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リープ〜in a days〜

作者: 白兎
掲載日:2013/05/14

■リープ〜in a days〜





カゲロウが笑う。


「願い事は叶えたぞ」


僕はまたやり直す。


今日もまた、彼女は死ぬ。





8月の暑い日。


僕は幼馴染みの女の子と楽しげに会話していた。


会話の内容はあまり覚えていない。


ただ、彼女は夏が嫌いだと言っていたのを覚えている。


そして、彼女と帰ろうとした瞬間。


彼女の抱いていたネコが腕をするりと抜け出し、道路に向かって走り出す。


青信号。


しかし、信号を無視したトラックが走ってきていた。


「〜〜〜■■■!」


声にならない叫びが喉の奥から出る。


カゲロウが笑った。


「リープ……」


僕は何故かそう呟いていた。





「は……!?」


目が覚めると彼女と出会う一時間前だった。


間に合え!


僕は公園にいた彼女を連れ出し、その場を去った。


だが、


横断歩道の横にある橋、その階段につまづき彼女は転落した。


カゲロウが嗤う。


「リープ」





「あ……」


また。あっけなく、必然的に彼女は死んだ。


このループは何度目なのだろう?


あと、何度ループすれば彼女を救えるのだろう。


「今日も心葉このはは不機嫌そうだね」


彼女は笑ってそう言った。


それから三十秒後。


彼女は死ぬ。


「あ……」


死に方はどんどん凄惨せいさんなものに変わっていく。


「繰り返す。……まだ終わらせない」


彼女を救う。


そのENDにたどり着くまで、僕の旅は終わらない。


「……リープ」


巻き戻る。


彼女は笑って言った。


「心葉、また不機嫌な顔をしてる」


「……頼むから」


「?」


「死なないでくれ」


頭上では鉄筋コンクリートの塊が落ちかけていた。


「心葉!」


バンっと背中を押される。


そして、彼女は死んだ。


「もう、嫌だ」


「もう、いいんだよ」


死にひんした彼女はそう言った。


「リープ」


今度こそ、助け出す。


たとえ、僕がどうなろうとも。


「心葉、不機嫌そうだね」


「ごめん!」


彼女の背中を押す。


頭上から鉄筋コンクリートの塊が迫ってきていた。


「ざまあみろ」


僕は彼女を助けたぞ。


僕は泣いているカゲロウに向かってそう言った。





彼はまた死んだ。


「ざまあみろ」


そう言い残して。


「現実だよ」


カゲロウはささやく。


「うるさい!」


私は彼にまた出会う。


「心葉は不機嫌そうな顔をしてる」


今から三十秒後。彼は死ぬ。


私を潰す鉄筋コンクリートの塊からかばうかたちで。


「心葉」


「なに?」


「好きだよ」


私は笑って彼を突き飛ばした。

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