目撃されたりしたら凄い騒ぎになってしまうとか解ってるのにそこだけ間違えるのだろうか。ということは、幼馴染とその友人
にした意味もないということだ。これじゃ、ただのチャラ男だ。
俺はこれでボッチ飯してたり相模と食べていたりしたら不自然なので、幼馴染が居そうな教室へと向かった。