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平穏で忙しい日常と執筆者が不備の塊

愚かなことに初投稿です。頑張って書きます、よろしくお願いします。


1/12 改めて読み返してみたところ。

読みづらさおよび表現方法の不備や、一部登場人物をねじ込む予定となりましたので、改めて書き直しました。

前置き長めです、6話くらいからエンジンかかると思います。


 これはある程度のプログラミングの知識や技術、そして根気があれば誰にでもゲームが作れるようになったちょっと未来のことである。


“この時代のゲームは1つである”


 そのゲームはゲームでもあり開発ツールでもありロビーでもある。

 それはビジネスの場でもあり、教育の場でもあり、あらゆるツールであり、生活の一部となっていた。

 そのツールは、それらはAIに指示することにより最適なアプリケーションを作成してくれる。もちろん好みのソフトウェアやゲームを作ることもできる。


 ゲームを作るときはAIが提案する、好みのテンプレートをベースに、物語の方向性、それらの雰囲気に合わせた時代設定や街並み、敵や味方などをパラメーターなどを指示、または例を挙げてエリアごとに作成する。

 そうして作り上げたゲーム設定は、全体のバランスが考慮され、バランスが崩壊するような突出した仕様は設定できない。

 偶然にもバランスが崩れそうな組み合わせが発生する可能性が計算された場合、AIはゲーム自身を止めずにユーザーに気づかれないようにリアルタイムで徐々に修正を加えていく。

 これらは、初期に作成されたほぼ完成されたコンテンツをベーステンプレートとし、ユーザーが流用・改良して作成していくのが常態的になってしまったため、膨大な量のゲームコンテンツは封を開ければどれもほぼ同じになってしまうという状態になってしまった。

 そのため、これらのコンテンツは製作者とその身内だけでプレイするだけのものとなり、人気や収益性は高くなかった。


 それ以外の作成方法としては、独自に作成した仕様・テンプレートをアップロードして組み込み作成することができ、この場合だけは、突出した設定であっても、ある程度AIが受け入れてくれるのと同時に、全く新しいコンテンツを作成できるというのが強みである。ただし、細かい設定などは実際にプレイ実際にプレイし、内部から修正していかないといけないのである。


 だが、そうやって作成されたものはあふれたAIコンテンツより、かなりぶっ飛んだ世界を創りだすこともできるため、人気が高い。

 そして、これらは新し物好きな配信ユーザーが集まるため、収益性も高い。

 現在ゲームをプレイしているほとんどのユーザーはAIの作り出すぬるい設定より、刺激的でぶっ飛んだ世界でプレイすることにより専用のアバターやコスメを入手できるのである。そして、それらの特別なものは、他人に自慢するのはもちろん、その権利を他人に譲渡して換金することもできるのである。その際に発生する十数パーセント相当が企業の運営資金となり、社員の給料となるのである。


 そんななか、ある1つの企業が壮大なVRゲームの開発に乗り出してきた。


──


 ちょっと疲れた様子で歩く彼は、あるVR企業に勤め、入社10年にもなる社員である。

 彼の名は、藤井(ふじい) (しん)


 背は比較的高いが、運動はいまいちである。入社後は、一般的なプログラマーとして働いていたが、上司が立て続けに辞めてしまい、彼ら上司の尻ぬぐいをするためいろいろやっているうちに効率化を追求し、自分の手を開け、楽になろうとする。

 ある程度自分の仕事を自動化させると、それはそれで余計な面倒ごとやデバッガー、雑務などを頼まれることになる。

 そういった困った環境であったが、依頼されれば何でもこなせてしまうところがあり、部署以外の別の上司や、まったく関係ない営業や顧客から、直接質問や相談、仕事を依頼されたりと、余計な作業が彼のところへ降り注ぐこととなる。


 だが彼は、そういう未知の変な仕事を依頼されたときのほうが楽しいらしく、そういったことが逆に仕事が活力となり、今もまだこの職場に従事しているのである。


 会社に到着するなり彼は、自身のデスクにつき、椅子に座って大きく伸びをする。

 その後、腰痛や腸炎の治療薬である色とりどりの薬をいくつも開封し、8錠ほどデスクに並べると、それを手に取り口へ運ぶ。

 そしてコンビニで買ってきた『エナジードリンクRiver』で一気に流し込む。それが彼の日課である。


 そうしているうちに、開発部長が近づいてこう言った。

「おはよう藤井、明日は前々からプロジェクトしていた、例のαテストをやってみないか?」


 急いで、薬を喉へと押し込んだ。

「ゴホッゴホ。おはようございます。私は別に構いませんけど、この抱えている仕事はどうするんですか。課長は朝礼が終わるといっつもどっかに行ってるし、全然仕事頼める状態じゃないですよ」


 そういうと部長は、腕を組み少し天井を見つめたのち、すこし苛立った様子で俺の方を見た。

「またあの野郎はバックレやがったか。いい加減上司の自覚ってものを持ってもらいたいもんだ。それはそうと、社長から言付けがあって、お前のその仕事は、急遽外注に投げるらしいから大丈夫だって言ってたぞ」


 不安そうに部長を見ながら訊いた。

「ええぇ……。大丈夫なんですか? こんかな仕事渡したら外注死にますよ」


 部長はポリポリと頭を掻きながら俺の方を見た。

「大丈夫だろ外注(あっち)のほうが人数いるみたいだし。社長からは簡単でもなんでもお前に仕事渡しちゃうと、違う意味で会社がヤバくなるからやめろって言われてるしな」


 そういうと、部長は顔を近づけてきて、他人に聞こえないように、ひそひそとささやいた。

(お前が忙しすぎると、質問しづらいからって他部署の連中がからクレームが来てるんだよ)


「そ、そういうことですか……。むしろクレームを出したいのは俺の方ですけど……」

 パチパチとキーボードで入力しながら会話を交わす。


「まぁ、そんなわけで、テストはお前の他にも何人か一緒にやらせるとして、とりあえず、お前のその今の仕事、外注手配用に仕様書つくって、アップロードしておいてくれな。それと、この冊子もテスト前に読んでおけよー」


 部長はそう言い残すと、分厚い冊子をサイドテーブルの端にドカッと置くなり、遥か彼方の自分のデスクへと歩いて行った。


 相変わらず適当すぎるだろ部長も……。みんなも……。

 まぁそれよかもっと酷いのは、即行でばっくれる課長なんだけどさ。

 いつも朝礼終わるとどっかに行っちゃうし、課長をもう少し教育してやってくれよって思うわ。というか、なんであんなのが課長になってるんだか訳分からんわ。

 何でも年功序列にすれば良いってもんじゃ無いぞまったく……。

 そんな愚痴をブツブツと吐きながらも手配用の仕様書を仕上げて、部長のサーバーへとアップロードし、その日の仕事を片付けた。


 そうして、終業時間も終わり帰路に就く。

「はぁぁぁぁ……。気がつけばもう午前1時か……」

 携帯の時計を見るなりつぶやいた。今日はまだ早かったけど、明日はテストだしどうなるんなだろうなぁ。

 そういや他の企業はVRで仕事してるのに、なのになんでウチは未だに生身で出社しなきゃいかんのだ。

 そう愚痴をこぼしながら、いつものコンビニに寄り『エナジードリンクRiver』と、『梅のおにぎり』をだけを買って帰る。


 颯爽と車を走らせ、家路に着く。

 食事を済ませると、ゲームをすることも風呂に入ることもなく、洗面台で吐き気をこらえながら歯磨きをし、すこしぬるい湯で顔を洗った。

 そして真っ黒な着る毛布を着用し、もぞもぞと布団の中に入ると眼鏡を外した。

 一日の中でこのときが最高に幸せだ……、そう思いながらまぶたを閉じ眠りに就いた……。

 その夜は、いつもよりも少し寒く、よく寝れそうな夜であった。


──

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