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第8話 『血と光の誓い ― 運命を超えて ―(改稿版)』



紅い光が天を裂き、封印の間は轟音と共に震えていた。

黒き王の力が暴走し、空気が血のように重く濁る。


姫は必死にソラを抱き寄せる。

その身体から放たれる“紅の炎”は、もはや制御不能だった。


「ソラ……このままでは、あなたの身体が壊れてしまう!」


「それでも……守りたい。お前を、そしてこの世界を――!」


その言葉に、姫は息を呑む。

彼の瞳の中に、かつて見た“あの人”の光が宿っていた。


姫は静かにソラの頬を包み、震える声で囁いた。

「ならば……私の血を、分け合いましょう。」


ソラが驚く間もなく、姫は彼の唇にそっと口づけた。


温かい。

けれどその温度の奥に、鋭く刺すような“紅”が混ざっていた。

わずかに流れ込んだ姫の血が、ソラの中で共鳴を起こす。


紅と紅が溶け合い、

二つの鼓動が同じリズムで打ち始めた。


姫の声が、心の奥で響く。

「あなたはもう、半血ハーフブラッドではない……。

 “真なる者”――私と共にある存在。」


その瞬間、ソラの背中に紅い紋様が走る。

それは羽のように広がり、光となって燃え上がった。


黒き王が呻く。

「ば、馬鹿な……! 二つの血が……混ざるはずが……!」


ソラはゆっくりと立ち上がる。

その瞳は紅と白が混ざり合い、まるで黎明の光のように輝いていた。


「これが……俺と姫の“絆の証”だ。

 血に縛られた世界なんて、もういらない!」


紅白の光が爆ぜ、封印の間全体を包み込む。

姫とソラの手が重なり、二人の力が一つになる。


「終わらせましょう、父上――!」


放たれた光は王を貫き、闇を焼き尽くした。

悲鳴も、呪いも、すべてが霧のように消えていく。


そして静寂。

光が収まったとき、世界は朝焼けの色に染まっていた。


姫はソラの胸に顔を寄せ、囁く。

「……聞こえる。あなたの鼓動、私の中の音と同じ。」


ソラは微笑んだ。

「これからも、この音を忘れない。

 たとえ世界が変わっても、ずっと一緒だ。」


二人の間に、風が吹き抜ける。

紅の光が消え、ただ静かな陽光だけが二人を照らしていた。


――そして世界は、再び動き出す。


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