ブリーフィング
前回の予告とは違う話になってしまい申し訳ありません。
書いてたら間にこの話を入れた方がいいんじゃないのかなと思い変更しました。
今更なのですがブックマークして下さっている方々有難うございます!
不定期投稿が続きますが完結まで書いていこうとがんばります!
ブリーフィングルームに向かう途中でのこと。
「ところで隊長」
「なんだ天城」
「本日の飛行プランも軍閥偵察なんですか?」
隊長はついさきほどこれから軍閥偵察のためのブリーフィングをすると言っていたのを思い出す。
「予定ではな。北京と天津の偵察になっていた」
北京と天津。
世界初の核戦争こと第三次中華戦争にて核攻撃を受けた都市だ。
戦争前は共産中国の首都と世界有数の工業都市として栄えたが、今ではただの廃墟になっている。
放射能除去技術の進歩で濃度を下げることはできてはいるので除去作業をしていたのだけど中国大陸東部最大の軍閥[済南軍政府]の支配下に入ってしまい作業は中断。放射能は最初と比べて低くはなっているけど安全地域と比べてまだ高い状態だ。それでも軍閥は支配し続け武器の生産や付近の鉱山で採掘を続けている。
「いつも思うこと言っても宜しいでしょうか?」
まだデコピンされたところが赤い海藤が不満そうな顔で言う。
「いいぞ」
「毎回偵察は何で有人機を使用するんですか?本土みたいにグローバルホークとかUAVを使えばいいじゃないですか」
海藤が言うことは俺も聞きたい。
俺たちは戦闘機乗りだ。対空、対地、対艦攻撃なら出番だがただの偵察のみならUAVがいい。
「それができないんだ。UAVは機密の塊ようなものだからな。撃ち落とされて回収されて使われるのはかなわないからな」
「だったらなんでUAVを導入したのやら」
不満を言う海藤。導入はしたが駐留航空団ではあまり使われていない。
使わない訳ではないが、隊長の説明のように機密の塊のUAVが落とされて回収、解析されたらUAVの情報が流出しまう。この他に遠隔操作のUAVは操縦者にとって負担が大きい問題がある。
安全な本土から戦場にあるUAVを操作してモニターを介して偵察、時として攻撃もする。
この戦場と安全の本土の差が操縦者の精神的な大きな負担となっている。
「導入云々の事は上の人が考えることだ。さぁ着いたぞ」
目の前のドアを開けて室内を見て俺たちは目を疑った。
バンシー小隊は四人。ここに隊長、俺、海藤の三人がいるからブリーフィングルームには柊中尉だけがいることになる。
なるのだけどもドアを開けた途端に大勢の目がこちらを見ているのだ。
えぇ~と俺たちなんかやっちゃったのかな?
明日から新年。今年最後の投稿ですね。
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