#38 最終決戦
太刀川奏也からのメッセージを受け取り、天条心二達は屋上から出て、急ぎ足で階段を駆け下りていた。
「おい心二!奏也が危ないってどういうことだ?」
いまいち状況が飲み込めない垣峰守郎は少し前を駆け下りる心二に説明を求める。
「テーブルに新着情報が載ってんぞ。太刀川、菜川、橿場とかいう奴が天魔と接触してるみてぇだ」
生徒手帳を見ながら雌龍代音姫は心二の代わりに答える。
「あ!いっぱい情報載ってるよぉ、天魔も残り一体みたい!もう少しだねぇ」
「え、もう二体倒してるんだ⁉︎」
今西優璃が陽炎筑紫の生徒手帳の新着情報に驚いた。
「およ?この子の名前…………」
同じく生徒手帳を見ていた心二の姉、天条紅空は続々と載せられていくテーブルの新着情報に載せられている生徒名に思わず二度見をする。
「確か………………え?」
掲示板にてたった今、衝撃の情報が掲載された。
それは揺るぎもない事実。
紅空は少し後ろで一緒に階段を駆け下りる生徒会副会長、朱緋紗夜に、今しがた入った情報を伝える。
紅空の視線に気付いた紗夜は、紅空が喋る前に何事かを察した。
「……紅空?どうしたんだ?」
紅空は一瞬目を伏せ、ゆっくりと言葉に発した。
「……如月会長が致命傷を負ったみたい……」
「……え?」
悲報はそれだけではなかった。
先頭を駆け下りてた心二はようやく一階に着き、目的地であるテニスコート前へと疾走する。
「心二!」
自分を呼ぶ優璃の声に振り返った。
ただ事ではない優璃の表情が、嫌な予感を想像させる。
「どうしたんだ……?優璃」
恐る恐る尋ねる心二に優璃はすぐさま答える。
「…………礼愛先輩がっ!致命傷を負ったって……」
「……マジかよっ」
コードを展開した矢吹漣夜の手に握られているのは、今までに見たことのないようなものだった。
一見するそれはただの棒。
バトンの様にも見えるそれは間違いなく武器の筈なのだが……。
「んだァ?あのバトンは。今からリレーでもするッてのか?」
「……そんなわけないだろう」
橿場直之の冗談にため息を吐き、菜川李女は呆れ顔を直之に向ける。
「……冗談だろがよ。」
「今だーー!全員で突撃するぞーーー‼︎」
間もなく、漣夜の助太刀に続き、大ダメージを負った青山礼愛、如月雫の仇を取るべく3年5組の生徒達は立ち上がった。
「……おーい、お前らは手を出すな。」
漣夜の一言で、3年5組の生徒全員が静止した。
「青山と如月を離れた場所まで持って行ってくれ」
「……お、おう」
不気味な言葉の重みに彼らは素直に従った。
「わいらも手伝おか!」
「あ、あぁ!」
3年5組に続き、奏也と李女も礼愛と雫の元へ駆け寄る。
唯一直之だけが、その場を動かずずっと漣夜の手に持つ金属製のバトンを見ていた。
「……どんな武器だッてんだ」
漣夜の手に持つバトンから伸びる青い光が、直之の疑問に答えた。
「……さて、と。」
一呼吸入れると、漣夜はバトン……もといビームサーベルを振り払った。
ヴゥゥゥン、と唸りを上げる得物に直之はゾワリと肩を震わせた。
一方、臨戦態勢の漣夜を横目に急いでえっさほいさと負傷した礼愛と雫を運ぶ3年5組の面々。
「……あのさ、オレらだけで大丈夫だぜ?」
そんな学級単位での奪還作業を手伝う奏也と李女に、優しく丁重にお断りする先輩の鑑。
「あ、やんなぁ!ほーやなぁ、うん」
「それよか、早く離れた方がいいぜ」
漣夜に視線を向けながら、冷や汗を流す先輩。
「……マジんなった矢吹は、パネェからな」
先輩の言葉に生唾を飲む奏也。
直に戦った奏也と李女には分かっていた。
ベラゼクスに対する攻撃の手段をたった一人で作ることが容易でないことに。
ただでさえ厄介な鉄壁の蔓攻撃に、殺傷力抜群の尖蔓と呼ばれる一撃。
そして、極め付けが礼愛と雫を完全に射抜いた地面からの不意打ち攻撃。
そんな反則的な攻撃を放つ敵相手に、どう立ち回るか……
「わい、気になります!」
風を切るような俊敏な動きは桜南高校トップクラスの成績を持つが故か。
「……っ!」
「…………」
相対する者同士の鋭い眼差しは、最終決戦の火蓋を切って落とした。
先制は漣夜のビームサーベルの横薙ぎだった。
直之の攻撃を微塵も通さなかった鉄壁の蔓を盾にした防御は、呆気なく崩すことができた。
その勢いのまま、漣夜はベラゼクスの首を落とすべく振り抜く。
鎧に守られたベラゼクスの首は簡単にビームサーベルの粒子が切り裂いた。
重々しい兜は軽々と宙を舞い、コトンと地面を転がった。
頭を失った鎧戦士は、不気味に棒立ちのまま静止していた。
やがて、ドピュドピュとケチャップの容器を絞るような下品な音と共に切断面から赤い液体が噴き上がる。
「うぅ……グロいわ」
「あぁ、気分のいいものではないな」
ようやく終わったかと思われた波乱の交流会。奏也と李女は憔悴しきった顔で空を見上げた。
メキメキメキ…………
確かそんな物音が聞こえた聞こえた時だった。
上空を見上げていた李女の視界に人体が横切った。
「……んっ?」
驚きに見開かれた目が李女に正面を向かせた。
……再びの絶句。
確かにさっきまでは頭部を失った鎧戦士が立っていた場所。
そこには大きな大木が堂々と生えていた。
「菜川!どういうことやあれは⁉︎」
驚愕しているのは李女だけではなかった。
奏也もまた、滝のような汗を流して驚いていた。
「……木?なのか?あれは」
注意深く大木と思わしき大きな物体を見た。
木といえば数多く茂らせた木の葉が特徴的だが、そんなものは茂らせておらず、一言で言うと大きなくぼみが穿たれた枯れ木のようだった。
……いや、そもそもの話。
「倒した首なし鎧の奴はどこ行ったんや⁉︎」
奏也の思いついたようなそんな一言が、再び地獄絵図の始まりを告げた。
「……ひひっ」
不気味な引き笑いが奏也の目の前で聞こえた。
引き笑いの主は鎧を纏いし倒されたはずの天魔族、滅神ベラゼクス本人だった。
「っっなっ⁉︎」
「はい、13人目ぇぇ」
とてつもない大きさの大剣が勢い良く奏也の右肩から左腰を切り落とした。
「……んあ!」
「太刀川⁉︎」
すぐそばで立っていた同級生が、下半身を切り離され、呆気もなく地面へと崩れ落ちた。
「さぁって、14人目」
続いて振り回される大剣が李女の頭部を捉えた。
「……ふわっ⁉︎」
すかさず腰を落とし、即死の攻撃を回避した。
ギョロリと自身の攻撃を回避した李女を虫ケラのような目で睨めた。
鎧兜を被っていたため把握できなかったが、間違いなく目の前の殺戮者は、さっきまで戦い、漣夜に倒された滅神ベラゼクスだ。
兜を付けていない為凶悪な素顔が露わになり、背筋を凍らせる。
すかさず次撃を繰り出すベラゼクスは腰を抜かしてしまった李女に禍々しい大剣を振り下ろす。
「……っっ‼︎」
一瞬の出来事だった。
眼前に迫った大剣の切っ先が右目を貫いた時、大剣が散りのように爆ぜたのだ。
「いっ……」
右目を刻まれ、視界を奪われる李女の片目から見えたのは、やはりあの少年だった。
「菜川!大丈夫か‼︎」
懐かしい、とても懐かしい少年の声は李女に笑顔を取り戻させた。
「……天……条……。」
「右目が……っ、ひでぇ。」
悲しそうな、悔しそうな、そんな悲痛な表情を浮かべる少年、天条心二は両目に闘志を燃やした。
「姉ちゃん!爆弾攻撃で大剣壊せたって事は……」
「うん!特殊攻撃は問題ないみたいだね!」
「心二!ガンガン攻めんぞ‼︎」
ゾロゾロと聞き馴染んだ声が李女の耳に届く。
「紗夜さん!補助魔法頼みます!」
「わかった!」
慌ただしい雰囲気が、ひしひしと伝わってくる。やはり、天魔族はまだ全員倒されてはいなかった。
正確には、残り一体。倒されたはずの滅神ベラゼクス。
何故か蔓攻撃は使っておらず、大剣で力任せに切り裂いていた。
朦朧とする視界で、眼球を弱々しく動かし、周りを眺めた。
辺りには人の腕、頭部、足。
さらには耳や鼻なんかも散らされていた。
「…………。」
一瞬、空を見上げただけのはずだった。
無残な攻撃によって空へ飛ばされた3年5組の生徒であろう人影を目撃し、さっきまでは確実になかった不気味な枯れ木が生えていたり、頭部を切り飛ばしたはずのベラゼクスが何の支障もなく、殺戮を繰り返してる。
さっき呟いた『14人目』の言葉からわかる通り、すでに多くの犠牲者が出てるようだ。
「……おい、あのバラされた奴って……」
ふと近くに作られた血溜まりに転がる上半身と下半身が引き裂かれた生徒を心二の視界に入った。
「……あぁ。太刀川…………だ」
そう、多くの犠牲者が出た交流会。……気がつけば目の前に迫っていたベラゼクスに奏也までもが惨殺されてしまった。
「そん……な。」
バーチャル空間での出来事は例えるなら所詮ゲーム内での戦闘不能を意味する。バーチャル空間でいくら殺害されようが現実の体に影響が生じることは一切ない。
「…………ろす」
「天条?」
しかし、当然ながら……
「…………殺すっっ‼︎」
友達の惨殺死体を見せられて何とも思わないような感性を少なくとも心二は持ち合わせていなかった。
「……ま、待て!天条……」
補助魔法を受けた心二は紅空の爆撃によって離れた位置にまで追いやられていたベラゼクスの元へ猛ダッシュした。
「っておい心二!単独は危険だ!」
守郎の言葉を一切聞かず負傷した李女にベラゼクスを近づかせないため前線で奮戦していた紅空までも追い越した。
「あれ?しんくん⁉︎」
まさか突撃してくるとは思いもしなかった紅空は心二を止めることもできず、あまりに無謀な一騎打ちを許してしまった。
「紅空さん!」
後ろから守郎の紅空を呼ぶ声に耳を傾ける。
「爆弾で殺さない程度に吹っ飛ばしてもオッケーなんで心二のバカを止めてください!」
「ちょーっと難しいかなぁ……。最低でも少なくとも腕一本は飛ぶよ?」
「止むを得ません!やってください!」
「よかねーーーだろが!姉ちゃんやめろよ⁉︎」
あまりに頭吹っ飛んだ会話をする二人に思わずツッコミを入れる心二。
それでも、あくまで心二の心はベラゼクスに対する殺意に満ちていた。
心二を迎え撃つべく大剣を構えるベラゼクス。その表情は新たな獲物をどう切り裂くかを考え、悦を感じてるように見える。
そんなベラゼクスの表情が更に心二の額に青筋を立てる。
やがて交わる互いの初撃。
ガン、と思い切りの力がぶつかった。
「っっうわーっ!」
当然ながら競り合いになることはなく、大剣の力に圧倒され吹っ飛ばされる。
無様に宙へ飛ばされる心二の後ろから援護に来たであろう守郎、紅空が後ろ目に見えた。
「勝手に暴走してんじゃねーよバカ!」
「へ?」
吹っ飛ばされた心二を受け止めることはせず、守郎は思い切り尾骶骨に膝蹴りをかました。
「いっっったぁぁぁぁぁぁい‼︎‼︎‼︎」
続いて攻撃をしかける紅空にベラゼクスは余裕の表情で大剣を振り上げる。
「ひゃぁぁぁ‼︎」
奇声と共に紅空の顔面を完全に捉えた大剣は容易に紅空の顔面を潰した。
無理な着地をしたうえに尾骶骨にヒビが入る勢いで蹴りを入れられた心二は半泣き状態でお尻をさすっていた。
だが、忘れないで欲しい。このバーチャル空間で痛みは感じないということを。
「心二!伏せろ!」
突然の守郎の怒号に心二が首を傾げる。
「なんだよ暴君」
ジト目の心二は守郎の言葉に耳を傾けない。
「いいから伏せろやっ‼︎」
無理やりに頭をぐわしっ、と掴み地面へと叩きつける。
直後、紅空とベラゼクスが戦っているであろう場所から大爆発が起こった。
「え、姉ちゃん⁉︎姉ちゃんが爆ぜた⁉︎」
心二が口をあんぐりと開けて某然とする。
「安心しろ、さっきの紅空さんは滅弾っていう能力だ。爆弾で作られた自身の分身を作り出すモンだ。」
「そんじゃ姉ちゃんは……」
ぽん、と心二の肩を華奢な手が触れる。
「無事だよ☆でも、もう勝手に暴走しちゃダメだよ?」
声音はいつもの明るいお姉ちゃん然とした紅空が一瞬心二に見せた表情に背筋を凍らせた。
二度とそんなことはするな、眉に皺を寄せながら紅空は弟を叱るような視線を向ける。
「……ごめん。もうしないよ」
「ん!よろしい!」
ベラゼクスが爆撃を受けた地面は抉れ、跡形も残ってはいなかった。
「終わったのか?」
「終わった……だろ?」
心二、守郎の全身を疲労が苛んでいた。時刻は丁度お昼ごろの12時過ぎ。
もっとも長く感じた半日だったであろう。
「……っ。まだ終わってないみたいだよ!」
紅空の手元に緑の光が灯ったと思ったら、二つの爆弾を生み出していた。
ひょい、と投げられた二つの爆弾は依然として緑色に発光し、直にものすごい勢いで飛んできた大剣が爆弾に接触し、爆ぜた。
「は⁉︎なんで大剣が⁉︎」
爆風に髪をなびかせながら、心二は大剣の飛んで来た方角を向いた。
「……ベラゼクスが3体⁉︎」
倒したはずのベラゼクスが3体、いたのだ。
「わっけわかんねぇ、どうなってんだ⁉︎」
冷や汗を流し守郎は苦虫を噛んだような表情を浮かべる。
……そして、心二たちを驚いたのはそれだけではなかった。
李女を保護する紗夜、筑紫、代音姫の元に二体のベラゼクスが囲んでいた。
「う……何体いやがんだよ‼︎」
心二は李女たちを助けるべく、彼女らの元に駆けた。
続いて守郎、紅空も後を追う。
ふと走る心二の横目に入ったのは枯れ木だった。
「……姉ちゃん……あの枯れ木、やばいよ」
言われて紅空、守郎は枯れ木へと目を向けた。
「……なるほどね。だからベラゼクスがあんなにも……」
一見すればただの枯れ木。
しかし、枯れ木に穿たれた大きな凹みから得体の知れない何かが生えてきたのだ。
次第にそれは形作られ、頭部、胴体、四肢へと形成していった。
あの枯れ木は、ベラゼクスを量産するための恐るべき悪魔の卵だったのだ。
「私は枯れ木を燃やしてくる。李女ちゃんを頼んだ!」
「「うっす‼︎」」
威勢良く返事をし、李女の元まで全力疾走する。
……だが、そう簡単に心二たちの思う通りに事は運ばなかった。
大剣を飛ばしてきたベラゼクスの軍勢がこちらへ妨害を仕掛けてきたのだ。
投げてきた大剣はベラゼクスが地面を抉り、どういう理屈か、大剣を地中より引きずり出した。
再び武器を得たベラゼクスはものすごい速さで心二と守郎に接近し、切りつける。
「くっそ、邪魔だっっ‼︎」
吠える心二に厭らしい下卑た笑みを浮かべる二体のベラゼクス。
「こりゃ……分が悪すぎるなっ」
守郎にも二体のベラゼクスが囲んでいた。
そんな間にも李女達の元にはベラゼクスの魔の手が伸びていた。
「……え?」
そんな窮地の底に陥っていた心二、守郎は目を見開いた。
二人を囲んでいた計四体のベラゼクスが何者かによって一掃されたのだ。
「だいじょーぶ?」
そんな救世主の内一人が呑気な声音で心二と守郎の身を案ずる。
「……⁉︎」
どこかで見たことのあるような茶髪ショートの女の子の耳からは特徴的な長いチェーンのピアスが垂らされていた。
……確か、交流会開幕前に奏也が一目惚れ……とは言わないが気にしていた女の子だ。
「……あんた確か1年3組の……」
「え?そうだけど……もしかして君たちも?」
コクリと頷く心二と守郎。
その反応を見て茶髪の彼女は微笑んだ。
「へぇ。んじゃ共同戦線て事で!私は草神……」
名乗ろうとしたところで彼女と一緒にやって来たもう一人の男が彼女の垂れたピアスをくい、と引っ張る。
「いたたたたたたたたたたた‼︎‼︎」
本気で痛そうに涙を浮かべる彼女を見て、思わず口を引き締める心二と守郎は耳たぶを押さえる。
「何すんのよこの不良‼︎」
不良呼ばわりされる彼も、心二には認識があった。
こちらも交流会開幕前、その白髪に黒く染められた毛先を揺らす少年。何より鋭い目つきを持つが故に、心二は彼を覚えていた。
「オレは鍼嵩威郎だ。よろしくなぁ」
気だるそうに自己紹介をする威郎。
案外人付き合いを大切にする人間のようだ。
「無視するなぁぁぁぁぁ‼︎」
吠える草神と名乗った彼女は威郎にガン飛ばす。
「さてと、んじゃここら一帯の敵ぶちのめすぜ」
「だから話聞いてよ‼︎」
騒がしい二人に何故か口元が緩む。
血の戦場にいるにも関わらず、確実に流れは人間側に来ていた。
李女たちを囲んでいたベラゼクスもまた、一人の生徒によって一掃されていた。
「……ふぅ、次は……っと。」
ビームサーベルの光の刃を散らし、辺りの敵を光の刃で切り裂いた。
「守郎、あれがさっき言ってた……」
桜南高校戦科ナンバーワンの男、3年5組の矢吹漣夜、その人である。
「そうだぜ、流石に強ぇな」
テニスコート前に集い始めるここまで生き抜いてきた実力者達。
間違いなく、地獄の終わりが近づいてきていた。
……そして……。
「……っ⁉︎」
何かを察知した漣夜はある場所を向いた。
その視線に心二、草神鳴夏が追う。
その先にあったのは、紅空が向かったはずのベラゼクスを量産する枯れ木。
「…………な、なんだ?」
とてつもなく、嫌な予感を心二は感じ取っていた。
「ね、姉ちゃん!離れろぉぉぉぉぉ‼︎」
咄嗟に叫ぶ心二だが、遠く離れている紅空には聞こえるはずもなく、やがて悲劇が起こった。




