第3話 転生!魔法世界リヴァイス
魔法世界リヴァイス。
それが僕の転生した世界の名前らしい。
この世界では、科学はあまり発展していないようだ。
確認したところ、せいぜい中世ヨーロッパと同じくらいかな?
だが、しかぁし!
代わりに魔法が存在した!
この魔法の恩恵は大体三千年ほど前に現れた一人の『大賢者』と呼ばれた人が広めたらしい。
お陰で電気器具が無くとも火の魔石で暖をとり、水の魔石で水の恩恵を、風の魔石で扇風機よろしくの機能が得られる。
魔法さまさまだな!
さて、次は国の配置についてか。
この世界は大きな1つの大陸と陸続きで繋がっている一回り狭い大陸で主に成り立っている。
この狭い大陸の方には『魔族』と呼ばれる種族の大陸で、彼らは魔物を率いてこちらの大陸を乗っ取ろうと攻めてきているそうだ。
魔族の親玉である『魔王』はバケモノらしく、今まで何人もの人が戦いを挑み、帰ってきた人は一人としていなかったとか…。
まあ、今は魔族のことは放っておくか。
そして僕が産まれたのは人間や獣人、竜人が平和に暮らしているリースフィーナ王国。
僕の第二の故郷であり、新しい人生が始まった国だ。
そんなこんなで僕、篠塚蓮斗ことエルニアート公爵家長男リュカ・エルニアート、ただいま3歳です!
─○─
ここはエルニアート領の屋敷。まあ僕が住んでいる
所だ。
僕は今屋敷の書庫にいる。
何故かって?魔法を学ぶために決まっているじゃないか!
パラパラと頁をめくる音だけが部屋に響く。
最初はの頃は絵本を読んで言葉を覚えていた。
嬉しいことに、赤子の記憶力は抜群によく、一切の頃には言語をマスター。
因みにこれは母さまにはナイショだ。だってどう考えても3歳児がコーヒー片手に魔導書を読んでいるなんておかしいからね!
自分でも奇抜な光景だと思うよ。
………てか、本多すぎるよ。壁一面本でびっしり埋まっている部屋なんてはじめて見たわ!
……………もし地震とかあったら、僕、死ぬな。
─死因:本によって圧死
絶対イヤだ。そんなの。
まあこの『よく分かる魔導書~初級魔法から禁忌魔法まで~』を読んだ限りでは、この世界の魔法は
元素魔法と呼ばれるものと、
固有魔法と呼ばれるものの2つがあるらしい。
……なぜ禁忌魔法まで載っているんだ。禁忌じゃないのかよ!
まあこちらとしてはむしろ大歓迎だ。
何やら禁忌魔法は普通の文字とは違う文字で書いてあったのだが……やたらと解読が簡単だった。もう拍子抜けするくらいに。
そんなこんなで禁忌魔法の頁を見ていたら、廊下からコツコツと誰がが歩く音が聞こえてきた。
僕はすぐさま魔導書を閉じ、残りのコーヒーをイッキ飲みすると魔導書を投げて元々あった場所に投げ入れる!
(※因みに本棚の空きスペースからリュカが座っている席まで大体5メートルほど離れていて、そのスペースの大きさは魔導書がピッタリ入るサイズである)
ポスッ。
くるくると回りながら飛んでいった魔導書は気持ちのいい音をたてて空きスペースに納まった。
もちろん上下は間違ってない。
………我ながら神業だな。今じゃ成功率100%になったこれは、見世物にしてお金を稼いでいた頃の血の滲むような努力があってこそだ。
やってたのは3歳の頃だけどね!
僕の数少ない法に触れない仕事の1つだ。
そして何事もなかったかのようにカモフラージュ用の絵本を取り出して読んでいると、ガチャリと音をたてて書庫のドアが開いた。
僕は入ってきた人物に声をかける。
「かあさま、どうしたのでしゅか?」
!?くそっ!舌噛んだ!
僕はまだ3歳児。まだまだ舌ったらずだ。
そう、書庫に入ってきたのは僕の新しい母親、セイラ・エルニアート。
純銀のような銀の髪を肩でそろえ、雪のように白いすらりとした体つきは全ての男を虜にしそうだ。
(※注意!僕は決してマザコンではない。客観的に見た結果である。)
「リュカちゃん。ちょっと大切なお話をするわね。」
「……?なに、かあさま?」
「明日王女様の誕生パーティーがあるからから、ちょっとドレスの用意をしなきゃいけないの。お洋服を合わせるからちょっとついてきて♪」
お母さまよ、僕は男だ。いいかげんちゃづけは
やめてほしい。
そうか、明日は王女様の誕生日か。いったいどんな子なのかな?侍女たちから聞いた話では僕と同い年らしいが……。
……………………………え?ドレス?