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紫銀の少年と異世界転生  作者: 桜餅
第二章 旅立ちと冒険者
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第24話 厄介事② Side アメイヤ

はい皆様、ほぼ半年ぶりでございます。桜餅です。

なぜ投稿が送れたのか?云々は活動報告にて、また。

では24話目、どうぞ!短めですが……

────目の前で起こっていることが、信じられなかった。


私、つい昨日帝都の冒険者ギルドで登録をした、駆け出しEランク冒険者のアメイヤ・ガーネットはとある依頼でここ、クロマーテル帝国帝都東の“メナトルの森”に薬草の採集に来ていた。


全部順調だった。途中、オークに遭遇したりもしたが、木の幹の裏で息を潜めてやり過ごしたりもした。

しかし、それは朝方にやっと依頼を終え、帰る途中に起こった。──私たちの村の宝を手で弄びながら帝都へと帰ろうとする集団を見つけたのだ。


数は10~20。全員男のようで、低い声が全身鎧の中から聞こえてくる。

そして先頭にたついかにも高そうな鎧を着た青年──こいつが“水識の栄玉クゥーネル”を手で弄んでいたのだ。


水識の栄玉クゥーネル”は珍しい魔法具の1つで、その効果は魔力を注ぐと水を産み出すというシンプルなもの。

しかしその変換効率は市販の魔具の100倍にも及ぶ。水に乏しい私たちの村になくてはならないもの。


それが今目の前で弄ばれているのだ。

私は帝都へ帰ろうとしている連中の一瞬の隙をついて取り返すことに成功した。


先頭の黒鎧の青年が“水識の栄玉クゥーネル”を投げた瞬間、風の元素魔法エレメント

、エア・バレットで弾いて、落ちたそれを拾って駆けた。



10分ほど逃げ続けただろうか。


途中、背中を風の刃で切られ、土の槍で足を刺されたが、それでも私は帝都へと逃げつづけた。


そして、風を纏った剣を投擲され、自分の剣で弾いた時に私の剣は折れてしまい、ついに近くにあった木へと叩きつけられた。



「ちっ、ようやく止まったか」



痛みに耐え、見上げると私をおってきた黒鎧の青年が私を見下している。



「男爵様。こちらの盗人は如何されますか?」


「あ?そうだな……」



何か話してるけど、痛くて痛くて、何をいってるのかうまく判断できない。



「よし、こいつは連れて帰って奴隷にする。俺の大事な宝具を盗んだんだ。これくらいは当然」


「しかし、それでは抵抗されはしませんか?」


「なら、動けなくなるまでいたぶればいいだけだろ?さいわいこいつは女なんだから……」


「あぁ、そうですな……」



下卑た笑い声が朝の森に木霊する。


────こいつら、私たちの村を襲って、宝具を奪って、私を────!!


必死になって身をよじる。今は本の少しでも、こいつらから離れなくちゃ────!



「おや?こいつ、逃げるつもりらしいぜ?」


「でも一歩分も動いてねぇじゃねぇか!」



また笑い声が響く。



「でもめんどくさいな。連れて帰る前に…………」



腹部に衝撃が走って、私はさっきの木へとまた叩き戻される。


痛い。苦しい。悔しい。────恐い。


村のみんなの敵もとれず、こんなところで終わってしまうなんて……。



「足の一本くらいとっておくか──」



私に向かって白刃が向かってくる。


私はすぐ来るだろう足の痛みに耐えるように目を瞑り…………。そして、剣が弾かれたような、甲高い音を聞いた。




─◇─




…………え?


私と黒鎧の青年の間に急に現れた黒ローブの怪しい二人組のうち、少しだけ背の高いほうの人が何か喋ってる。


黒鎧の青年が私に罪を着せようとしてきたから、痛むからだに鞭うって大声で反論した。


そのときだった。二人組のうち、背の低いほうの人から青みがかった銀の魔力が溢れだし、いつのまにかその手に銀の杖を握っていた。


この距離でも感じるすごい魔力……。それに、その杖に秘められた魔力を感じ、思う。


間違いない……。これは、魔法具だ……。それも、水識の栄玉クゥーネルよりも、もっと強い……。


と、そこでまた私は信じられないものを目の当たりにする。



『────』



杖をもった黒ローブの人が呟く。


それが詠唱だと気づいたそのとき、杖の先から黒い球状のナニカが生まれ、一瞬で広がっていき──



─────次の瞬間、世界は『夜』に包まれた──。






   ─◇─




いやー、そこまでするのかな?


僕がまず思ったのは、そんな感想だった。


いや、確かに僕が殺されかけた(あんなんじゃ死なないけど)のはわかるけど、悪者とは言えしょっぱなから『夜』を使うとは思わなかったよ。


とりあえず思ったのは、



あ、こりゃ逝ったかな?



………………ってあれぇ?範囲内に僕ら入ってんじゃん!


「………あ、あのー、ノルンさん?」


「…………なに?」


あ、まだ正気保ってるのね。安心安心。


じゃなくて!


「『夜』にこの娘も入ってるんだけど……、いや、そもそもちょっと過剰すぎじゃ……」




主に威力が。



「…………だい、じょうぶ、だよ?」



「おおーっと、まさかこの段階で大丈夫とか言えるとか僕ビックリだよ」


一拍の間。


そしてノルンは、言った。





「だれにも、ばれなきゃ、犯罪じゃ……ないから……」




「それはあらゆる人を敵にまわすよ!?」


いかん、これじゃいろんな意味でヤバイ。



そんなことをしていると、徐々に『夜』にポツポツと星明かりのような──いや、『夜』の内部に『星』が次々と現れ始める。


いかん。完璧に準備ができてしまった。



「おい貴様!男爵たる俺に何を──!」



何か悪人がほざいてるけど気にしない。


皆!悪い人の言葉に耳を傾けちゃいけないんダゾ☆ミ



そして僕はいまだ「え?え?」とうろたえている冒険者っぽい娘を肩に担いで────




真滅流歩術、瞬脚『天』。




─────音の壁・・・すら突き破り、空を駆け『夜』範囲内から脱出するとともに───







瞬く数々の『星』が隕石と化して大地へと降り注いだ。









……テストは辛いよ、パト○ッシュ……


赤い文字が襲ってくるよ…




さくらもち : Level 28


ステータス : HP 0

ATK 3

DEF 1

INT 1

MIN 2

LUK -999


そうび : だいふくぼでぃ

 

     いちご  

      

     あんこ


……あれ?むしろ弱体化してない?



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