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第二話 地下へ

 少しするとレイルが、「底に着いたみたい」と言った。


「何メートルくらい深いんだ?」


 俺が問う。特車にはメーターがたくさんついている。そのうちの1つを見てレイルは「10キロくらいよ。深いのね」と言う。


 ふむふむ、10キロぐらいか……。ってはぁ?どんだけ深い穴掘ってんだよ!てかよく掘れたなおい!今回のターゲットはバカでかいのか!?


 とかぼやいたら、ラキに頭を殴られた。


「何すんだよぅ」


 ラキは普段は言葉遣い等が荒れめだが、時々は女子らしく、明るく女子たちとおしゃべりしたりもする。


 だがあの性格のギャップ見てしまうと、二重人格なのではないかという疑念が頭をもたげてくる。


「何すんだよぅ、じゃねぇよ。仕事しろ、仕事。なんであんたはそんな暇そうなのにわたしは忙しいの?」


 うん?そんなこと俺に聞かれても分からねぇよ?てかおまえ、ロイ隊長の相手してたんじゃなかったんだ。


「あれ?そういえば、ラキは上に残るんだよな?」


「ん?あぁ、うんそう。上と通信ができるようにね」


「まぁ、俺は実戦だからさ。よく考えたら後で仕事あんじゃん?ね?」


 だからお前だけが忙しいわけじゃねぇんだ。我慢しろよな、今ぐらい。というようにラキをじとっと見つめるとラキはぷいっと顔を背けた。


「早くあんたもワゴンに乗って!あんただけなら落とすだけで充分なんだからね‼」


「はいはい、今乗るから」


 いつの間にかワゴンは引き上げられて、メンバーはワゴンに乗り込むところだった。


 落とされちゃたまんないぜ。10キロじゃパラシュートも開かねぇ。


 さっきの会話にもあったように、ラキは地上の特車に残って通信係をやってくれるそうなので、俺たちは4人でワゴン車に乗って明るい世界に別れを告げた。


 ラキは「いってらっしゃい‼」と言ってくれたが、調査チームのような目に遭ったら、ラキに「ただいま」って言えないかもしれないんだもんな。


 俺は気持ちを切り替えて、地上に戻ることを目標にしようと決めた。


 またあの太陽の光を浴びたい。





 俺たちはワゴンに乗ったまま特車に吊り上げられて、穴の中へ入った。


 全員がワゴンから降りると、俺はあれ?と首を傾げた。


「なんでこんなに明るいんだ?」


「でもあんなにでかい穴だったくせに、空が見えないなんておかしいよな」


 俺の声に、グレイも反応して首を傾げる。


 矛盾してるよな、この空間は。異次元っぽいくせに、地上からここまで10キロって数字で表せるんだもんな。


「今日は1人で行動することの無いようにな。調査するときも、常に注意しながらやれ」


 ロイ隊長が言う。


「そうよね。何が出てくるか分からないんだもの」


 今は皆、戦闘時に着用するスーツを着ている。


 それなりに発達はしてるんだな、研究班も。訓練用スーツよりも軽くて動きやすい。


 訓練はただでさえハードなんだ。その上あんな重いスーツ着せられるなんてたまったもんじゃない。


「今日はあまり車から離れないで調査するんだ」


 どうせターゲットはこちらに気がついているだろう。俺らは今夜にでもターゲットに襲われたら終わりた。今夜は眠れるか否か。


 眠れたらいいな。昨夜はなんだかんだ言って寝るのが遅くなった。


「調査って……何すんだよ?」


 周りを見回した俺はぼやいた。


 辺りは見渡せる限りでは等間隔に四角い柱が立っている、ただただ広くて何もない空間が続いているだけだ。


「昔の地下にあったっていう貯水プールみたいね」


 レイルが言う。そうだ、貯水プール……どこかで見たことがあると思ったら。少しは勉強しといてよかった。ここがどんな所なのかがある程度でも分かれば、俺たちは動きやすくなる。


「貯水プールらしいなら、そんなに狭くは無いはずだ。車での移動も出来そうだな。……よし。車で移動しながら調査するぞ。車に乗り込め」


 ロイ隊長が俺たちに指示を出した。


 車に乗り込んだ俺たちは窓の外に目を凝らした。幸い、暗くは無いから車の窓越しでも見やすい。



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