第一話〜桜の下の黒薔薇〜
いつ殺(いつか私を殺してくれるあなたと)と大魔女(大魔女の三つ目の世界)の息抜きに書いていくつもりの小説です。
文字数は1000字くらい固定のつもりなので1話1話は短いと思います。
よければよろしくお願いします。
新学期。
高校一年生になった私、神坂桜は教室の前で深呼吸をする。
中高一貫であるこの霞ヶ丘学園には他の高校と比べると新入生が少ない。
もうすでにグループができているであろう学校に行くということ、それは転校と大して変わらない。
(うぅ、私ここでうまくやっていけるかな……まさか本当に受かっちゃうなんて……)
特に進路のなかった私はなんとなく制服が可愛いから!という理由だけでこの高校を受験した。
そこそこに偏差値の高いこの学校、正直落ちると思っていて滑り止めの学校に行く気満々だったのだが、勘がよく当たったのか受かってしまったのだ。
(とにかく!こういうのは最初が肝心って何かで言ってた!がんばれ桜!!)
「お、おはようございます!」
ドキドキしながら教室のドアを開けると、思ったよりも私の声が大きかったのか中にいた人たちが一斉にこちらを向いた。
(や、やってしまった……?)
私を含め全員が一瞬固まっていたが、少しするとみんな微笑んで、口々におはようと返してくれた。
(よかった……みんな優しそう……)
黒板に貼ってある座席表を確認し、席に着く。
すると前の子が振り向いて、私に声をかけてきた。
「おはよう。朝から元気だね〜。見ない顔だけど高校から?」
「あ、そ、そうなの!神坂桜って言います!えっと、あなたは?」
「私は中学からここ。山崎蘭々です。よろしくね、桜!」
「うん、よろしく!」
「桜ー!」
「あ、蘭々!」
「次移動教室だよ!一緒に行こう!」
「え、ほんと?!やばい準備してない!」
「桜ちゃんってちょっと抜けてるよねぇ」
「いや穂乃果も大概でしょ」
入学から二週間。
はじめに声をかけてくれた蘭々と、彼女と中学の頃から仲がよかった穂乃果と友達になることができた。
「わっ、見てあそこ……」
「黒薔薇だ……」
廊下を歩いていると、外を見ていた人たちが急に騒ぎ出した。
隣を見ると、二人も苦い表情をしていた。
「えっと、なんかあるの……?」
「あぁそっか、桜は高校からだから知らないんだね」
「えっとねぇ…見て、あそこに座ってるのが黒薔薇様」
穂乃果が指差した先を見ると散りかけの桜の下で本を読んでいる黒髪の女の子がいた。
「綺麗な人……」
「彼女は野薔薇沙夜。文字通りバラのように美しく気高き人間で、みんな一目置いてるの」
「薔薇……確かに」
「まぁ、薔薇は薔薇でも“黒薔薇”なんだけどねぇ」
「黒薔薇……?」
「そ。なぁんか不吉な感じがするのよ、彼女。黒薔薇様のクラスは一年の間に絶対に何か問題が起こるのよ」
「そ、そうなんだ……」
「まぁあんまり関わらないほうがいいかな。結構冷酷で残酷な人だって言われてるから……」
「うん、気をつけるね……」
黒薔薇様、かぁ……
ここまで読んでくださってありがとうございます。
投稿頻度はそこまで高くありませんが、一週間に1回は更新するつもりでいますのでよろしくお願いします。
よければ次回も読んでいただけると嬉しいです。




