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パラレル・エイジ・オンライン  作者: いぬがさき


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お披露目

(小次郎さんに反応している?会敵して顔は合わせてたはずだけど・・・もしかして名前に・・・?)


「ニカさん、そういえば武蔵さんの前で小次郎さんの名前呼んだ?」


「ん〜?いや、呼んでなかったと思うよ」


「マジか・・・じゃあ、やっぱり」



(小次郎さんも名乗ってない可能性が高いし・・・洗脳を解くカギの1つで間違いないな)


ニカの証言を経てユウは「佐々木小次郎」という名前ワードが洗脳を解除する条件の1つだとと推測する


(小次郎さん本人の名乗りが必要?でも、たぶんそれだけじゃないな)


頭痛に苛まれる武蔵を油断なく警戒しながら、ユウは洗脳の解除方法を模索する


(どちらにせよ、小次郎さんや先輩とも合流する必要があるな)



「・・・忌々しい記憶だ」


頭痛から回復した武蔵が何かを振り払うようにかぶりを振る


「そうだ。お前達の国全てが忌々しい・・・俺から・・・奪ったお前達が・・・全てが・・・憎い」



頭痛から立ち直ったにしては武蔵の様子がおかしく、まるで幽鬼のようであったため、ユウは一旦、洗脳解除への思考をストップして、目の前の武蔵に集中した



せざるを得なかった


(この感じは・・・!)



以前、『魔槍・アラドヴァル』を手にした時のアラジンと似た気配を武蔵は発する


肺や心臓を鷲掴みにされている感覚に陥るほどの息苦しい重圧


幻想ゲームだと理解しているのに、現実リアルをも侵食しそうなほど、死の恐怖を纏った殺気


つまり



武蔵は左右の手に黒色の魔方陣を展開して告げた


「飢えを満たせ、『金重兼重かねしげ』」


喚ばれた左右それぞれの愛刀は脈打つように震え、主人むさしの言葉に応える



見た目こそ変わらないが、まるで狼や虎、ライオンといった食物連鎖の頂点に君臨する肉食動物が、獲物を品定めしている時のような、冷気にも似た重圧を放っている



『魔刀・金重』『魔刀・兼重』


イベント残り時間30分を切ったところで武蔵の本気が出た



英敵の本気を確認したユウも、今度こそ出し惜しみなく、スキルを発動する


火竜フレアドラ炎鱗スケイルコート!」



熱量を上げ橙色の鎧を纏ったユウは、同じく黒から橙色へと変貌し、周囲の景色を歪ませるほどの灼熱と化した愛剣を構え、ニカに声を掛ける


「さあ、正念場だニカさーー」



しかし、その声は途中で止まった


ついでに思考や集中力も一瞬止まってしまった



何故ならそこにいたのは重厚な黒騎士ニカではなく



大振りの篭手ガントレットと左だけの肩鎧ショルダーアーマー


スマートな胴鎧にショートパンツを覆う程度のミニスカート型の腰鎧


膝より下を守る脚鎧レッグアーマー


そして、猫耳を模した装飾が施され鼻から下が露出しているベネチアンマスク風の兜



を身に纏った可憐な白騎士ニカであったからだ



戦場、ましてや戦闘中であるにも関わらず、ユウは思わずほうけたまま呟く


「え?なにそれ可愛すぎる」

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