家族ではない家族Ⅲ~ブラコンではないブラコン~
というのも、別に俺がブラコンであることは異常ではないとか、あの痴態は実は普通なのではないかとか思ったわけではない。正確にはブラコンではないのではないかと思っただけである。
なぜなら、俺の血が家族とつながっていない可能性があるからだ。思い出してみれば前世でも同じ容姿なのだ。しかも、前世ではしっかりと両親に顔が似ていた。まあ、偶然だとか、そうだから俺にその前世がある。というのも考えられなくはない。
だが、俺の容姿は不自然なことに黒い目の父親を持っているにも関わらず俺は青い目だ。それに加えて、ハーフという感じはまったくせず顔立ちはイギリス人の顔立ちである。なぜ、目が青いのがおかしいのかというと公立の学校だと中学生三年生で習う内容で、遺伝子の優性と劣性というのがある。その中で優性の法則というのを習うのだが、その意味は。
親の性質の現れやすいほう(優性)と現れにくいほう(劣性)があり、それぞれの遺伝子が同一個体に共存した場合、優性の側の形質のみが表現、すなわち性質や特徴に出るという意味だ。
そして、暗い色である黒が優性で明るい色である青は劣性なのだ。つまり、俺の目はこの法則上本来は黒でなければならない。なのに、青なのだ。だが、別に確実に血がつながっていないと決まった訳ではない。
黒い目を持つ父が劣性である青い目の遺伝子を持っていた場合、黒い目の遺伝子が俺に伝わらず青い目の遺伝子を伝えた場合俺は青い目の可能性はあるのだ。残念ながらそれも非常に確立が低い。
なぜなら、千同家とは日本の由緒正しき名家の分家らしい。で、この時代に血筋を気にしているとか。それで、外国人である母との結婚に猛反対されたのでうんたらこうたらと以前、父が言っていたからだ。全く関係ないが母がそれを聞きながらうっとりしていた。
というわけなのでかなり高確率で俺は家族と血がつながっていない。まあ、だからといって何か思うところがあるわけではない。それが事実だとすれば妹の痴態にも少し納得できる。人間のニオイにはフェロモンというのが含まれていて、遺伝子的に相性が良い人だとそのフェロモンは良いニオイに感じるらしい。
つまり、妹にとっては俺が遺伝的に相性が超良かったので、とても俺からは良いニオイがするのだろう。だから、俺の掛け布団の嗅いでいたのだ。そして、俺にとっては残念なことに良いニオイがする人には惹かれるのだ。当たり前だろうだって、遺伝的に相性がいいのだから。
だが、だからといって俺が妹が好きになったわけではないし、あの痴態を認めたわけでもない。止めて欲しいな。そんなことを思いながら俺は目を閉じて眠った。
主人公は瞳の色で勘違いさせています。実際は現在わかっているだけでも瞳の色は三つの遺伝子で決まるとされているので、必ず黒になるわけでもなく、むしろ淡褐色というのが多いらしいです。(ブルーの人と黒の人がことにおよんで生んだ場合)
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