新しい担任の先生がセクシーバニーガールでした! 一体何を教えてくれるんですかねぇ?(ゲス顔)
──ガラッ!!
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
生徒達が一斉に固まった──!!
「授業始めまーす」
突如現れたバニーガール!! 健全なる青少年が目にするにはあまりにも刺激的な服装は風紀や規律の存在を蔑ろにしており、内なる野生を目覚めさせるかのような雰囲気を放っていた──!!
「あ、あの……!」
固まる教室で、辛うじて冷静さを取り戻した女子の一人が声を発した。
「あ、自己紹介まだでしたね」
バニー姿の女は、細い指で白墨を摘み、薄い筆圧でさらりと黒板をなぞるように文字を書いた。
B 98
W 67
H 93
「今日からこのクラスの担任となります。ヨロシクね♡」
学徒の本懐をぶち壊す程の禁忌を一つぷるんと揺らし、バニー姿の女はピースサインでポーズを決めた。
「なんだなんだぁ!?」
ここで硬派を気取る番長が声を大にした。
「担任のセンコーはどうしたんだ!?」
「七草粥の食べ過ぎでお腹を壊した挙げ句、盛大にゲップしたときに気管に入って、そのまま誤嚥性肺炎を患って、更に咳のし過ぎで肋骨折れてしにかけてますー♪」
「…………」
番長は普段迷惑しかかけていない年寄り先生に、何だか同情をしてしまった。普段の悪行を悪びれずとも、何故か目の前に居る奇々怪々の結果に、担任の並々ならぬ苦労を感じてしまったのだ。
しかし番長はそれでも目の前に居る奇々怪々を納得した訳ではなかった。
「だからオメーは何なんだって聞いてんだよ!!」
「だ か ら 、代わりの先生ですニャン♪」
「名前は何なんだよ!!」
「そうねぇ……」
またしてもバニー姿の女は白墨を摘み、スラスラと黒板に文字を連ねた。
① 橘 優華
② ジャッキー・チ〇ン
③ ブタ子
「どれでしょう、か!?」
──ガコッ!!
番長が思い切り机を蹴飛ばした! 机は前の席の山田の椅子に当たった後横倒しになり、中からくたびれた教科書が散乱し、ハートマークのシールが貼られた便箋が飛び出した。差出人は校内随一の大和撫子で有名な村上葉月ちゃん(二年)である。
「俺はキレちまったぜ!! テメェの事はお望みどうりブタ子って呼んでやるから覚悟しろよ……!!」
番長がバニー姿の女を指差して怒りを露わにした。
「はぁい♪ ぶひぶひ♡」
──トゥンク……
「…………!」
バニー姿の女が鼻に人差し指を軽く当て、可愛らしく豚の鳴き真似をすると、番長は硬派は音もなく崩れ去った。
倒れた机を無言で戻し、教科書をしまい、そしてハートマークのシールが貼られた便箋を、読まずに破り捨てた。
番長が席に着くと、無事に?授業が始まろうとしていた。
「では、授業を始めますね。でも、先生教員免許を持っていないので、皆自習してて下さいね♡」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「──!?」
「ゥス……」
約一名を除き、生徒達は再び混乱の最中に突き落とされたかのような衝撃を受けた。しかし既に番長は陥落してしまい、真面目に教科書を読みつつもチラチラとバニー姿の女を視姦しているので、誰も文句を言うことが出来なかったであった……。
──ガラッ!!
「お巡りさんコイツです!!」
ハゲ散らかったメタボ教頭が、バニー姿の女を指差すと、次々と腹の膨れた警察官が教室へと入り込んできた。
「怪しい不審者め! 美味しい七草粥を作った罪で逮捕だ!!」
「おっと、流石は国家権力。七草粥の足止めもギリギリで効きませんでしたか……」
バニー姿の女を窓際に追い詰めてゆく満腹警察官達。すると、番長が勢い良く立ち上がり、警察官にしがみついた!!
「先生! 今のうちに逃げろ!!」
「コラッ! 君! 離しなさい……!!」
「番長くん……」
バニー姿の女、その隙に窓を割ってベランダへと飛び移った。
「番長くん、僅かな間しか一緒に居られなかったけれど、私を先生と言ってくれてありがとう……♡」
女はベランダから飛び降り、足早に逃走した。番長はその背中をじっと見送り、再会を果たせたら胸の内を打ち明けようでしたそう心に決めたのだった──
「てな感じで、今夜は一戦……どうかしら♡」
「そのブカブカのバニースーツで何をどうしろと? マジで仕事で疲れてるんだから、冗談は勘弁してよ……」
──バタン……
「I want ボンキュッボン……」
現実はそう甘くはなかった…………