彼岸花
小高い丘の上
空では下弦の月が僕と君だけを照らし出す
ここに来るのは今日で2回目
あれから幾年も過ぎ去ったけど・・・
僕は未だにまともに向き合う事が出来ない
本当は昼間に来るつもりだったけど・・・
今の僕にはまだ其処までの勇気がない
ここに来るのも正直・・・精一杯なんだ
見たくも無い現実を突き付けられるから
御免ね・・・寂しい思いさせてしまって
ほら・・・やっぱり駄目だ・・・
泪が止まらないよ
もう君と触れ合う事が出来ないなんて
そう考えてしまうだけで・・・
泪が止まらないよ
君はもう僕に向かって微笑まない
君はもう僕と触れ合う事も無い
解っていた事だけど・・・
それが余りにも・・・
寂しくって辛くって心が痛いんだ
御免ね・・・僕は弱音ばかり言って情けないよ
約束したのにね・・・頑張って生きていくって
でもね
君が居ないと・・・
僕は何も出来ないんだ
僕が僕で居る事が出来ないんだ
君の笑顔の記憶
君の泪の記憶
未だこんなにも鮮明に思い浮かべる事が出きるんだ
零れ落ちてしまった泪と共に幸せの日々まで溢れ出して
ふと見上げた独りの夜空に君の微笑み浮かべて・・・
僕はまた泪を零す
御免ね・・・もう少しだけ此の侭
泣いても良いかな?
明日からはまた頑張るから
精一杯生きぬくから
忘れないよ君との最初を
忘れないよ君との最後を
君の声はもう僕には届かない
僕の声はもう君には届かない
せめてこの僕の想い
届いて欲しい・・・彼岸の彼方に居る君の元へ
もう2度と逢えないのだから