続々 月明かりの夜に
数年の月日が流れ
戦争で泣いていた少女は
自らを大人にした。
少女だった彼女は何でも奪える怪盗を魔法陣で呼び出し過去の約束通り寿命を奪ってもらった。
「これで君の寿命は奪ってあげた。いいかい?決して生きることを忘れちゃダメだよ。」
怪盗は、重々しく彼女に言った。
「もちろんです。」
彼女はすぐに答えた。
「安心したよ。君は、あの時よりいい目をしている。その眼差しを奪ってしまいたい程にね。それでは、僕は帰るとするよ。」
怪盗が指を鳴らすと怪盗の後ろに扉が現れた。
「ありがとう。怪盗さま。」
彼女はそう言った。
「さようなら。失いし君よ。」
怪盗は、そう言うと
「さようなら。奪いし君よ。」
彼女は、そうこたえた。
※誤字脱字はお知らせください。