第一話 作戦の開始
結構前に書いたものなので、手直しはしますが拙いです。
ご了承ください_(_^_)_
「いいか、よく聞け。これから今回の作戦を説明する」
俺が所属しているのは軍の特殊部隊だ。
今喋っているのは隊長で、ロイという。ちょっとオジサンだ。歳の割には筋肉もあって、トレーニングを欠かしていないことが窺える。
他にはラキとレイルの二人の女子と俺、そしてもう一人の男のグレイの四人、つまり隊長も合わせて五人班となっている。
「おいラーグ!聞いているのか?」
おっと、そういえば言ってなかったが、俺の名はラーグだ。
「はい、すみません。少しボーっと……」
「もう少し緊張感を持て」
「はい」
素直に返事をすると、隊長はまた話し始める。
「つまりだ、今回の任務は何が起こるか、いつも以上に分からないんだ。くれぐれも注意を怠らないように、な」
「「はい!」」
作戦決行は明日から、かぁ。ふぅん、早く寝よ。
そう思ったのもつかの間、レイルに耳を引っ張られた。
「痛!何すんだよ!レイル」
「今の話ちゃんと聞いてた?今回のは地上と隔離されるらしいよ。何が居るか分からない所に行くんだよ?それから、調査チームは前にも派遣したけど、戻ってきてないって……」
不安そうな顔をするレイルを見た俺は、レイルの頭にぽんっと手を乗せて言った。
「あんま心配すんなよ。みんなで行くんだし」
「そうだね。……今夜はいい夢を……」
「あぁ、おやすみ」
いつものように別れた俺たちは、少しだけ後悔することになるなんてことは、想像もしていなかった。
……あぁ、あの時、もう少しだけでいいから、レイルの言ったことを真剣に受け止めていればよかったんだ……なんて――。
翌朝、俺たちは任務に出発した。
今回の任務を行う場所に着くと、地面にはバカでかい穴が真っ黒く口を開けていた。
まだ昼にもなっていないというのに。
「ラキ、車は下ろせそうか?」
「はい。調査チームが以前に送ってきたデータを見ると、この大きな穴にも底はあるようです」
ロイが聞くとラキが失踪したという調査チームからのデータを見ながら答える。
「そうか。ならばグレイ、特別車の派遣を要請するんだ」
「あっはい、今すぐ行います」
グレイは素直で明るい性格から、先輩から同僚、後輩までから好かれている奴だ。
だが今回の任務は、そんな彼でも落ち着かないらしい。
まぁ、原因不明の調査チームの失踪の話なんか聞いたら、誰だって不安にもなる。
「今、要請をして、念のため三日間の使用と出しておきました」
あぁ、落ち着かなくても気が回る奴だな。
「それで、許可は出たか?」
「はい。最長で五日までなら我々が使用できるようです」
補足説明までしてるし……。俺とは大違いだな。
「あーそれから、お前たちは特別車がここに到着し次第、そっちの仕事をしてもらう」
グレイと違って頭を動かすよりも力仕事が得意な俺と、特車に多少の慣れを持つレイルが仕事を申し渡された。
あぁ、ちなみに言っておくと、俺とレイルは幼馴染みだ。
間もなく、特車が到着した。
「よーしいいぞ、レイル」
特車に吊り上げられるワゴンを括り付けた俺は、レイルに合図を出した。
「はーい」
返事をしながらレイルは一度ワゴンを持ち上げて、穴の中にゆっくりおろしていく。
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