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旅立ち

ー ズガガガガ! ー



ニカの突撃槍ランスが盾ごと『フィジー』の胸を穿つ。



「ちくしょう・・・」



彼のHPバーは消し飛び、悪態と共に光の粒子となって消えた。


襲ってきたプレイヤー1人を倒したニカは周囲を見渡し、もう1人の襲撃者と戦っていたパートナーの姿を探す。



ー キィン! ー


ー ガキィイイ! ー



目的の黒鎧を纏った騎士はすぐに見つかり、彼女から距離をおいた場所で、襲撃者の『アンダル』と激しく武器を打ち合せていた。


黒騎士ことユウは、アンダルの短槍を避けた後、左手に装備している篭手盾オルタナのスパイクで、彼の脇腹を打撃する。



「ぐっ!?」


ダメージは少ないものの、予想外のタイミングで攻撃を受けたアンダルは、体勢が崩れてしまった。


ユウは彼の足をかけて転倒させると、容赦なく腰へと剣を突き刺す。


守りが薄い腰に刃が入ると、急激にHPバーが減少し、先程までに削られた分と合わせて瞬く間にバーを全損した。



「やっぱり強いな」



アンダルは苦笑しながら散っていく。




「お疲れ様、ユウ君」


「ふう。あ、ニカさんもお疲れ様」



ユウが一息ついたところでニカは合流し、お互いを労った。


現実世界ではゴールデンウィーク最終日にあたる今日、花奈ニカとPAOで一緒に行動する約束をしていた大和ユウは、王都で待ち合わせをして、湖のある森林へと向かっている途中であった。



目的はその先にある山脈のふもと


そこには他国の街が広がっている。


王都でのレベリングに慣れてきたユウ達は、新たな冒険を求めて次なる国へと旅立ったのだ。


フィジーとアンダルに襲われたのはその途中、森林まであと少しの場所であった。



「俺のスキルもニカさんみたいな常時発動型が良かったなぁ」


「そう?私はユウ君のような任意発動型の方が必殺技!って感じがして好きなんだけどな」



2人は他愛もない話をしながら、しかし油断せず森林へと足を踏み入れる。



「そういえばニカさんの装備って、前見た時から変わっているよね」


「うん。フブキさんのところでメンテナンスのついでに少しだけ強化してもらったの」



大きく変わったのは突撃槍とブーツだよ〜。



彼女は自慢げにランスとブーツをユウに見せつける。


ブーツには短いヒールがついており、女性的な印象を受けた。


また、ランスについては、長さは以前と同じであるが、全体的に細く鋭くなっており、突進での衝撃より貫通に重きを置いたようにみえる。



(突進の威力はニカさんのスキルで跳ね上がるし、それよりも強固な相手にもダメージを与えるようにって事で選んだのかな?)



ユウは心の中でそう分析する。


いずれにせよ、ランスの選択は的確であり、もし、ニカ自身が選んだというなら、彼女の戦闘センスに末恐ろしさを覚えたユウであった。



「ユウ君の装備も変わったね」


「ああ、俺もフブキさんにお世話になったんだ」



ユウは自分の装備を確認する。


篭手盾オルタナはもちろん、オーバーコートの方も魔石狼の素材を使って強化を施した為、刀身が銀から黒銀へと変化している。


鎧については見た目に変化はないが、同じくオルタナの素材を使用して強化している為、防御力が向上していた。



「レベルも22だし、次の国まで楽勝だねっ」


「ニカさんも20だしな。でも油断なく行こう」


「うん!頼りにしてねっ!」



2人は森林の奥へと足を進める。



森林の王者である『鉱石狼オルフェノ』もニカと2人なら大丈夫だろう。


厄介なのは『魔石狼オルタナ』だが、今日は『ヨイノヒ』でないので遭遇する事もない。



全ては順調。



しかし、ユウは1つ失念していた。


もはやスキルレベルである自身の締まらなさを。


だから気付かない。


このまま順調にはいかない事を。

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