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第1話【女性客の悲鳴】

 そこは銀座の高級美容院【ウェラムボートクラブ】。中年の男性美容師が女性客の髪をカットしていた。





 男の名はアマルフィ町田。この世界ではカリスマ美容師としてその名を知らない者はいない。





 アマルフィ町田はカットが終了すると、眠りに落ちている女性客の両肩にそっと手を乗せ、『はい!』と声をあげながら軽く肩をたたいた。次の瞬間、女性客はパッと眠りから覚める。





 このウェラムボートクラブでは、カットに入る前に客を催眠術で眠らせることになっているのだが、眠りから目覚めた女性客は目の前の鏡を見て絶叫をあげることになった。





 「きゃあああああ!なんなのよ、この頭はあああああ!」





 翌日、ウェラムボートクラブはこの女性客に訴えられることになる。なんと『綾瀬はるかのような髪形にしてください』と頼んだにもかかわらず、プロレスラーの永源遥のような髪型にされてしまったのだという。





 カットを担当したアマルフィ町田は『てっきり勘違いしてしまいました』と謝罪し、罰金50万で事なきをえることになった。





 それから数週間後のことである。ほかの女性客がカット終了後、鏡を見て同じような絶叫をあげたのだ。





 なんと『堀北真希のような髪型にしてください』と頼んだにもかかわらず、ウクレレ芸人の牧伸二のような髪型にされてしまったのだ。





 それからも日本各地のウェラムボートクラブで似たような事件が相次いだ。





 『武井咲のような髪型にしてください』と頼んだにもかかわらず、アスリートタレントの武井壮のような髪型にされてしまった女性。





 『新垣結衣のような髪型にしてください』と頼んだにもかかわらず、作曲家の新垣隆のような髪型にされてしまった女性。





 『長沢まさみのような髪型にしてください』と頼んだにもかかわらず、【ちびまるこちゃん】の永沢くんのような髪型にされてしまった女性。 





 『前田敦子のような髪型にしてください』と頼んだにもかかわらず、格闘家の前田日明のような髪型にされてしまった女性。





 『白石麻衣のような髪型にしてください』と頼んだにもかかわらず、直木賞作家の白石一郎のような髪型にされてしまった女性。





 『モデルのマギーのような髪型にしてください』と頼んだにもかかわらず、インチキマジシャンのマギー司朗のような髪型にされてしまった女性。





 『モデルの葉加瀬マイのような髪型にしてください』と頼んだにもかかわらず、ヴァイオリニストの葉加瀬太郎のような髪型にされてしまった女性。





 この謎の勘違い美容院事件に、日本中が注目をするようになっていった。

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