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第6話 突入

お気に入り登録の数が100名を越えました。

ありがとうございます。

引き続き第6話をお楽しみください。

 地球の時間で言うなら朝の8時頃だろうか。

 勇人、レイラ、ニーナの3人は森の中にフル装備で突入し、昼過ぎまでは入れるようにしている。ギルドから貰ったカバンにいつも食べている昼飯を詰め込めば、それで終わりではあるのだが。

 とにかく、3人は今日こそモンスターを倒し、持ち物を奪わないとどんどん厳しい状況に追い込まれ、最後には餓死するという結末を迎える事になる。『挑戦者』として、そして『傭兵』として生きているにも関わらず、その最後が餓死では締まらないだろう。死に行くつもりはサラサラないが、そう言う思いも若干は3人にあった。


 森の木々は蒸散を活発に行い空気はうるおいに満ち満ちている。光合成もちゃんと行っているので、酸素濃度も高く、空気がおいしい。先日は気づかなかったが、人類としてはぜひこういう場所が欲しいのではないかと思う勇人達である。

 ゆっくり歩く速度で周りを警戒しながら歩く事1時間。ここまでは何事も無く歩いてきてしまったが、ここでようやく敵を見つけた。


 全員茂みに隠れて作戦を立てる。


 「あれ、子供だよな?」


 小川の傍にゴブリンがしゃがんで何事かやっていて、その場から動いていない。あまりダラダラやっているとこのチャンスが無くなってしまうので、早速攻撃を開始する事にした。


 勇人はゆっくりと立ち上がり、音をたてないように背中を向ける子供ゴブリンの背中を弓で狙う。『七節』の時間消費を恐れ、通常攻撃で矢を放った。


 まっすぐ飛んでいく矢はゴブリンに当たるかと思われたが、ゴブリンの手前の地面に刺さるのみでダメージを与える事が出来なかった。

 勇人は攻撃の失敗に残念がる様子は無く、3人はそのまま子供ゴブリンに突撃した。

 『七節』を使わない射撃では、勇人はまだ止まってる的でも当てる事は難しかった。1週間でそれは改善する事は出来ず、攻撃が失敗しても全員は突撃する事を決めていた。

 ただ、攻撃が失敗したのは初めての戦闘と、緊張もあっただろう。勇人もそれを自覚しながら短剣を抜きはなった。


 「ゲバ!?」


 突如尻のあたりに矢が突き立ったことで、子供ゴブリンは大変驚愕して辺りを見渡すとこちらに向かってくる人間を3人補足した。

 まずは勇人から駆け出し、一番早くゴブリンと接敵した。

 ゴブリンは何も武器を持たず、徒手空拳で戦う事を余儀なくされていた。さらに防具も全く無く、腰布一枚というほぼ裸の状態で戦闘をする事になったのである。


 「ハァ!」


 「ゲェ!」

 

 ゴブリンは振り下ろされる短剣を後ろに下がって避ける事は出来なかった。背後には川を背負い、後ろに下がれば足を取られてしまうからだ。必死に勇人の脇を通り抜けて逃げようとしたが、後ろから来ていたレイラにそれは防がれてしまった。


 「ハァ!!」


 『打突』で突き出された錫杖の先端が、ゴブリンの胸元に襲い掛かったが、これを辛うじてゴブリンは両腕で防いだ。しかし、身長100cm程度の子供ゴブリンでは身長差から発生した衝撃を緩和する事は出来ず、その場に足を止める事になってしまった。

 後ろには勇人、前にはレイラとニーナが立ち塞がり逃げる事が出来ない。

 ゴブリンは首を前後に忙しなく動かし、どうにか逃げようとするが3人はそれを許さない。


 「オラァ!!」


 突如大声をだし攻撃を仕掛けてきた勇人であったが、ゴブリンはいち早く反応して横に逃れた。

 そのまま走り逃げようとしたが、少女の魔法はそれを止める事に特化していた。


 「リース・ディ・タップ・ブイオ!」


 いつでも打てるように準備していたニーナは素早く詠唱して、杖の先端から『瞬きの静止』(ストップ)が射出された。


 「ギッ!??」


 肩に当たった『瞬きの静止』(ストップ)は走り出していたゴブリンの腕の振りを止めており、ゴブリンは重心がずれてしまい、転倒する寸前まで行った。

 その隙を突きレイラが錫杖でゴブリンの首元を打った。


 「ゲェァ!!」


 攻撃を受けたゴブリンはよろめきはしたが、レイラに不安定なまま反撃を開始した。

 腕を我武者羅に振り回し、レイラから距離を取ろうとする。息もつかず腕を縦に横に振り、その腕が当たりレイラは一歩退く。

 ゴブリンは肌が緑なのに、顔が赤る成るのが分かる位まで必死に抵抗を試みる。 


 「うっ……」


 ゴブリンのあまりの抵抗にレイラは怯んでしまうが、勇人はほくそ笑んだ。

 チャンスだ。脅威をレイラに感じ取ってる。錫杖の攻撃が相当痛かったに違いない。刃物を持つ俺より錫杖と言うのは悔しいが、攻撃を当てていないからどうしようもない。

 勇人はニーナに目配せすると。ニーナはすぐさま詰みの一手を放った。


 「リース・ディ・タップ・ブイオ……」


 ニーナは本当に聞こえるか聞こえないかギリギリの声で詠唱を完了して、『瞬きの静止』(ストップ)を発動させた。

 黒球の発射と同時に勇人も駆け出し、未だ無茶苦茶に腕を振る子供ゴブリンに近づいた。そして腕の弾幕に『瞬きの静止』(ストップ)が激突すると、ゴブリンの腕は止まり防御の幕が無くなった。


 「ラァァ!」


 横薙ぎに振るわれた『腹裂き』が、ゴブリンの腹を横一文字に切り裂き、大量の血が溢れ出す。


 「ギイイイイィ!!」


 一拍遅れて絶叫するが、すぐにその声も止まった。勇人はそのままゴブリンの首に短剣を突き刺し、嫌な感触を味わうが、それで終わりだった。

 重要な血管が傷ついたのか、傷から湯水のように血が溢れ出し、腹の傷とも相まってゴブリンの血が急速になくなる。

 ゴブリンは痛みと失血で立っていられなくなり、自分で作った血の海に沈んだ。それでも腕だけで勇人達から逃げようとしたものの、そこで体力・生命力の限界が訪れ、二度と動く事は無くなった。


 全員が倒れ伏したゴブリンを見つめる。命を懸け争った形跡がそこにはあった。


 「……私、こんなに必死に抵抗してなかった」


 レイラは2週間前のゴブリンに襲われた事を言っている。

 あの時は両手を拘束されただけで、両足は自由だった。傍にはニーナもいた。だが二人はその現実の前に膝を折り、頭を垂れて運命を享受するだけだった。

 対して今目の前に転がるゴブリンはどうだっただろうか。レイラと何か違っただろうか。むしろ命の危険が差し迫っていたのはこっちのゴブリンだ。凶器を持った人間が3人がかりで襲ってきたのにもかかわらず、反撃してでも逃げようとした。


 必死さが俺達には全く足りていない。修行と言いながら笑ってやっていたし、ここまで来るのだって談笑していた時もあった。まったく安全が確保されていないのに、俺達は何をやっているんだ。戦い方にも問題があったかもしれない。余裕があったなら喉から潰すべきだった。もし近くに大人ゴブリンが居たらすぐにここに来ていたはずだ。子供ゴブリンにすら苦戦するのに、大人なんてまだ無理だ。レイラとニーナも黙ってしまったが、ゴブリンを一身に見つめて何か考えている。こんな光景を見せられてどうかとも思うが、そんな事を言っている場合じゃない。ここが転換点だと思う。ここで意識を変えないと近いうちに死ぬ。命を奪いに来てるんだ。俺がやられるならどうする。死に物狂いで抵抗する。緊張うんぬんで矢を外すなんて以ての外だ。止まってる奴には当てて当然。それくらいの意気込みでやらなきゃダメなんだ。何勝手に外した前提で行動してるんだ。死ね。アホか。一発で殺せ。何のための遠距離攻撃なんだ。人類最強の攻撃方法だぞ。一方的に攻撃できる方法だ。魔法なんて元の世界には無かったから、この世界では違うかもしれないが、物理攻撃は矢が最強のはずだ。絶対そうだ。あの弓使いを思い出せ。『七節』を使って居た筈だ。基本にして奥義。奥義にして基本。弓を使う時は『七節』を嫌でも使うべきなのかもしれない。あの人は『七節』を一瞬で完了させていたのかも。違うかもしれないが、こっちが有利なら『七節』は絶対有効だ。


 『七節』で殺傷して、その後『腹裂き』で止めを刺す。


 『七節』ありき。全ての技は『七節』の後で行うくらいの意気込みで。もちろん、状況を鑑みれば、『七節』を使うタイミングでない場合もあるから、そこは臨機応変に動くべきだ。

 とにかく『七節』の命中率の向上と発動時間を短縮する事が重要になる。もちろん『腹裂き』も疎かにはしない。接近戦をできるのはこの中では俺だけだ。何かあれば俺が壁にならなければならない。


 どれくらい固まっていたのか、ようやく意識が戻ってきて二人の顔を見るとさっきまでとは別人のような態度になっていた。キリッとして一本芯が通ったようになっている。俺が何かしら思ったように二人も思う所があったのだろう。

 3人は意識を切り替えると、死体の持ち物を漁った。そうは言っても腰布しかない。と、思われたが内側に袋が縫い付けられていた。中身を見てみると硬貨のような物が出てきた。それによく分からない骨。それと木の実。あとはゴミだ。


 「ゴブリンの貨幣なのかしら? これが売れるの?」


 「分かんないね。全部貰って行こうよ。もしかしたら高いのかも」


 「調べとけば良かったな」


 腰布から袋を剥ぎ取り、勇人のリュックの中に詰め込むと次の行動と決める事にした。流石に小川の近くでは目立つので、茂みまで移動して隠れて話す。


 「ここで待ち伏せしないか?」


 「探しに行かないの?、ユウトさん」


 今まで森の中を移動していたため、定点狩りするのにニーナが疑問に思ったようだ。


 「成程。他のゴブリンもここを使うかもしれないわね。それを狩るのね」


 「そう言う事だ。死体を隠して川から離れて見やすい位置に陣取るぞ」


 さっきまで居た所まで戻って、ゴブリンの死体を川に放り投げた。川が赤く染まりゴブリンは下流に流されていった。意外と川は深いらしく、ゴブリンがそこに引っかかる事は無かった。


 「失敗したら私達も……」


 ニーナの呟きに誰も反応する事は出来なかった。



 ◇



 勇人達は茂みの後ろに隠れ川や周囲を警戒しながら、一匹で現れるゴブリンを待っていた。今の所、大人と思われるゴブリンが数度現れたが、まだ戦えないという判断で見逃している。

 ときどき川の反対側に現れたり、勇人達の真後ろからゴブリンが来たりしていた。そこは警戒していた甲斐があり、素早くその場から離れる事で事なきを得ていた。


 全員服装がきれい過ぎたので泥や草や葉っぱで身を覆い、自然に溶け込むように努めていた。特に白装束のレイラは念入りに偽装している。泥を擦り付け、その上から葉っぱを付けれるだけ付けている。本人もいやそうではあったが、必要性を理解しているためやらないとは言わなかった。


 お腹がすいて持ってきたご飯を食べていると、喉を乾かしたのか一体の子供ゴブリンが姿を現した。川辺にしゃがみ込んで、掌をおわん代わりにして水をすくい上げ飲んでいる。


 勇人はすぐさま準備を開始し、二人に作戦を告げる。


 「『七節』を使う、ニーナは魔法の準備」


 彼我の距離約20m、『瞬きの静止』(ストップ)がギリギリ届く距離。そして勇人がいつも射撃訓練をしている距離だ。

 『七節』の七つの動作を5秒以上かけると、右手の指で掴んでいた矢と弦を離した。

 反発力で矢が飛んでいき、水を飲んで立ち上がった子供ゴブリンの左胸に矢が直撃した。頭か首を狙っていたが、やはりそう簡単には狙った所に行かず、さらに立ち上がり狙いが逸れた。

 

 勇人は一撃で仕留められず、内心歯噛みしていると、ゴブリンは矢が刺さったまま走りだし逃げようとする。『七節』では間に合わないと思い、通常射撃で矢を撃つが動く的にはまだ当たらず、川の反対側に矢は飛んで行ってしまった。


 「クソッ」


 すると次の手段が取られ、ニーナが『瞬きの静止』(ストップ)を撃った。

 ゴブリンは3人から見ると斜めに移動しており、森の木々に紛れ逃げようとしていた。そこに『瞬きの静止』(ストップ)が右腕に当たった事で動く事が出来なくなり、混乱に極みに達したゴブリンは立ち止まってしまった。


 「行くぞ!!」


 これ幸いにと3人が走りだし、各々近接武器を抜く。

 遂に姿を現した攻撃の主たちを見たゴブリンはギョッとすると、すぐさま逃亡を再開。しかし最後の魔法がそれを阻む。


 「リース・ディ・タップ・ブイオ!!」


 裂帛の気合で放った『瞬きの静止』(ストップ)がゴブリンの背中に当たり、背筋が完全硬直する。大型のモンスターや筋力の強い奴には抵抗(レジスト)されるらしいが、子供ではその心配はなさそうだ。聞いてた通りの結果に満足しながら、レイラが最速でゴブリンの背中を突いた。


 「セイッ!!」


 本気の『打突』がゴブリンの背中を打ち据えた。


 「ゲハッ……!」


 肺から空気が漏れ出す音がすると、勇人も短剣で頭を殴る。


 「ギュィ……」


 鈍い手応えが掌を侵略るが、覚悟を決めていた勇人はそれを振り払いよろめいたゴブリンに必殺を打ち出す。


 「喰らえ!!」


 目の前にさらされた首に垂涎し、そのまま短剣をぶち込んだ。先端がとがった短剣は肉を食い破り、脊椎に当たり中途半端に止まってしまったが、それでも勇人は短剣をねじり込んで致命傷を与える。


 地面に倒れたゴブリンに3人は群がり、止めと刺していく。短剣が肉を裂き、錫杖と杖が骨を砕く。10秒以上の凌辱を続けると、ゴブリンは物言わぬ骸となった。


 「はぁ……はぁ……はぁ……」


 対して動いたわけでもないのに息が荒い。苦しい。さっきまで呼吸してたか? 無呼吸で今まで動いていたかもしれない。緊張のしすぎだ。でもこれくらい必死なくらいでちょうど良い筈だ。他の2人もさっきまでと違って本気(・・)で攻撃していた。俺だってそうだ。矢を撃つのだって『七節』を使ったし、その後も臨機応変に射撃した。……外れたんだけど。それはしょうがないとしても、その後の頭に一撃入れたのと首を刺したのはそう悪くないと思う。自画自賛するわけではないが、戦闘不能に追い込む一助になったと思う。


 勇人がゴブリンの遺体の傍にしゃがみ込んで、腰布に縫い付けられた袋を剥ぎ取り中身を拝見した後、その場を離れた。



 ◇



 その後、もう1時間待つとノコノコと一匹で来た子供ゴブリンを狩り、日が傾く前に森を出て行った。

 街の中に入り、買い取り専門の露店へ行って換金を行う。この後商品たちは内地へと持って行かれ、そこの売り捌かれる。


 売り終わると一泊10ノールの激安宿に戻って、レイラとニーナが止まっている部屋に入らせて貰った。ちょっと話し合うためざわついていない場所が欲しかった。


 「ゴブリン3体倒して1シルバーか……」


 正確には120ノール程度まで行って、銀貨1枚と銅貨20枚で換金された。ちょろまかされたかとも思ったが、そんな事すれば露店の信用が無くなってしまい、誰も来なくなってしまう。そう言う事はしないとの事だった。つまり、これが今日の成果なのである。


 「最低でも生きるのに3人で75ノール……」


 「儲けは50ノールだけ……」


 一人頭たったの15,6ノール。

 渡した袋の中身はすっかすかで売れるようなものがあまりなかったのも原因だが、倒したのが子供というのが原因だろう。

 子供に貴重品をホイホイと持たせる親はいない。それなりに稼ぐには大人ゴブリンを倒し、尚且つカーストの高い奴ほど良い。しかしそこまで危険を冒さなくても、周囲のカーストの低い大人ゴブリンでも今日よりは稼げるだろう。

 しかし明日も3匹倒せるのだろうか? 誰がそんな事を保証する? 今日でこそ大人ゴブリンも何体か見たが、明日はあそこに一匹も来ないかもしれない。


 「大人ゴブリンか……」


 どうする、という声が自然と部屋の中に充満していく。

 俺達が戦って勝てる相手なのか。そうではないのか。他の挑戦者を見かけないが、挑んだ挙句死んでいったのか。それほど強いのか。それとも違う理由なのか。

 しかし隙を突けば倒せる事は、俺自身が証明している。2週間前程度に後ろから首と胸を刺した事で大人ゴブリンは息絶えた。後ろからやれば倒せる事だけは確かなんだ。

 普通に考えれば水を飲むため、あの小川は利用せざるを得ない。どこから飲むかと言う点では適当に陣取るしかないが、一日に数体は必ず来るはずだ。

 ゴブリンたちの集落と言うか、縄張りに入らなければそうはしつこく追いかけられはしない。さらに大人ゴブリンとは言え、俺より小さい。これは大きなアドバンテージだ。3対1なら俺が何とか受け持つ間に、二人の援護が来る。一体だけなら何とかなるのか……?


 「ユウト……」


 「ユウトさん、どうしますか……?」


 この中で一番年上であり、一応は男である勇人に意見統一が求められている。


 「……明日もこうなるかは分からない。一体だけだ。大人ゴブリンは一体の時だけ狙う。基本は矢で一撃必殺を狙うが、ダメだったときは俺が相手取るから、二人はサポートしてくれ。……それじゃあ、今から修行をしようか」


 「「えっ……!?」


 2人は豆鉄砲を受けたような顔をして、心底驚いているようだった。もうお休みモードに入っていて、ベッドに寝転ぶ準備さえしていたほどだ。


 「まだ4時か5時くらいだろ。まだ数時間は外は明るい。走るなり、技の訓練をするぞ。今日は3回しか戦ってないんだからな」


 「……そういえば、そうね。とても頑張ったような気がしてたけど、あまり疲れてないものね」


 「く……。またしても正論を……!」


 そうは言うがニーナも杖を手に取り立ち上がった。口とは違いちゃんとやる気はあるのだろう。不満でも言ってないとやってられないのは分かる。


 「ほれほれ、行くぞ」


 部屋のドアを開けて、塀の外へと移動していった。

 こうしてゴブリンとの最初の戦いの日は自然と終わっていくのであった。

最後まで読んで頂いてありがとうございます。

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