第11話 潜入潜入ッ!
最近体育のマラソンとか部活とかで疲労困憊な桜餅です。
久々の更新♪一週間と三日ぶりかな?
では、どうぞ!………の前に、前話のあらすじ!
王女様のパーティーに呼ばれたリュカ!そこでリリスという少女と出会う。黒服に襲われたと思ったら、目の前で王女様が拐われた!誘拐犯を追跡!そして潜入ッ!
Place-王都郊外クーニ・マルダ邸
Side クーニ・マルダ邸の門番
私ははクーニ男爵につかえている騎士だ。
私の仕事は、こうやって門を死守すること。
もしも門を突破しようとするバカがいるものなら……自慢の剣技でメッタぎりだ。
「しっかし、旦那様は何をしているのかねぇ?」
ポツリ、と隣に立っている同僚が呟いた。
彼は俺の後輩にあたる。早く結婚したいとか言ってたな……。
モテないもの同士、色々通じるところがあるやつだ。
「此処だけの話だが、どうやら旦那様は貴族の子を拐ってるらしいぞ。」
やはり、と言うべきか。後輩は慌てて持っていた槍を落としかけた。
「そ、それって犯罪じゃねぇか!」
「そんなことは分かっている。旦那様も、ひどいことするもんだ。だが…………」
一旦言葉を区切る。
「俺たちに明日特別手当てが入るらしい。それも1000000Gも。」
「ひ、百万ゴールド!?おいおい、俺達の年収と大差ないじゃないか!」
「そういうことだ。旦那様が何しようが、俺達は金が入れば、それでいい。」
「はは、ちげぇけぇ。」
明日大金が手にはいるのだ。例えそれが貴族のガキの将来から奪い取ったものだったとしても、金が入ればいい。
その時だった。
足元に、コツンと何がが当たった気がした。
「…………?」
怪訝に思い、足元を見やると────石が転がっていた。
「何だ、ただの石か。」
気にすることでも無かったのでそのまま警備を続けようとしたのだか───
「待てよ……。」
そう、何かがおかしい。
慌てて周囲を見渡す。もちろん、人どころか動物のの影すら見当たらない。
いつもと変わらない──しかし今日は風が出ていないが──静かな門前。
そう、いつもと、何も変わらない。
では、この石は何処から転がってきた?
「──────!」
私は慌てて後輩に異常を伝えようとした。
が、直後に後頭部に重い衝撃が伝わり、私の意識は刈り取られ、遮られた思考は闇の中へと落ちていった…………。
Side リュカ
門番二人を気絶させた僕は、彼らが倒れないように門の壁へともたれさせてから、堂々と中に入っていった。
何故そんなことをしたかって?もちろん、門番が気絶したのを悟らせないためだ。
「それにしても……」
僕は自分の手がある辺りを見る。
もちろんそこには自分の──病弱ではないが──白い手が────無かった。
これは手だけではない。腕も、足も、髪の毛も、全てが見えない。
ぶっちゃけて言ってしまうと、今の僕は透明人間なのだ!
…………コホン、ちょっと熱くなってしまった。
反省反省。
何故透明なのか……はもちろん、僕がさっき創ったローブのおかげだ。
《幻装ヤタガラス》
僕が前世で作り上げた、五大作の一つ。
光学迷彩の装置を糸状にし、それを織り込んでできたローブに、防火対策こそとれなかったが、糸に防水加工を徹底的にかけたので三日間海につけても壊れない。
隠密・諜報特化型の装備である。
これは昔、気配は完全に消せるけどカメラだけはごまかせないといっていた静音姉さんに作ってあげたものだ。
充電は地球に優しい太陽光発電だったのだが、今僕が創ったのは、使用者の魔力を使って動くようにした。
魔法万歳!
しかし静音姉さんの隠密能力はそこらの暗殺者を軽く越えている。
もはや目の前に立っていても肩を叩かれるまで普通の人は気づけない。
それにさっきの『気配は完全に~』はマジである。
それも本気と書いてマジである。
模擬戦で昔やってもらったことがあるのだが、静音姉さんが目の前から急に消えたものだから焦った。
本気で気配を探ってやっと存在を感じ取れたっけ。
閑話休題。
そのまま僕は誰にも気付かれることもなく──まあ気づかれる前には全員意識を刈り取っていたのだが──進んでいると、後ろからついてくるリリスが立ち止まった。
彼女は生まれつきある魔法を常時発動してるらしいのだが、何でも『魔法をを隠蔽』する魔法がかかった魔具をつけてるらしい。このため屋敷の転移魔法は発動せず、また見張りは僕が倒しているので、彼女は悠々と僕の後ろをついてきていたのだが……何やら立ち止まって壁をじっと見つめていた。
「…………ここね。このなかに魔力の反応がある。」
僕も同じように壁を見る。別段変わったところは無いようだが……
リリスはペタペタと壁を触っていたと思ったら、いきなり壁を押し込んだ。
するとゴゴゴゴゴッという音と共に壁が下に下がっていく。
隠し扉だ。
「さあ、行きましょう。」
そのまま隠し扉のなかにはいる。するとすぐ階段になっていたので、僕が先頭にたって降りていく。
暫くすると、階段は終わり、一つの大きな扉の前についた。
あっく趣味だな~。もう全部金ピカだよ?しかも彫られてるのが肥った豚みたいな人間(?)ときた。
…………これがクーニなら、僕はこれを作った人に同情するよ。こんな悪趣味きわまりない物を作らされるなんて……。
「リリス、僕は一人でこの奥に行くね。」
するとリリスは信じられないといった顔をした。
「あのね、このなかにはかなり大きな魔力反応があるわ。あなた一人じゃ……死ぬわよ。」
「僕が死ぬくらいならリリスも死んじゃうよ。かわいい子を危険な目にわせたくないしね。」
すると彼女はキョトンとした顔をした後、カアアッと顔を耳まで赤くしていった。
「なっ…………!ななな何真顔でいっているの!!恥ずかしいじゃない!!
真っ赤な顔のまま半眼で睨み付けてきた。
ちょっと怖い。
…………え?何?その犯罪者を見るような目は!?
僕はロリコンじゃないよ!?ただ子供が好きなだけだよ!?
………………な、何!?『それも一緒だ』だって!?
違うよ!確かに将来の夢は『孤児院』設立
だったけれど、それは僕の家庭内事情というやつで!!
「……え~っと、り、リュカ?」
何だよ!僕は今DOKUSYAに誤解を解こうと
バァン!
「き、貴様、何者だ!?」
あ、あれ~、突入前に鎧で全身ガッチガチの人が扉を開けてきちゃったよ?
…………あ、そうか。
「…………ねえ、リリス。」
「…………何よ。」
僕はリリスに言う。
「ここ、敵地なんだから………声、抑えてね?」
するとリリスはいつのまにやら手に片刃の片手剣を握っていて………あ、今の『片刃の片手剣』は別にギャグじゃないよ?偶然偶然。
だからそこ、寒いとか言わない!!
─────ってちょっと待った!剣!?それは洒落にならな
「貴方のせいでしょう///!!」
顔を真っ赤にしたままのリリスに剣で扉の中に叩き込まれました。
…………………………峰じゃなくて、刃で。
サブタイトルって、決めづらいですね……
今回はとある奇妙な冒険の吸血鬼の名台詞からとってみました。
2013/1/23 後書き修正
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