第2話:朝の花園と双子のいたずら
朝の光が、ゆっくりと城の塔を染め上げていく。
鳥たちのさえずりが、まるで新しい命を祝福するかのように響いていた。
姫は寝台の上でゆっくりとまぶたを開ける。
隣ではソラが、まだ少し寝ぼけた顔で寝返りを打っていた。
「……ふふ、寝相が悪いのは相変わらずね」
姫が苦笑しながら毛布を直すと、ふと――
カーテンの向こうから、くすくすと笑う声が聞こえた。
「お母さま、起きた〜!」
「お父さま、まだ寝てるの〜!」
バッとカーテンが開かれ、そこに立っていたのは――
光のような髪と紅い瞳を持つ、双子の子どもたち。
姫にそっくりな少女と、ソラに似た少年。
ふたりは元気いっぱいにベッドへ飛び込んだ。
「うわっ! ちょ、ちょっと待っ……!」
「おはよーお父さまっ!」
「お母さま、お花咲いたよっ!」
寝ぼけ眼のソラは、一瞬何が起きたか分からず、
次の瞬間には二人に顔をペチペチ叩かれていた。
「……いてて……おはよう、二人とも」
「お父さま、また寝てたのね〜!」
「お母さま、きのうみたいにお花の魔法して〜!」
姫は微笑み、窓辺に手をかざした。
すると、柔らかな光が花園へと流れ、色とりどりの花が次々に開いていく。
「わぁぁぁ……! すごーい!」
「お母さま、花が笑ってる〜!」
ソラはその光景を見て、思わず息を呑んだ。
この城も、花園も、そしてこの子たちも――
すべては二人の“心”から生まれた命なのだ。
「……なぁ、姫」
「なに?」
「幸せって、案外こういう朝のことを言うのかもな」
姫は少し照れたように微笑み、ソラの腕にそっと寄り添う。
「ふふ、なら――この世界、もっと幸せにしていきましょう」
「もちろん。だって、俺たちは――」
「――“創造主”だものね」
そのとき、またしても双子の声が響いた。
「お父さまー! 花園にドラゴンがきてるー!」
「ねぇー、乗ってもいいー!?」
ソラと姫は顔を見合わせ、同時に笑った。
「……今日もにぎやかになりそうね」
「あぁ。平和って、最高だな」
朝の陽光の中、城の花園には、
笑い声と生命の輝きがあふれていた――。




