1 決戦前の朝食
突然書き方を変えてすみません。
目が覚めるとそこにはまたも見慣れない木の天井があった。
体を起こして周りを見渡す。隣のベッドではいまだに寝息をたてている響の姿があった。
「起きろ、朝だぞ。」
俺が体を揺すると昨日と同じように目を擦りながらモソモソと起きる。
「・・・おはよう、カズハ。」
「あ、ああ。おはよう。」
朝の挨拶にいまだに慣れていないようで俺は言葉に詰まる。
「顔洗ってくる。」
「ああ。」
そういって響は洗面台の方へ歩いていった。
「・・・慣れないな、他の誰かと迎える朝ってのは。」
機械だったガリアとは違って言葉に出来ない緊張がある。
「俺も仕度するか。」
あの世界を出てから独り言が多くなっているような気がした。
響も身仕度を整え荷物をまとめていると部屋の戸が叩かれる。
「あのー、朝ごはんの用意が出来たのですが・・・」
扉をゆっくりと開けてフィールはそう言った。
「わかりました。荷物をまとめたら下に行きますので。」
「い、いえ。持ってきたのでここで食べましょう。」
扉が完全に開かれるとそこには三人分の朝食が乗った台車があった。
「え、ここでですか?」
「はい。女将さんの許可も取ってきました!」
とても楽しそうにフィールは笑った。
「じゃあ、いただけますか?」
「はい!、今準備しますね!」
そう言うとフィールは台車に乗っていた料理を部屋にある机に並べていく。
メニューはパンと野菜のスープとサラダという朝食にしてはとても豪華なものだった。
「どうぞ、召し上がってください。」
「では、いただきます。」
「・・・いただきます。」
俺と響は朝食を黙々と食べ始める。
美味しかったが、正直そんなことを言える余裕は今の俺にはなかった。
気がつくと俺はすでに目の前にあった朝食を食べきっていた。
「・・・ご馳走さまでした。」
「お粗末様でした!」
フィールは俺が食べ終わったのを見て満足げにそう言った。
響が食べ終わるのと同時に「食器を片付けますねー」と言ってフィールは食べ終わった食器を台車に乗せる。
「それでは、チェックアウトの手続きは下のカウンターで行ってくださいね。」
そういってフィールは台車を引いて俺たちに背を向けた。
「あの、なんで俺たちだけ朝食が部屋だったんですか?」
俺は最初に思ったことをフィールに聞く。しかし彼女は答えるどころか振り返りもしない。
その後、扉を出るときにフィールは立ち止まって振り返らずこう言った。
「・・・最後にカズハさんたちとご飯が食べられて嬉しかったです。ありがとうございました。」
そういって彼女は部屋を出た。
さっきまで不機嫌そうにしていた響もフィールの様子にただ扉を見つめて固まっていた。
彼女の残した声はどこかとてつもなく寂しそうで、俺の頭のなかでただただ反響していた。
どもども、神刃千里です。
さて、今回から書き方を変えました。
これは更新するスピードを上げるのと僕の集中力の維持が目的です。
正直僕はアホみたいに多趣味でして、時間がいくらあっても足りないのです。(勉強もありますし)
というわけで今回から他の方と似たような出し方になるかと思いますがどうかよろしくお願いします。
・・・あ、これからはあとがきも短くなるかも知れないです。