特別幕間 大和のゆく年くる年
今年も残すところ数分、もう少しで新しい年を迎える。
今年は濃密な1年だった。
全ての始まりは、大学入学と初めてのひとり暮らしを期に話題のVRMMO、『パラレル・エイジ・オンライン』をプレイした事だ。
そこで『ニカ』さんをはじめ、様々なプレイヤーや『火竜姫リングレット』といったNPC、または『桃太郎』達、英敵と出会った。
彼らは味方であれ敵であれ魅力的なキャラクターであり、いつか彼らの強さに追い付いて対等に戦い合う事が、俺の目標の1つとなっている。
また、現在に至るまでPAO内で様々なイベントやトラブルが起こり、その都度、仲間達と共に乗り越えてきた。
PAO内における全ての出会いと出来事はかけがえのないものであり、そのおかげでPAOでも現実世界でも、強く成長する事が出来たと思う。
特に火竜姫リングレット、『リン』には感謝している。
突然の出会いと宣告に戸惑いはあったものの、リンの案は刺激的で魅力的だったからすぐに受け入れ、【火竜姫の騎士】となってからは強くなる助言や特訓を付けてくれた。
彼女の特訓は厳しく幾度となく殺されているけれど、学ぶ事も多く、その成果はモンスターとの戦闘やPVP、イベント戦等で活かされている。
リンとの出会いが無ければ、ニカさんやアーサーさんとの出会いもなく、1プレイヤーとして埋もれ、こんなに濃い日々を過ごす事はなかっただろう。
出会ってから半年以上経った現在でも、定期的に廃神殿へと拉致られ、地獄の特訓を受けているが、今ではコミュニケーションの一環として捉えて、徐々にではあるけどリンと何号か打ち合う事ができるようになってきた。
もうじき迎える新年では、更に打ち合えるようになりたい。
そして、彼女との約束、国造りも進められるように。
現実世界にあるどの物語でも、また、どのゲームにおいても、『竜』は畏怖されている最強のモンスターであると同時に、英雄ないしプレイヤーに倒される事が約束されている悲劇のモンスターだ。
もちろん、火竜姫であるリンもそう運命付けられているだろう。
でも、リンはその運命を拒否した。安息の地を願った。
なら、彼女の騎士である俺は、その願いを叶えるだけだ。
所詮はゲーム。失敗しても何もない。
でも、俺は彼女との約束を果たしたい。
たとえゲームだとしても、彼女の願いは本物だからだ。
今年も残りわずかから残り数十秒。来年は飛躍の1年となるよう頑張りたい。
カウントダウンが始まった。
ーー 3、2、1、新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。




