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ガジェット・ソルジャー ~お兄ちゃん~  作者: DJ.S(サファイア)
7/8

その5

この日の夕暮れ 

天野学園の玄関で進が履き替えていると、またも笠松に捕まる

「やい皆実進!」

「今度は玄関から。」

「また俺と勝負しろ!」

「・・・山羊松くん、昨日はオズに散々やられてたのによく来れたね?」

「だから違うって言ってんだろ笠松だよ!」

「あっ!」

「あっ!じゃねぇよ、取りあえず昨日は、オズが乱入してきて決着付けられなかっただろう?」

「うん。」

「だから今度こそ、お前にトドメを差して気持ちをスッキリしてぇんだよ!」

「その先に待つ皆実の連絡先目当てでは無いの?」

「ち、違うわいっ!」

笠松は顔を赤くして誤魔化した。



その後結局進はまた合鍵を使い笠松を連れてカーニバルの中に入りルームを使う事となった。



ガジェットステージ1‐3 森林の中にあるフォレスト・インサイド花園(・ガーデン)

そのステ―ジに転送されて進の顔が緩む

「おっ、懐かしいステージだ!」

「よそ見してんじゃねぇよ進、さっさと終わらしちまおうぜ?」

「はいはい・・・ん?」

進がゲームを始めようとすると、康介からガジェットに電話が掛かってきた。

「はいもしもし?」

『進くん?またガジェソルやってんの』

「御免ねパパ、また妹のストーカーに捕まっちゃったのよ。」

「そ、そう?それより今日はカレー作ったから早めに帰って来てね。』

「ハ~イ」

『それはそうと結は一緒じゃないの?』

「いや・・・僕が玄関居た時には既に外靴なかったしもう帰って来るとは思うよ?」

『そんな血の繋がってないからって・・・・まぁ帰ってきたらまた教えるわね?それじゃ!』

康介との通話が切れると、進は笠松の方を向いて「御免、それじゃあ始めようか?」と言おうとしたが、しかしどうも笠松の背中から、禍々しい気迫のオーラが流れている為に口が止まった。

「・・・ん?」


「妹だと?・・・しかも、血の繋がらぬ妹だと?」

「あっパラドさん、ひょっとして?」

「はい、少し通話の音声が漏れていたようです?」

「やっべ、結になんて誤魔化そう。」

進がそう言って額に手の平を当てたその時、笠松が突然に大声で叫ぶ。

「上等じゃああ、お前懲らしめてやるぅ!!」

そのせいで森の枝に止まっていた小鳥たちが逃げ出してしまった。

「いやまだ何とも言ってないよ?」

『無駄です進さま、彼に今は何も聞こえません。』


「ガジェットォ、オン!」

『OK!ガジェットオン!』

笠松は少し乱暴にガジェットの鍵穴にキーを入れて回した。

『忘れられし闘う牛を、アバターインストールします。』

笠松の今の脳内は血の繋がらないで連想したよからぬ妄想と、なかなか結の連絡先が聞き出せないストレスで一杯だ

それがとても伺える程にいきり立っており、今にも襲いかかってきそう

「グルルルル・・・ブラァ!」


しかし逆に進は平然としている。

()()()()()()()()()()()()()()、こちらもいくか・・・ガジェットオン!」

『OK!ガジェット・オン』

進は笠松と同じくガジェットにキーを差し込んで回し、桃の戦士に変身する。

しかし刀を引き抜いた途端に思い切り不意に突進されて勢い良く拳を当てられてしまった。

「うおりゃあっ!」

「ぐっ!」

そして思い切り後ろの木に激突してその次に体を軽く回した鋭い蹴りを左の腰にお見舞いされては進、高速に回転しながらまた後ろに飛ばされてしまう




木々の景色が晴れ、その先は崖かと思ったが・・・・綺麗な湖だった。

ガジェットステージ1‐4 天然の(オーシャン)


「プッハァ・・・・くっそ、なんて破壊力。」

『モンスター系のアバターは、パラメータのパワーが兎に角異常な者が多いし更に独自の自己再生が付与するなかその分スピードに欠点あるのが、多いです。』

「っ!」

『貴方初めての時、無意識に開いたヘルプの文章の一つです。油断しましたね、進さま。』

「いや油断と言うか何故だろう、他にも理由があるような?」

『洞察力があるのに、何処か残念。それが、皆実進ですね?』

「いや本人に言うセリフじゃないよそれ?」

そう言って湖から起き上がると丁度笠松が湖ギリギリの所に現れた。

「ブルルル・・・ウラァ!!」

もう彼は、ただの牛でしか無い

しかしその時、そんな笠松をあのビームが上後ろから後頭部へと襲う

「『星屑の(スターダスト・)破壊(インパクト)』!」

「またこれかよォォォォォォ・・・!?」

『ソルジャーネームSASAMATU気絶、ログアウトします。』

笠松が人という自我を取り戻したが最後、砕けた宝石のように消滅してしまった。

「っ!?」


「何が起こった?」

進が何回か瞬きしていると笠松が居た所にオズが着地した

恐らく木の上からこちらの戦いを覗いていたのだろう

「また助けてくれたのか?」

進がそう錯覚したその時、

するとオズがこちらに小さな声で言う

「全く、油断して強い一撃をくらうのはあの頃から変わってないね?」

「えっ?」

「情けないよ、兄さん。」

オズはそう言いながら右手で帽子を取り胸に当てた。

「えっ?」

その帽子の内に隠していたであろう草色の長髪とその額から二本の触角らしきものが飛び出す

「冬をさ迷うキリギリス!・・・・と言うかその髪型、もしかして?」

「そうよ兄さん、ここでは久し振りと言っておくべきかしら・・・・皆実結ただいま見参!」

オズ、いや結がそう敬礼すると進は彼女の予想を上回る程に驚いてしまう

「ゆっ結!・・・・・ええええええええええええええ!?」


驚愕する進の悲鳴は、またもや小鳥達を驚かせてしまった。

するとパラドから連絡が入る

『進さま、マスターからお電話です。』

「繋げて。」

『了解。』

進の目の前に横長に『SOUND ONLY』と書かれたパネルが表示される

『・・・進ちゃん、結が帰って来ないの!』

「そうなんだ?」

『スマホに掛けても全然繋がらないのよ。』

「ガジェットに掛けたら?」

『それが受信拒否されてるみたいで・・・悪いけど探してきてくれる?』

「・・・その必要は無いよパパ」

『え?』

「だって目の前に居るもの。」

『目の前って、一体どういう、』

進はそこで手の平でパネルを横に掃い康介との通話を切った。


「良いの?お父さんに怒られても知らないよ」

「そんな事はどうでも良い、どうせ居場所をマークしてもうすぐこっちに来るさ」

「ふ~ん?」

「多分、咲子さんも一緒!?」

進が咲子さんと言った途端に結は一瞬でこちらに銃を構えて発砲し、弾はその彼のこめかみを掠めて通り湖の中に入った。


進はその弾丸が潜った辺りを見た後、静かに結の方を見直しながら問う

「結、お前がオズってどういう事だよ?」

「・・・・」

「お前は、竹取姫じゃなかったのかよ!?」

「・・・・」

「なぁ結答え、て?」

オズの銃から突然、また弾が発射されてまた同じ湖の下に埋まった。

「黙って私の話しを聞いて」

「は・・・はい。」

結は銃を下ろすと静かに理由を話す。


「嫉妬していたのよ、兄さん貴方にね。」

「えっ僕に?」

「貴方は、小学校の頃から身体能力も良く、中学に入ってからは知能数や学習能力も上げてガジェソルじゃなくでも皆を驚かせた。」

「4文字を超えた用語を覚えられないのは全然直らなかったけどね。」

「まぁ、良く言われる。」

「良く言われるじゃないわよ!」

「ひっ!?」

「それで貴方は沢山の人に褒められて沢山の人に囲まれた、けど皆に囲まれたその分私といる時間が少なくなった、それって何かの不公平でしょう?!」

「そ、それは」

「私はまるで・・・まるで、アリに見放され捨てられたキリギリスのようだわ」

「・・・・・」

進は言い返せず、諦めたように下を向いた。


「今年に入って高校の入学式、私は玄関に貼られていたボードで貴方と同じクラスになれて嬉しかった。」

「うんそれは先生に聞いた。」

「しかし!・・・貴方は入学式に来なかった。」

「その翌日も、明後日も明々後日でも・・・結局一週間も来なかった。」

「・・・・」

「それがショックで、私は学校を休んだわ。」

「っ!?」

「そして一週間後、オズには偽の姿がある事から私はキリギリスの衣装に魔法使いの帽子を被せて良からぬユーザーを懲らしめ、自らその名を『オズ』と呼んで広めたわ」

「そうだったのか。」

「そしてそのまた一週間後、それを心配して父さん、いやパパはあの人を家庭教師に雇った。」

『父さん』を『パパ』と変換した時点で今まで無理していたのが進にも分かるし伝わってくる

「あの人って、咲子さんの事?」

進は重くなった口を開いて聞くと、結はすんなりと頷く。

「それがまた地獄の始まりだった、あの人はちょっと解からない事があると筆箱などをぶつけてくるの」

「最近では兄さんが持ってきてくれるご飯を食べ、私はその残飯を食べるしか出来なくなった。」

「何と!?」

「体罰に関しては実際に学校に通っている人に越されない為だとか言っていたけど、その事実が昨日語られたの」

「・・・?」

「昨夜にあの人はシチュー塗れの口周りを舌で舐めずりながらその先端で指先を舐めながら入って来たわ」

「登場の仕方が斬新過ぎる!」

『進さまシーッ、です!』


「そして今日の勉強が終わると、急に私の胸くらを掴んでベットがある後ろ側の壁に激突させたのよ。」

進はハッとなって気がついた。

(あのパラドさんとドガンはそのドガンだったのか!?)

進が段々と『やっとエンジンが掛かった農作業車』のように冴えてくるなか、結は続ける

「そしてあの人は投げ飛ばした手の平を顔の近くに寄せながらこう言ったわ」


『やっぱり貴方に暴力を加えると気分がスーッとするわ』


進の血の気が引き、そのコメカミには血管が薄く浮き出た

そして結は続ける

「そしてでんぐり返った姿勢の私に告げた・・・私はパパと結婚するって」

「・・・結。」

「これでもっと貴方に()()()()()が出来るってそれが何よりの喜びだって!?」

結の瞳の下から小さな水玉の粒が地面に落ちるのが解かる

「そう言ってあの人は去って行った後、私の心はもう完全に壊れてしまったわ」

「それはもう冬の外を歩き今にも死にそうなキリギリスの・・・そう今の恰好がそうよ。」

結は大きく両腕を広げて見せびらかす

「・・・・」




進はショックを受けた表情で激しく後悔した。

結が『アリとキリギリス』に登場するキリギリスのように、凍えて生活しさ迷っていた事に気が付けなかった自分が悔しく感じ始めたからだ。


結は腕を下ろして一言言う

「私は、もう現実の世界には一生戻らないわ」

「何っ!?」

「キリギリスは蟻に見捨てられた後、寒く凍えた世界をさ迷って終わるでしょう?」

「う、うん。」

「生きる気力を無くしたこの私に、元の世界に居る事は出来ないわ、だから潔くもう誰の目の前に現れる事も無く、死ぬ事にしたの」

「えぇっ?」

結は胸に手の平を当てて説明したが、進には理解出来なかった。

「だからもう私の事はもう忘れて?」

「ゆ、結!」

「さようなら、お兄ちゃん。」

「待てよ結!」

進の静止も聞かずに結が後ろを向いて今に飛び立とうとしたその時だった。

「シャーッ!」

突然木々を押し倒され、そこから巨大な二股のアオダイショウが現れる

「・・・え?」

結の涙が止まり一瞬その目が点になり体が固まってしまった。

そのアオダイショウの左の頭はお構い無しにと結に襲いかかり胴体を強く噛んで持ち上げた

「しまった!」

そしてもう一つの頭が襲いかかろうとした・・・・が



「『双鬼(そうき)l一線いっせん!』」



その首が一瞬にして進に斬り落とされ、地面に落ちては転がるように湖に落っこちてしまった。





もう一つの方の首も斬り落とされたが、その頭は結を咥えたまま湖に・・・


進は地面に着地した後刀の刀を持って肩に乗せながら何事も無かったかのように立ち上がった。

「・・・・ふぅ。」

結の方は消えた蛇の頭からやっと解放されれると、水面から胴体を出した。

「・・・何が、起こったの?」

御免なさい

最終回はまた次回です。


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